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美人悪役令嬢は生きる為に悪役をあえて貫く  作者: イブ
4章 立ち直る悪役令嬢
72/80

72話

暴れ足りないと言うお弟子さん達に捕まっていた村人や侯爵家とリリィ達の護衛をお願いしてその場に置いて、私はすぐにデュオルク伯爵の元へ行く。

エヴァも流石に肩で息をしていたが互いに引かない戦いをしていた。



「成る程、素晴らしい肉体ですな!実験に使ったら素晴らしいモノに仕上がりそうですね!」



「黙れ!化け物にされるのは勘弁だ。にしても硬えな。大概はこの斧で斬れなくても潰れるのに頑丈過ぎやしないか?」



「当たり前じゃありませんか!人を超越した力ですよ!貴族と言う肩書きを持ってますが私は研究者であり私は遂に辿り着いたのですよ!人を超えた力を手に入れた!私はまた一つあの人への罪が無くなった!まだまだ私の罪を償う為にさらなる研究が必要なのです!もう終わりにしましょう!」



デュオルク伯爵は戦いの最中に止まっては話す癖があるらしい。



「デュオルク伯爵、貴方の言う通り終わりにしましょうか。残るは貴方だけですよ」



私の言葉で上半身をこちらへ向ける。私はデュオルク伯爵を警戒する。



「おやおや、騎士達は本当に役に立たなかったですね。これはこれは面白くありません。私に関わった騎士達には強くなる実験に参加して貰ったのですよ。使えるのが12匹って所ですか。さぁ、最後位は盛大に楽しませて下さい!」



デュオルク伯爵がそう言うと処刑台にいた20人の騎士のうち12人が悶え、人ではない姿に変わっていく。



「貴方!あの方々まで魔物にしたのですか!」



「何を言うのですか。人聞きが悪い!私は強くなる手助けをしただけですよ!良いのですか?私に構っている間にもあの方々は理性もなくただ苦しみの中、目の前のモノだけ破壊する可哀想な方々になっちゃってますよ?」



何が楽しいのか笑いながら語るデュオルク伯爵に私は剣を向ける。



「あそこにいるのはハンデルン卿の信頼における者達です。魔物相手に遅れはとりませんわ。貴方をここで見逃す方が危険ですの」



「これは参りましたね。最後の最後まで私は詰めが甘かったようですねハイ!まぁ、死ぬまで楽しみましょう!」



デュオルク伯爵はニヤリと笑い私へ一直線に飛んでくる。私は受けようと構えると横から誰かが飛び出す。



「らぁっ‼︎レオン合わせろ!」



「ンな事言われないでもやってやるさ!」



ジュリアスがデュオルク伯爵の足を弾き飛ばし身体を浮かす。その隙にレオンが懐に入り、一撃与える。当たると共に爆破しデュオルク伯爵の悲鳴が響く。



「馬鹿野郎!踏み込みが甘い!もう一度やるから合わせろよ!レオン!」



「言われなくても殺る!口より手を動かせ!ジュリアス!」



デュオルク伯爵が体勢を整えようと起き上がると同時にジュリアスが上段からの一太刀でデュオルク伯爵は蜘蛛のお腹の部分が地面についた。



「次は仕留める!」



身動きが取れなくなった状態のデュオルク伯爵の真上からレオンは叫びながら勢いよく剣を突き刺す。その瞬間深く身体に入ったレオンの剣が爆発しデュオルク伯爵の身体も同じ様に破裂した。デュオルク伯爵の悲鳴が再度響き渡る。



「痛い!痛い!痛い!人を超えた力を手に入れたのに何故だ!何故私はまた死にかけている!嫌だ!まだ死ねない!彼女への罪を償うまでは死ねない!」



上半身だけで動くデュオルク伯爵は憐れに見えた。何かに縋る様な姿は何とも言えない。



「貴方がどの様な罪を償いたかったのかは知りません。ですが罪を償う為にさらなる罪を重ねる時点で貴方は終わりだったのです。楽にしてあげますわ」



「ひぎぃ⁉︎じ、死にたくない!助け……」



デュオルク伯爵を呪文で燃やし消滅するまで私はただ眺めた。











騒動は終わり、私はハンデルン卿とまた再会した。互いに無事を確認すると深く溜息を吐いた。



「面倒な事になったのぉ。第二王子が動くとは思わんかったのじゃ」



そうなのだ。騒動を終えると平民達はケイサツベライに任せて、私はハンデルン卿の元へ向かおうとしたらエルザの知り合いと名乗る者から今回の騒動で第二王子が遂に動いたと言ったのだ。



「ハンデルン卿は忠義に動いたのですから問題はないでしょう。問題は私と侯爵家ですね。既にノルマンディー伯爵が私達の捕縛に向かっているそうです」



ハンデルン卿はニヤリと笑う。



「ノルマンディー家は失脚が望みかな?第二王子につけば、またこの領地は自分達のモノになると思っての行動じゃろう。クレア様は自領へ戻れば回避出来るのじゃろ?一先ずはワシの屋敷に避難するか?」



私は首を横に振る。



「ハンデルン卿は利に敏い。ならば早めのお披露目で良いモノをお見せしましょう」



私の微笑みにハンデルン卿は悪戯をする子供の様にニヤリと笑う。



「ふむ、クレア様は秘密が多いのぉ。しかし、教えてくれるとなるとワシもお仲間に入れてくれるのかのぉ?」



「貴族よりは安心できますもの。私を裏切れば利は得られなくなるだけですし、ハンデルン卿なら今後も良い付き合いが出来る事を願ってますわ」



私も黒い笑みでハンデルン卿に言う。ハンデルン卿もこれからもよろしく頼むと快く引き受けてくれた。

いつもお読み頂きありがとうございます!

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