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50話

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次の日になり、お父様は第2王子派と共にワライクバへ向かった。

私はと言うとお父様が馬車で行く姿を見届け、冒険者ギルドにいる。



「シエル〜、聞いてくださいませ。私はお父様と対立しなきゃいけないのですよ。もう貴族って面子とか面倒で嫌になりますの。だからギュッしてほしいですわ」



「そうか、身内との対立は辛いな。ギュッとは抱っこでいいのか?」



いや〜、ラクシエルの腕の中安心できるわ〜。

このまま埋もれていたい。

しかし、ギュッとして少し頭撫でられていたら終わる。



「あっ、もう終わりですの?」



「あぁ、それに観客もいるが良いのか?」



そう言われ横目で観客を見る。

私の行動に少し唖然としていた感じだ。

貴族が平民に甘えている姿など見れるものじゃないからね。



「彼は私の代理のシリウス殿だ。この国での冒険者ギルドの幹部の一人だ」



50代辺りの頭の堅そうな男性の外見、彼もまた知っている。

彼はラクシエルが魔族だと知ると噛ませ犬とかす、残念さんだ。しかし、彼はまともだし、安心して任せられる有能な人材だ。



「双剣のシリウスさんですね。知ってますわ。だから、この様にシエルに甘えているのです。膝に座っていいかしら?」



「膝にか?構わないが彼にこの姿を見られても良いのか?」



シエルは恥ずかしそうにしている。

シエルはどちらかと言うとクールだし、子供を相手にしているイメージがないから人に見られると恥ずかしいのかな?



「彼だから構いませんの。彼は有能ですし他者を貶める事もしないし、冒険者ギルド内で頼ってよい1人ですわ。まぁ、堅すぎる頭が玉に瑕って感じですわね」



私がそう話を振るとシリウスは眉をピクッと動かす。



「どうやら俺の事をよく知っている様だなレイナスの令嬢よ」



「えぇ、本当に知ってますわよ。私の事はクレアと呼んで構わないわ。あと、シエルの代わりを任されるのなら私の事も知っていた方が良いでしょう?貴方は頭が堅すぎて今、シエルに対して良くない感情を持っていますわ。シエルはちゃんとしたギルドマスターです。これをお読みくださいませ」



そう言って、資料を机に広げる。

シリウスはそれを見ると無造作に拾い読む。



「何故、コレを持ってくる。今回の原因と参謀者達と……王族も関わっているのか。問題しかない情報だな」



「そうですの。貴方達じゃ無理な話でしょう?この様な隠謀に巻き込まれる身にもなって欲しいですわ。それに今回はシエルも巻き込まれたわ。次は貴方かも知れませんわ。私はこの様な情報を友であるシエルに教え、ギルドマスターであるラクシエルに依頼をしていますの。貴方はどうします?ラクシエルの知り合いになります?シエルの知り合いになります?」



私の意図に気づいたようだ。



「そう言う事か。ならお前達の関係には目を瞑る。ラクシエルの仕事仲間だ。ギルドに何かあったら俺にも頼りな」



私はにっこり笑う。



「その時はよろしくお願いしますわ。貴方も何か困ったら私が出来る範囲であれば助けてさしあげますわ。ラクシエルの知り合いが困っていたら助けるのは当然ですもの」



「そん時はラクシエルの知り合い特価でお願いする。それにしてもレイナス家をダシに色々とやろうとする貴族連中はスゲェな。大胆なやり方過ぎてこの情報を見なきゃこの連中まで分からないな」



「そうですの。それでラクシエルは私と共に一緒に来てもらいますわ。今日から行く予定でしたのでしょう?私はこの騒動を良い結末で終わらしたいのですわ。なのでシリウスは私達の行動に目を瞑って下さらない?」



シリウスはあぁと頷く。



「俺もこのやり方には気にくわない。クレア殿は自分の仇に関与した者以外の平民を助けようとしているのだろう?なら俺は支援するしかねぇな」



「ありがとうですわ。では、支度したら私のお家へ行きますわ。ケイト達にはここに来る前に話は終えておりますので前日まで私達は待機ですの」



そう言って、私は話を終わらせる。

シリウスに大体の引き継ぎを任せたシエルと共に離れへ戻った。



「クレアよ、私はまだ何をやろうとしているのか全貌が分からないのだがそろそろ教えてくれないか?今日向かわなきゃワライクバにも辿り着けないぞ?」



離れ戻って一言目だ。



「いいでしょう。移動するのは一瞬ですの。そう言う古代魔道具がありシエルにも紹介しますわ。だから、それまで私と一緒にいて下さいませ」



そう伝えると目を丸くしたシエルが面白くて私は大笑いしてしまう。



そうして、シエルと2日間まったりな日々を過ごして、私はケイト達の場所へ向かう。








いつもの寂れた酒屋に入ると緊張感が漂う。



「来ましたか。隣に居るのがギルドマスターのラクシエル殿ですね。聞いております。では向かいましょうと言いたいのですが小耳に挟んでほしい情報があります」



ケイトの言葉に早く反応したのはシエルだ。



「ほぅ、何か良くない方向の情報とみたがなんだ?」



「隣のザイズの冒険者から聞いたのですが不明のアンデッドが多数目撃されていたのですが本日、聞いた情報だとザイズ全域の者達が何者かに殺されアンデッド化したようです。ザイズの冒険者からその連絡を受けてから、救援に行こうとしたのですが音信不通になり、我々のポータルワープも壊されたのか移動できません。ワライクバと言い、ザイズと言い、危険です。クレア様はここにいた方が良いでしょう」



「いえ、これは好都合です。なので私も行きますわ。上手く行きましたら、この粛清を先延ばしにも出来ますし、その罪の者だけを我々で捕えお父様に頼み粛清し、罪なき者と罪人を庇った者と分けて粛清すれば生き残る命は増えますわ」



私は大胆不敵に笑みを浮かべ、大丈夫と皆を見る。



「分かりました。クレア様がそうまで仰るなら我々が守ってみせましょう」



こうして、皆とワライクバへ転移した。

いつもお読み頂きありがとうございます!

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