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58話 メイド達の暗躍

お嬢様が屋敷から姿を消して5カ月が経ちました。

お嬢様が居ないのに屋敷ではいつも通りの日常に戻りました。


私はふとした時にお嬢様の最後の姿がいつもよぎってしまいます。凛々しくて旦那様と同じく優しく接して下さったお嬢様が以前の様な……いえ、違いますね。

アレは絶望した人の眼です。お嬢様がお嬢様じゃない感じが怖かった。何かに縋る姿は痛々しかった。だから、お嬢様が不在な今、お嬢様の事が心配です。

なのでメリルさんやマリーちゃんにお嬢様の最後の言葉を伝えました。ですが二人共普段通りで私は納得いきません。

その事を私は勇気を出して言いました。返ってきた言葉に私は口を閉じてしまいました。



「クレア様は邪神を従えさせると言った以上、私はその言葉を信じるだけです。心を奪われてなお、その様な言葉を言えるのですからクレア様はやはりクレア様です。心配するのならクレア様が不在の今をしっかり守らないとクレア様が戻ってきた時、クレア様が困りますよ」



確かにそうです。ですが切り替えがそうそう出来るないのです。

マリーちゃんも落ち着いているので聞いてみました。



「何を心配すれば良いのですか?クレア様なら必ず私の元に帰ってきます。だって私がそうんでいますから。それだけの理由ではダメですか?」



マリーちゃんの言葉の自信がよく分かりません。



「クレア様は必ず帰ってきます。だから、シャル先輩もクレア様が帰ってきた時の為に屋敷を守りましょう」



二人共、言葉は違いますが言っている事は同じです。


時々貴族がお嬢様を訪ねに来ますが丁重に御断りをして帰ってもらいますが何時までこの現状が続くのでしょう?




「よっ!なに黄昏てんだ?」



使用人の休憩部屋で休憩していましたら、上からふと声が聞こえ見上げるとエヴァさんが居ました。



「いえ、お嬢様が居なくてもレイナス家は平常なんだと考えていました」



そう答えるとエヴァさんは少し考える素振りを見せます。



「へぇ、なるほどね。大好きなクレア様が居ない現状に不満があるんだな。まぁ、私も同じだ。クレア様の理想を聞いて私は魅入ってしまったんだからさ。でもな、クレア様が選んだ道は大変な事だ。それこそ命がいくつあっても足りない位だ。でもクレア様は前回だって乗り越えたんだ。あの出来事で民の間では煉獄の姫と呼ばれクレア様の存在は民を魅了している。確かに失ったモノは多かったけどそれ以上に救えたモノが大きい。それにあの件でクレア様は確実に民の心を奪った。今まで道具の様にしか扱われて居なかった民が人として扱ってくれる領主の娘だ。我儘で横暴だと噂されていたのが実は貴族が働き手の民を取られたくない為に流した出鱈目だと噂が流れている。まだ私もクレア様と少ししか居ないがすぐに分かった。クレア様は優し過ぎる。だから、私もシャルも心配だ。だか強い。なら立ち直るまで信じるのも使用人の仕事じゃないかな?」



信じるのも使用人の仕事?

なるほど、そうでしたか。私はクレア様の身を心配ばかりでクレア様が大丈夫だと信用してなかったのですね。

マリーちゃんもメリルさんもクレア様を信用していたから何時でも帰って来られる様にしていたのですね。



「悩み事か解決したようだな。私もね、これでもSランク冒険者だ。メリルには色々と今回の騒動の裏を教えて貰っている。それにクレア様はふさぎ込んでいたが色々と考えていたと思うぞ。旦那様が倒れて、メリルは既に旦那様から領主の証を預かりクレア様に渡している。旦那様不在の今は領主はクレア様に代わった。しかし、クレア様が居ない現状だとレイナス家の名を使えるのはハルト様になる。だけどクレア様が居ると宣言している以上誰も使えない。旦那様が居ない間に取り入ろうとする貴族もいる。ここが不可侵領域だから追い返す事が出来るがそうじゃなければハルト様やクレア様は貴族の良い様になっていた可能性もある。だから、私やメリルがお嬢様の代わりに面倒な貴族達を相手にしてるのさ。それに私の情報網では既にクレア様を見つけている」



「お嬢様の居場所を知っているのですか⁉︎」



「あぁ、お嬢様はまた大きな出来事に首を突っ込んでいる。今回ばかりは力で捩伏せるしか道はない。クレア様がどうするのかが楽しみだ。クレア様が失敗したら平和な国は終わるかもしれない。だから、私達はクレア様を信じてただ、目の前の出来る事をするだけさ」



そうだったのですか。クレア様はまた民の為に動いていたのですね。



「分かりました。私もクレア様のお帰りを待ちます」



そう私が言葉にすると同時にノックがなります。エヴァさんがそれに応えるとメリルさんと1人の女性が入って来ました。



「なぁ、シャルよ。どうやら、ただ待つ時間は終わりのようだぜ?やっと動き始めたんだから私達も行動始めるか」



エヴァさんはシニカルに笑います。

私は何の事か分かりませんがきっとお嬢様の為になる事だと思うので私はハイと頷きました。

いつもお読み頂きありがとうございます!


今日は3話投稿出来たらと思ってます。


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