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美人悪役令嬢は生きる為に悪役をあえて貫く  作者: イブ
1章 一人ぼっちから始まる悪役令嬢
8/80

8話

本日も投稿です!

魔術と魔法は別物のようですΣ( ̄ロ ̄;)

そんな話も混ぜてのお話です!


本日ももう2話くらい投稿するかも?

感動のご対面ともいかず気まずい雰囲気が流れた。



「マリー、沢山のお土産があるの。皆様も入ってよろしいですよ」



「そうだな、すまないがお邪魔する」



取り敢えず中に入って暖炉のある大きなお部屋に連れて行く事にした。


そこに皆に座らせ、私は紅茶を用意した。こう言うのは使用人にやらせるのだけどマリーは未だに右手が無い。

無い理由は右手がまだこの世界にどこかに存在しているから呪文が効かなかった。

だから、今も食事は私からあーんしてあげている。

戻ると案の定、マリーの手を凝視し、やるせない顔をしたローズがいた。そして、皆も同じ反応だ。

話しを和ませるかの様にお仲間が私に話しかけてきた。あら、喋れたのね。



「この部屋、流石お貴族様だなカイン。あのシッカーとか言う貴族とこの嬢ちゃん同じ位凄いお貴族様かもしれないぜ?」



「ユグル、見っともないのでその様な話をしないの。リーダーも答えなくて良いですよ!クレア様でしたよね?申し訳ありません。あの私はサリーと申します。このPTで魔法使いの後方役しております。以後お見知りおきを」



「はいはい、すまないね。でもお嬢ちゃんも貴族様だよな。あの浮かんでいたのって確か呪文って奴だろう?どうやって使えるんだ?」



そういえば、原作では当たり前の様に呪文は出てきたしそういう設定だと思っていたが今思うと貴族に繋がる者や強い者しか出てないのである一定の層からしか知らないとは思わなかった。

王族付近の物語だもんね。平民達が出てきてもRPGでも村の紹介や建物の話と言うか一方的なやり取りだったがあれは話しかけられたら話さなきゃいけないから話していたとも捉えられる。

だがそう考えると理解出来る部分がある。貴族が怖いと言うより呪文を使う貴族が怖いと認識であればギルドや下町での怯えようは分かる。

本に書いてある事と人から聞く事体験する事全て同じようで違うし人によって捉えようは様々だ。

少し、この人たちと認識を擦り合わせるのも悪くない。

深く考えていた訳ではないのだがサリーは勘違いしてしまったようだ。



「バカユグル!クレア様が困っているじゃない!貴族様の秘術を軽々平民である私達が知って良いものじゃないの!クレア様じゃなければ下手したら消されちゃうかもしれないよ!」



そんなに貴族にとって呪文はステータスなのかな?

クレア嬢の記憶を探っても父親は普通に簡単な呪文を扱えるように訓練をさせてヒールとファイヤを覚えさせてくれていた。

の記憶を覗いてもレベルアップして能力値が上回れば呪文を覚えたがやはり画面越しで呪文を従えるのに困難と言う表紙や辛いと言う説明が書いてる割にあっさり覚えていた。

クレアや彼の記憶で共通しているのは適性がないと呪文は従える事が出来ず呪文に殺されてしまう。

そして、適性はその適性持ちの人間しか理解出来ず解らない貴族はサーチの魔法で調べる。



「サリー、貴方魔法使いなのよね?私の聞く事に答えなさい」



急に言われたサリーは顔を青くしてハイと答える。

私とのやり取りでマリー以外の3人は失敗したと思ったのだろう。顔色が強張った。



「平民はどれほど呪文について知っているの?知っている事全て話しなさい。あと消しはしないけど全て喋ってなかったと後から分かったら……分かるよね?」



サリーは私の言葉を聞くと涙目にながらオロオロと話してくれた。



「呪文について平民は殆ど知らないと思います。貴族様には我々の知らない力を持っていてこの土地を守っているとの認識が大多数かと。それと冒険者になると貴族様と関わりもありますし、貴族様が冒険者になる事もあるので呪文の事は少しは聞いていると思いますがそれでも冒険者になる貴族様もあまり呪文に対しては多くを語らないのです。私達は旗なき騎士の円卓と言うクランに所属してますがそのクランには貴族様はいないのでそういう情報は聞かないです。それに呪文を知った冒険者が呪文に手を出して死んだ話を聞いた事があります」



それは自分より強い奴がいて欲しくないから秘匿しているのか平民が手を出して死なないように秘匿しているのか判断に悩む。

それと今割と重要な用語が出た。

旗なき騎士の円卓って確か、第2王子と敵対した組織の表の名前だよね?

貴族に虐げられた人や恨み持つ者が作っただったかな?

貴族に屈せず弱き民を守る組織。

第2王子の純血主義の考えと当たり結局、原作では全員死んでしまうのだが名前が良く出てきて第1王子に接触出来て立ち回りが良ければ原作でのストーリーは変わっていたのではないかと妹が言っていた。

RPGでもその生き残りが傭兵に居て、主人公を助けてくれたりと良い印象がある。

おっと、話がそれちゃう。



「なら呪文について魔法使いである貴方は何処まで知っているの?」



「クレア様、今回は我々の仲間が失礼をしー」



「貴方は黙っていなさい。私とサリーとのお話よ?」



カインを睨み付ける様に言ってしまったが話を遮られるのはやめて欲しい。今、重要なお話なのです。



「魔法使いの存在は知ってますよね?なので必然的に貴族様が何を使うかは理解してます。この世界から理を借りて顕現するのが呪文だと知ってますがどの様に手に入れるのかは知らないです。だから、秘術だと皆が思ってます。それに平民が秘術を手に入れようとしても死ぬだけだと魔法使いの間では伝わってます」



「本当にそれが全部?」



「えっと、本当かどうか知りませんが魔導書と言うモノが存在していてそれを読むと呪文を使えるとか聞いた事あります」



……ウチの書物庫に埋もれてますって言ったらびっくりするかな?



「ありがとう。別に秘匿するような事じゃないのよ。それとサリーのお話の半分正解で半分不正解」



私の言葉に皆がびっくりする。



「私はただ、平民達の認識を知りたかっただけなの。それだけ簡単な呪文1つでも覚えるのに危険なのよ。いや、従えさせるのにね」



サリーはあっと顔をした。流石魔法使い、何かを察したらしい。



「平民には属性がない方が殆どじゃないかしら?平民から貴族になる方も居るから属性無しがどの割合かまでは分からないわ。属性とは要するに火属性や水属性と言う様に魔物や魔獣と同じ様に人間にも属性があるのよ。貴族は基本属性があるの。大体の貴族は爵位が上がれば扱える属性も複数扱えるわ。そうね、冒険者はランクのようですが貴族は爵位の高さが強さと言えば伝わるかしら?」



皆初めて聞いたのであろう。食い入る様に話を聞く。



「属性に合わせて呪文は惹かれるの。だから、中には属性持ちの人は呪文に魅入られ契約する方もいる。属性がないと呪文は従える事が出来ないの。そう言う事。簡単に言えば自分の属性は水属性なのに炎属性を手に入れようとしても無理だし、炎属性の呪文に確実に殺されるわ。でも水属性の人が水属性の呪文を手に入れる事は可能だわ。まぁ、可能なだけで死なない訳じゃないの。実力や魔力など様々な要因が絡まなければ死ぬわ。だから、力を持たない平民には知られない方が良いわ」



この話を聞いて皆何か考えている。そして、サリーは何か納得したようだ。



「でもこの話を聞いて良かったのですか?」



「別に大丈夫よ。間違った知識を平民に持たせると逆に危ないわ。呪文の危険性を理解したでしょう?特に魔法使いの貴方には」



「はい、魔法使いの魔法は呪文のように強くはないですが呪文のように死ぬ事はなく誰でも覚えられるものですから」



「それに貴族だって複数の呪文を覚えようとする方は少ないのですよ。呪文を従える姿を見たり、実際に従えさせたら分かりますわ」



「あれ?クレア様は複数扱えてましたよね?」



「あぁ、サリーが言っていたように確か3つ何かが蠢いていたな」


「ユグルの言う通り先程、ん?待てよ。さっき爵位が高いと複数使えると言っていたはずだ。失礼を承知でクレア様の爵位を聞いてよろしいですか?」



カインは恐る恐る訪ねてくる。私は簡単に教えてあげる。



「私の爵位は公爵家ですね。改めて自己紹介しますわ。レイナス・クレアと申します」



カインは目を見開き、ユグルはしまったと顔に出て、サリーは顔色が更に青くなった。

ローズもびっくりしたようで初めて怒りと悲しみ以外の顔を見た気がする。



「あの、クレア様。気になった事がありましたので聞いて良いですか?」



急にマリーが話に入ってきた。何だろう?



「クレア様があの日、血だらけになって帰ってきたのはそう言う事……なのでしょうか?」



皆がマリーの質問にギョッとする。


「そうですわね。でも、そうまでしてマリーを助けたかったの。だって、マリーは私のだから」



その言葉がいけなかったのだろう。

ローズが急に立ち上がった。



「マリー!帰るぞ!貴族にもう家族を奪われる訳にはいかない!貴方にはマリーを助けて頂いのは感謝する。しかし、マリーは連れて帰る!」



「あら、帰られますの?ですが、貴方方はシッカー伯爵とやり取りしているようなのですがマリーの安全は大丈夫ですの?」



「貴様に言われる筋合いはない!それに貴様も第2王子派だろう!貴様がマリー欲しさにシッカー伯爵に唆したのか!あのレイナス家の令嬢だしな」



この反応、私の過去を知っているね。だから皆があんな顔をしていたのか。



「はぁ、私がマリー欲しさにシッカー伯爵を唆したのですか?死に絶えていた所を偶然助けただけですしシッカー伯爵にバレないように匿ってましたが私の全てが偽りだと?」



「何を言う。貴様の話はよく聞いたぞ!第2王子とは婚約関係であろう。それに貴族を潰したり様々な事をしているではないか!」



……それは昔のクレア嬢の話ですね。えぇ、昔はヤンチャしてましてね。



「そこまで言うなら構いませんわ。第2王子とは確かに婚約してますが第2王子派についた覚えはありません。公爵家は派閥を作らない事を条件にこの領を頂き好き放題してますのよ?ですのでシッカー伯爵との関係は無いのは理解して下さいな」



「ふん、シッカー伯爵とは関係無いのは分かった。なら帰らせてもらう。マリー帰るぞ」


ローズはマリーまで歩き言う。しかし、マリーの答えは違った。



「……私はクレア様から離れません」



「なっ!どうしてだ!何か誑かされたのか?弱みを握られたのか?」



「お姉ちゃん、冷静になってよ。これ以上お姉ちゃんがクレア様に恩を仇で返す姿を見たくない」



「冷静だ!なら早く帰るぞ」



「クレア様が言っていた様に帰ってもシッカー伯爵からまた私は狙われちゃうんじゃないの?お姉ちゃんの邪魔にしかならないよ」


「そんな事はない!彼奴から言われたんだな!みんなで守る」



ついに此奴呼ばわれされちゃった。多分私は乾いた笑顔を貼り付けているのだろう。サリーがもう倒れそうだ。



「やっぱりお姉ちゃん所には帰れません。せっかくクレア様から頂いた命、無駄にはしません!」



「マリー!いい加減にしなさい!」



パンっと乾いた音が響いた。

余りにも身勝手な立ち振舞いに私は流石に怒りを表した。その怒りを体現するかの様に炎の呪文が蠢きローズの周りを這う。ローズは身動きが取れなくなった。



「黙って聞いてましけどそろそろ限界に近くなりましたわ。別に姉妹の中を裂く気はないわ。だけど、余りにも身勝手な言い分で私も許せませんわね」


「クレア様!お姉ちゃんが申し訳ありません!」



「いえ、マリー、私に対しての非礼は構いませんの。ただ、貴方を連れ帰って誰が貴方を守るの?ちゃんと大丈夫なの?私、マリーが死んじゃったらここにいる4人は必ず、死に関係した全ての人間を苦しめ死んでもらわないと気が済まないわ。その意味分かるよね?」



リーダーさんに強張り、頷く。


「分かった。しかしなぜ、マリーにそこまでするんだ?」



「マリー来なさい」



来たマリーに頭を撫でてあげると嬉しそうに笑う。

釣られて私も笑う。あぁ、この殺伐とした雰囲気でも癒しですね。



「ね?私とマリーの違いってありますの?身分とかではなく人間としてです。答えてください」



カインは目を丸くした。



「二人とも可愛らしいお嬢さんだ」



私が欲しかった答えが出てきたので許してやる。



「そう言う事ですの。貴方方には私の過去を知っている様ですね。それも事実でしょう。しかし、今貴方が見てるのも事実ですの。貴方はどっちの事実を認めるのかしら」



「本当にすまなかった。それとローズの事は許して欲しい。ローズは依頼から帰ったら自分の妹の手と血だらけの剣が多数が自分の家に置かれていて、その日からローズは憔悴してしまったんだ」



……うわぁ。シッカー伯爵ないわ。そんな日常いらない。

ん?手が戻らないのはローズがまだ持ってるのかも?



「いいわ。許してあげない事もないわ。ローズ、貴方はマリーの右手を持ってますね?」



ローズは疲れきった顔で私の言葉に頷く。



「ならその右手を返しなさい。それで貴方の非礼も含めて許してあげるわ」

はい、ローズさん編終わりませんでした!

次回もローズさんのお話です!

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