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美人悪役令嬢は生きる為に悪役をあえて貫く  作者: イブ
1章 一人ぼっちから始まる悪役令嬢
6/80

6話

投稿する予定はなかったのですが投稿です!



次の日、離れには誰もこない。

分かっている。使用人達は言われた通り役目を果たしているだけだ。

でも本来なら10歳で何も出来ない子供を放置したままにするのだろうか?

この世界の基準が分からない。

まぁ、ちゃんと生きてますがね!

使用人達が来ないから安心してマリーを置いていける。


さて、父親が離れに行くように言われていたがお金も渡されている。コレは多分、ご機嫌取りだったと今なら分かる。貰った当時は僕の記憶はまだ蘇ってなかった。なので言う事が通らない事に癇癪を起こして貰った金額なんて興味を示さなかったしクレア嬢の中でお金の存在とはあってないようなモノだから僕もお金の存在を忘れていた。そして本日、街に行くのにお金が必要だと思い出したのですぐに取り出し確認、金額を見て唖然とする。金貨が50枚近く入っているのは気のせいかな?金貨って確か凄い価値あるよね?

逆三角形になるお口から声を出す。



「マリー、お金について訪ねて良いかしら」



「お金ですか?」



それはそうだ。領主ならお金なんて沢山持っているとマリーは思っているはずだ。



「今まで何でも手に入れましてお金はあってないようなものでしてね……えぇ、申し上げにくいのですがお金の価値を知る機会がありませんでした」



マリーさんは目を丸くしたが何か納得する事があったようで微笑み分かりましたと教えてくれた。

ゲームでしていた時は数字だけで硬貨の存在は無かった。

なのでマリーに聞けたのは良かった。


銅貨10枚で銀貨1枚分、銀貨100枚で金貨1枚分になるらしい。

それでリンゴは銅貨1枚でバナナも同じらしい。移動費や経費はどうなっているんだろう?しかし、ゲームの価格では100Gと表示されていた記憶と同じであるので話を進めよう。日本で100円位の価値だと決めつけ、幾つか物の価値を聞いてみたが予想通りだった。

ただ、ゲームの時と価値が違うのもやはり存在していた。ポーションの価格を聞いたら銀貨2枚らしい。ゲームでは300Gだったが明らかに違う。


銅貨…100円


銀貨…1000円


金貨…100000円


これを目安だ。

前世でも金貨の価値は10万前後だと聞いたっけ?

……クレア嬢のご機嫌500万でも直らなかったようだよ。

ある程度理解出来たのでマリーにお礼を言って金貨3枚だけ取り出し袋の中にしまい、鞄にしまう。それでも多いよ。


適当なワンピースと麦藁帽子を着て、小さなショルダーバックを持ち肩にかける。そして、カーディガンを羽織りショルダーバックをなるべく見えない様にする。

出て行こうとするとマリーから止められた。


「クレア様、コレを付けてください」


白と緑と黄色のミサンガだ。


「昨日戴いた糸が作ってみました。お姉ちゃんから教わったリッカ国のおまじないです。この糸は願いを込めて着けるといいのですよ!クレア様の願いも叶うでしょう!」


ニコニコしながらマリーは私の左手に付けてくれた。

ありがとねっとお礼を言ってこっそりと屋敷を抜け出す。

下町に出るのは初めてだ。

貴族街には良く行くが下町に行った事がないので少し怖い。例え、魔術が使えたとしても怖いものは怖いのだ。


下町にふらふら歩くがそこまで荒れている様子はない。

いや、なんか貧しいっての伝わる。お腹空かしてそうな子供達が仕事のお手伝いなのか家の周りを掃除していたり、売り子をしていたりとびっくりしている。

すると後ろから声をかけられた。



「お嬢さん、ひょっとして貴族様の娘さんかな?」



ここで領主の娘だよって言っても面倒なのでニッコリ微笑み肯定した。

声をかけてくれた恰幅のいいおばちゃんも伝わったらしくニコッとしてくれた。



「そうでしたか。ここは下町ですのでお嬢様には縁がない場所ですし、早く過ぎた方が良いですよ」



中々、人間出来ている様だ。

ここに入って子供達は目をそらし、大人達は怯えなるべく近寄らない姿勢をとっていた。それだけで貴族の子供に対する認識を理解した。



「おばちゃんありがとね。でも、私は冒険者ギルドに行く用事があるけど場所が分からないんだ。おばちゃん!私に道を教えてくれない?案内してくれたら手持ち少ししかないけどお礼も出来るよ」



おばちゃんは考える素振りを見せる。



「良いですよ!お仕事もやる事が無かったからただ散歩していただけなので。それとお嬢様からお金を頂くほどの事じゃないですよ。そのお金はお嬢様の為のお金ですからね」



やはり、このおばちゃんはいい人のようだ。

おばちゃんとお話しながら冒険者ギルドまでいく。

このおばちゃんの名前はエルザと言う。

狸の寝床と言う宿屋を夫婦で経営をしているらしく今はする事が無かったので下町を散策していたらしい。おばちゃんは話上手でそこに来る冒険者の話を聞くのも楽しかった。

あっという間に着いてしまった。



「おばちゃん、ありがとね!お友達が出来たらおばちゃんの宿を紹介するよ!」



「そりゃ嬉しいですね!またお嬢様と縁があえばです」



狸の寝床ね。覚えておこう。

さて、冒険者ギルドの中に入る。

中は思ったより小綺麗だ。それに涼しい。コレは魔道具でも使っているのかも知れない。


中を物珍しげに見ているとギルド職員らしき人がこっちに来た。

周りを見ると冒険者達は私を見てないふりしており、受付嬢も似たような対応だ。

……ここって貴族も来てちゃんと対応しているのかな?


「初めまして、お嬢様。こちらにはどの様なご用件でしょうか?私はこのギルドでは副マスターを勤めています、ユンファと申し上げます」



……なるほど、問題にならない様に上の者が出てくるのか。



「別に用はなかったのだけど来てはいけなかったのかしら?」



惚けたフリをしてニッコリと微笑む。

ユンファは少し顔を引きずったが笑顔を絶やさず接する。



「そのような事はありません。ですが、名のある貴族様のお嬢様がここにいらっしゃいますと緊張しちゃいます」



……貴族街以外出かけた事ないクレアを知っているのか?



「私を存じてますの?」



ニコッと微笑み肯定とも取れる笑顔だが此奴絶対に知らないだろう。

歩きながら人から離れる。



「まぁ、いいわ。最近妙な噂を聞きましてね。ユンファ、貴方、私のお話相手になって下さらないかしら」



ユンファはニコッと笑顔絶やさず頷く。



「中央でも色々と問題があるようなのですがね、このレイナス領にも多数の問題があるようです。また聞きなので真偽は分かりませんがこの領地で魔物が発生したらしいのですよ。しかも第1王子の派閥の貴族が管理している場所でです。貴方は副マスターなのですよね、何処まで知ってます?」



「一応、我々も貴族様のやり取りまでは存じませんが領地の事でしたら存じております」



「そう、魔物が人為的なモノの可能性があり、都合良く依頼が出るそうなの。誰が起こしたかまでは掴んでますの?」



ユンファの笑顔が崩れた。

……此奴なんか知ってそうだ。

エルザから聞いた面白い話は冒険者の話でこの領地にも人為の魔物が現れたと聞いた。本来、領主が結界を張っている為に自然に魔物は生まれない。だが、最近だが他の領地でも第1王子派の貴族の領地が荒れたりしているらしい。もちろん第2王子派の領地も魔物が現れたり荒れているが第2王子にとっては不要な貴族ばかりだ。

誰が考えてても第2王子派の仕業だが尻尾を掴めない。

だが、冒険者達からしたらいつも第1王子派の土地には魔物がタイミング良く依頼が出るらしくギルドで何かあるのではないかと噂をしていたのを聞いた。

まぁ、情報だけ聞けたしこれ以上は何も掴めそうにないので話を切りやめるか。



「まぁ、私には関係ありませんもの。たまたま耳にしたので知りたかっただけです」



ユンファは意外そうな顔をする。

第1王子だろうと第2王子だろうと今はシッカー伯爵の事で手一杯なのだ。



「そう言えばお嬢様のお名前を伺ってませんでしたね?お尋ねしても宜しいでしょうか?」



恐る恐る聞いてくるユンファに喋るべきか悩むがユンファは良い駒になる予感がする。

ユンファを手招きして耳を近づけさせる。



「この事は内緒ですよ。私は今、お父様から隠れて忍びで来てますの。レイナス・クレアと言いますの」



ユンファは目を見開き唖然とする。

私はシーっと口にする。

次の瞬間ユンファの態度が変わる。



「やはり、名のある貴族のお嬢様でしたか。何か有りましたら是非、私目にお伺い下さい」



これなら大丈夫そうだ。ならシッカー伯爵について聞いておくか。



「そう言えばシッカー伯爵が何やら騒いでいるようなのですが何故です?」



「おやおや、クレア様は耳が敏いのですね。ランクAの冒険者と少々揉めた様で今もいざこざが起こっている様です」



今もマリーのお姉さんとやりあっているのか。



「ありがとう。ユンファ貴方を信用しているわ。領主の娘のクレアはここに来なかった。貴方は何も知らない。誰にも話さない。いいかしら?では聞きたい事も聞けたし貴方の事をお父様に機会が合いましたらお話をしてあげるわ」



「クレア様はウルシバ伯爵とは縁がありますか?」



……急にどうしたんだろう?

確か、クレアの記憶を見ると確かにウルシバ伯爵の当主とは何度か会っている。



「えぇ、お父様と一緒に何度もお会いしてますわ」



「でしたらウルシバ様に宜しくお伝え下さい」



確かギルドは権力から避ける為に貴族と不可侵条約みたいなモノがあったはずだがどう言う事だろう?

だが、今は関係ないか。



「えぇ、私はここに来てない。ですから、ウルシバ伯爵には良い人材がギルドに居るとお聞きしたい事をお伝えしましょう」



ユンファはいい笑顔だ。

互いに満足いった内容だ。


後ろを見送る視線を感じながら冒険者ギルドを出た。

ちょっと政治的な何かが絡んできた気がしますが作者は政治に疎いです!←注意


例えの話ですが虐めでやる方も色々と問題有りますが見て見ぬフリも同じ位の罪があると思うのです。

無関心って一番ではないですが辛いと思います!

そう言うのが伝わればと思います。

虐められる方にも問題あると言う声もあるので結論は虐めはダメ!ですね。


お読み頂きありがとうございます!

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