表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
美人悪役令嬢は生きる為に悪役をあえて貫く  作者: イブ
1章 一人ぼっちから始まる悪役令嬢
9/80

9話

次は8時に間に合いましたら見てくださいです♪

「その、右手をどうするのですか?」



気まずそうにローズが話す。



「早くしない。見ていたら分かりますわ」



ローズは納得いかない顔をして、腰に付いている袋から何かを取り出した。

あの袋から理の力が働いているのかな?

カインが物珍しげに見ていた私に教えてくれた。



「それはアイテムボックスって言う沢山入れられる袋なんだ」



マジ!それめっちゃ欲しい!

いつか買わなくては!



ローズな机に布を広げ出てきたのは右手だった。

傷んではなさそうだ。

人差し指に割れた指輪らしき物が付いている。



「この指輪は装着者の命を一度守るモノなんだ。それが割れているって事は一度命を落としかけたって事になる」



ローズは悲しげに言う。



「そうですの。なら貴方のお守りのおかげでこのレイナス領までたどり着けたのでしょう。良かったですね」



ローズは目を見開き、ありがとうとボソッと言う。

多分、罪悪感とか感じていたのだろう。



「マリー、少し、自分の手を持ってなさい」



マリーは首を傾げハイと言う。しかし、周りは困惑していた。



「クレア様、流石に妹に自分の腕を持たせるのはあんまりです」



「あ、あの?これから何をするんですか?ローズちゃんじゃないのですが私も自分の体を持たせるのは可哀想かと思います」



……反感が多い。このままじゃ鬼畜認定だ。

言うよりやって見せた方が早いか。


『我、癒しの理を制し者なり、元ある形へ戻れ、リーフヒール』


私の言葉に合わせ右指の人差し指より呪文が現れ、マリーの右手を覆う。

右手は徐々に色味を増し、マリーの無くなった腕の部分と鼓動するように右手が動く。まるで意思を持っているかのようだ。いや、呪文が中に入るのだろう。

切り口に巻いていた包帯がひとりでに外れ右手の切り口と腕の切り口が合わさり巻き戻しを見てるかの様に右腕が元通りになり、切れていたのが嘘の様に切り傷も無くなった。



「どう?マリー、何か問題でもありまして?」



手をグーパーして確認しながら首を壊れた様に振り否定するマリー。

周りも唖然としている。



「い、い、今のは呪文ですか!?」



サリーは唖然としたまま器用に慌てた。



「だったら、なんでしょう?」



「いや、あの様な凄い呪文聞いた事ありません!神官にもいないのではないのですか!?」



そうなのかな?割と呪文的にも右腕が捻れる程度で覚えれたから神官達でも覚えられるんじゃないかな?



「サリーさん!クレア様は祭祀様と同じ秘術も使えるのです!私も魔力枯欠症治して戴きました!」



マリーの言葉に反応したのはローズだった。



「そ、それは本当なのか!?」



ローズはマリーの為に依頼こなしているのだから慌てるのは当然である。



「えぇ、だから先程、マリーが聞いてきたではありませんの。覚えるのに覚悟が要りましたがマリーを民を守る為、領主の娘としてやっただけですの。だから、ローズ、貴方の先程の発言は余りいい気はしませんでしたわ」



「いや、その本当にすまなかった、腕も治らないと思っていたが魔力枯欠症まで治して貰えるとなると死んで詫びるしかもう出来そうにない」



いやー!死んで詫びないで!

必死に周りの皆さんが取り押えてくれたおかげで大惨事にならずに済んだ。


自分が居たら慌ただしので皆に料理を作るので待っている様に伝え早く部屋を出た。調理室に入りそれから1時間かけて簡単に晩御飯を作った。



「重ね重ね、申し訳ありません!」



そして、戻ってきた私に今は綺麗に土下座のままずっと居座っているローズさん。マリーちゃんもうわぁって引きずってますよ!



「構いませんの。もう済んだ事ですし、マリーを助けたかったからやっただけで貴方に感謝されたいからじゃないのでもう辞めてください」



ローズとも何とか仲直りできたし御飯も食べてもらったし帰ってもらうかな。

でも、無理そうだし何か条件付けるか。



「謝罪も受け取りましたし、お引き取りをお願いします。貴方達の問題事を解決させてたらマリーを返します。それなら安心できるでしょ?」



「はい、それとは別に私には多大なる恩義があります。仲間はそうですが私には貴方へお返し出来ればと」



マリーとの初めを思い出すよ。さすが姉妹。



「ならこうしましょう。貴方達は弱いですよね?」



そうすると皆がむっとする。

やはり、誇りはあるのか弱い言われたらむかつく様だ。



「強くなって下さい。そうですね、一つ強くなる方法を授けます」



サリーへ近づき、魔力をサリーへ流し込む。そして、循環させる。

サリーは少し苦しんだが慣れた様だ。



「その感じをわすれないで私の言葉に合わせ唱えなさい」


サリーは頷く。


『我が魔力よ、我に循環し力と成せ』


私が唱えるとサリーも唱えそして驚く。



「これはなんでしょうか?魔法?いや、違う。こんな魔力の使い方やスキルは知らない。力が溢れます」



「力と言うより魔力ですね、魔力で身体を強化させました。平民でも属性は無くても魔力は持ってます。呪文は扱えなくてもそれを身体強化へ使えば勿体無くないでしょ?身体能力を今の2倍以上は引き出せるでしょう。サリー、他の仲間に今の感じを伝え皆様は強くなりなさい」



初めてあった時、様々なスキルがあったはずだ。それに身体だけなら私より強い。しかし、それをもってしても呪文は強力である。

なら身体を更に強くして呪文に勝てばいい。



「でも良いのでしょうか?この方法は秘術にされてもおかしくありません。そんな技を教えて頂いて良かったのですか?」



ゲームで得た知識なんだけど秘術と同じくらい魅力あるようだ。



「私はマリーの為にと言いましたよ?本来なら教える気ありません。私しか知らないのですから。しかし、貴方達は弱い。弱いなら強くなればいい。強さを伝えるのもまた一興ですわ。他言無用ですよ?」



「こんな凄い技を使ってもいいのか?」



さすがカイン、リーダーだね。見てすぐに分かったようだ。



「ですから構いませんの。マリーの為ですから。それよりこの領に泊まるなら狸の寝床がおすすめですわ。家名出さずに私からの教えてもらったと伝えたらサービスして貰えるかも知れません」



ここでエルザの宿をさり気なくアピールする。



「クレア様、何から何までありがとうございます。私は貴方に忠誠を誓っても宜しいのでしょうか?」



……ローズさんは貴方中々面倒な性格してますね。妹治った、ラッキー位で居てもらわないと困ってしまう。



「それはマズイのではありませんか?貴方達のクラン旗なき騎士の円卓的に」



「それはどう言う意味でしょうか?」



すかさずカインが間に入ってきた。



「いえ、リッカ国は騎士の国なので忠誠誓っても良いのでしょうが貴方達のクランって確か別名ケイサスベライでしたよね?貴族を敵対まではしてませんが権力に屈せずに弱きを助けるレジストでしょう」



皆が固まるのが分かる。

マリーは知らなかった様だし私の話した事も理解してないようだ。



「そうそう、別に貴方達の事が漏れている訳じゃありませんの。貴方達と第2王子が水面下で色々しているようですが死なない程度に頑張ってください」



コレはゲームと妹からの知識で実際に何やっているか知らない。



「あの、そこまで情報を知っていて何故我々を罰しないのでしょう?」



……私にそんな面倒を押しつけないで!



「必要ありませんわ。貴方達の行動こそが民の思考と考えても良いでしょう。民を守る為に入れた冒険者ギルドも何か怪しいですし、頼れるモノが居ないから貴方達が生まれたのでしょう?」



カインは何度も驚きすぎて表情が出てこないようだ。



「クレア様、本当に貴方が言った通りです。聴くのと見るのでは違いますね。お食事を作って貰っている間にクレア様の事を少しマリーから聞きました。イメージがガラッと変わりました。意図してあの様な噂が流れたのか分かりませんが我々の事も見逃すのは民を思っているからですよね。我々は民を守る為の集団です。なら同じ思想のクレア様に仕えるのに何か問題ある事はないです。我々が敵対して居るのは民を消耗品としか思って居ない純血派貴族の方です」



……やばい。少し前の私の事じゃないですか。

私はニコッとする。



「ローズ、いいでしょう。貴方の誓いを受け入れます。その代わり、私に代わりに力なき民を助けて下さい」



ローズは私の前で跪く。



「このローズ、リッカ国では近衛騎士団の副団長として国を支えてきた身であります。またこうして主を持つとは思っていませんでした。貴女様の良き剣になる事を誓います!」



……騎士国の近衛騎士団の元副団長が仲間になった!

ローズさんは騎士の国での地位は近衛騎士団の副団長でした!


ブックマ等いつもありがとうございます!

ではまたです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ