5話
本日はこの辺りがキリが良いと思うのでこれまで(。•̀◡-)✧
さて、落ち着いた事だし、この世界と言うより、今の立場を確認しておこう。
例え、ゲームの世界と似ていても非なるモノだと思う。
動いているのは原作の我儘な令嬢クレアではなく、こことは違う世界の記憶を合わせたクレアだからだ。
すでに原作と乖離し始めている。
ゲームの知識は今後起こり得た可能性ある未来だと肝に銘じ回避するのは大前提だ。
謙虚や堅実に生きて回避出来る未来なら流れるまま生きるのも良しとしよう。
だが、未来とは掴み取るモノだ。
恐らく、この手の物語は流れるように生きると理不尽に人生が終わると思う。そして、色んな意味でメチャクチャにされてしまうはずだ。
まずはこのレイナス家の不祥事、民の逆襲、王族の怒り、他の貴族より貶め、主人公との接触とどれもとっても私が謙虚や堅実に生きた所で意味をなさい訳ではないが偽善と言うのだろう。
ここは日本とは違う常識で動いているのだ。
日本の道徳は確かに素晴らしいと思う。だが、それだけだ。綺麗事を並べ、ただの弱者に成り下がり、気づいた時にはやられっぱなしで指を咥えている敗北者になりたくない。
せっかくの公爵家の令嬢なのだ。このまま、一生を終えたい。
貴族としての嗜みや令嬢としての振る舞い?いらないね。
今いるのは力だ。
今は10歳で没落まで7年だ。
実際に家の権力をかざせるとしてもその力は自分のではない。更に言えばこのレイナス家のせいで没落エンドもあったはずだから権力以外の力が欲しい。
恋愛ゲームで始まったが人気でシリーズ化しRPGにもなったのだからそちらの方の知識の方が持っている。でも今は強さではなく、まずは知識を得よう。
この世界の世界観はゲームでは知っていても細かな所は詳細なんてない。
離れから屋敷に戻る。
戻ると使用人達は怯えながら待機している。
こんな子供に何を怯えているんだろうね?
だけど、攻撃的な魔法も扱えるとあれば怯えもするだろう。
平民は魔法も使えない。消耗品と同じと教えられているクレアを畏怖の対象とするのは仕方ないか。
父親の書物室に入り本を手に取る。
魔術書は魔力あるモノは読めるが魔力の篭ってない本はちゃんと語源を理解しないと読めない。
読めるかチェックするが所々読めない。
……10歳にもなって勉強をしなかったツケが僕に回ってくるのはどうかと思う。
平仮名だけ読めるけど漢字が分からない的な感じだ。
むっ、今後は本も読む事にしよう。
書籍を見ると異国の本を見つけ喜んだ。この本は日本語の様だ。コレはゲームの主人公の国だね。主人公に生まれ変われば苦労はなかったのだろう。弱気になる心を抑え、その本も取る。
歴史は今は却下、成り立ち位なら知識であるし、今知りたいのは貴族から見た平民だ。
マリーから聞いた平民から見た貴族は絶対服従であり、平民はそれを当たり前の様に思っている。クレアもその様に思っていたが当たり前と仕込まれており何故?までには至らなかった。なのでその辺りの知識が欲しいのだ。
平民だって能力があれば貴族に逆らうまではいかなくてもこうも一方通行なやり取りにはならないと思う。
離れに戻り、本を読む。
読むのに疲れたら気晴らしに外で魔力を使い、ワザと消費する。
RPGではスキルは消費すると技レベルが上がった。
自分のレベルはモンスターを倒さなければ上がらないが技などのスキルは消費しても上がるので魔力を使う。
魔力を使っても大して減らないクレアは実に優秀だ。
原作で自分は優秀だの選ばれた者など言っていただけあり努力したら、きっと報われていたのだろう。
そんな生活を1週間をして少し分かった事がある。
この世界のこの国は魔力土地と呼ばれ、神から与えられたモノだと言われている。
その与えられた土地、その中でも中央に王都がありそれを守るかのように7つの領地が囲む様に分けており、その一つを統治しているのがレイナス家である。
レイナス領にも12の貴族に管理させている。
そもそも貴族は魔力が高くないと貴族にはなれない。
それは魔力土地に魔力を循環させ、土地を潤いを満たす為に魔力がないといけないのだからだ。
レイナス領には12の奉納場所があり、それを管理させている。そして、その辺りに栄えた村や町を貴族に与え、徴収させレイナス家の資産になる訳だ。その徴収分の差額を王族へ渡して何故没落するのかが理解出来ない。
まぁ、それはおいおい理解して行こう。
ならレイナス家は12の奉納場所を管理しているだけなら他の貴族に狙われるだろうがそうならない理由があった。
この12の奉納場所を守る結界を張るのが領主の役目なのだ。それには多大の魔力が必要であり、伯爵家でも厳しい量の魔力がいる。仮に公爵家を襲撃、この領を奪ったとしても管理出来ずに土地が死に運営が出来ず、民が死に絶えるだけだ。
この様な土地があと2つあり、侯爵家が管理している。
あとの4つの土地は伯爵家でも管理できる為に替えがきく。
だからと言って襲った所で返り討ちに遭うのがオチだ。
その与えられた4つの貴族は英雄であり王様より名誉で土地を与えれた者達だからだ。
あとレイナス家が何故王族からこの土地を戴いたのかは中央で権力争いに参加して欲しくないのでここを与え満足させている。僕から見るといわゆる外様大名と一緒だ。自治権を持ち、事実上独立国と同じだ。
だから好き勝手しているわけで、そして、将来没落する。
う〜ん、この世界没落自体が難しいんじゃない?魔力がなかったとかじゃない限り、貴族は何しても許されそうだし、でも、そうなる要素が隠れているのか。と言うより公爵家が没落ってこの国にメチャクチャ迷惑かけるね。だから、クレア嬢は必ずバッドエンドになる訳だ。
貴族に頼るとどこでバッドエンドに繋がるか分からない。
やはり、平民を駒ではなく味方にするしかない。
それに貴族は平民を消耗品として領地開拓をしている。
どんなに頑張っても魔力を持たない平民は報われないのだから生まれながらのカースト制度だと思う。
実際にこの国以外で魔力土地ではない国も多数ある。
国としては荒れている国もあり民も魔力の持たない者が多い。そして、そう言う国を魔力土地持ちの国は下に見ている。
マリーが居た国は魔力土地でもないのに国は発展している。国民性が騎士よりで強くあり義を重んじる国で逞しい。
話は戻すが冒険者ギルドと言うものがある。冒険者モノなら良く小説でも読んだ。
ここ数世代の国王は平民にも心を砕いた賢王であった。
民の救済をする為に反対の意見をはねて、国に冒険者ギルドを呼ぶ事で不可侵民である魔力無しの民も働き口が増え、スラムは減った。
ギルドのおかげで国も良くもなったが貴族も良くも悪くも冒険者を毛嫌った。素質ある者が冒険者になり何故か魔力が増え、法服貴族になる者が増えたからである。
法服貴族とは魔力値が下級貴族と変わらない魔力値である事とこの国に忠誠を誓い、冒険者で培った武力を国の為に使う事を前提としたお金で買った貴族だ。
いわゆる成り上がりなのだが一世代だけなのに買う者は多く、この国に忠誠を誓い、王様の思惑通り、民と貴族の中立派の貴族として王様の駒となった。その見返りにちゃんと自分の子供は成人するまでは貴族扱いである。だが、成人後は本人の努力次第だが酷い人生にはならないだろう。
なので法服貴族の子供は幼き頃から鍛え、魔物と戦ったりして力を付け、成人した時に王様の前で武力と魔力を示し、忠誠を誓う。その時に両方が達成されなければ平民に戻る。だが、平民でも貴族よりの平民なので平民からは受けも良く、余程でない限り高収入の仕事を得られる。
後は法衣貴族は特殊だ。
よく小説で見た時は土地を持たないで官職などの公務につく貴族の事だったと記憶していたがこちらの世界では少し違う。
土地を持たない貴族であるのは同じだ。だが、王のかわりに神の遣いの様な事をする。魔力の足りない土地に向かい満たしたり、国の政兼を支える公務をしたりと国を支えるのは神の為になる事だからと神を信仰している。自分の知っている法衣貴族と少し違う。
後は騎士も土地を持たず、法服貴族に近い。
騎士は騎士の教育機関で騎士道を学び、国に忠誠を誓い、主君の絶対服従する。騎士は国に害なす行動を取った時に
主君を正しい道に戻す役目を持っている。
……なのに何故クレア嬢は没落するのかね?
前世の記憶では領地開拓の為に他領を奪ったりとか記憶していたがこの世界では中々起きる事ではない。
他国もこの大国にわざわざ喧嘩は売らない。
……父親の領地運営能力低いのかな?
未来がある程度予想出来る分話がずれてしまう。
それはさておき、この情報から見て、平民は富豪だろいと貧民だろうと貴族からしたら差がないのは分かった。
替えのきく消耗品との言い方は理解した。
これだけの仕打ちでも平民が普通に暮らせるのは安全な場所と魔力土地から得られる莫大な利益の一部が平民にも回るからだ。それは魔力土地ではない国よりもだ。
だが、他国よりマシでマシではない。
マリーから聞いた話で予想はついていた。
平民に渡る食料が不足している。住処もちゃんとあるのか不明、着ている服は他領の平民よりボロい、教養が足りない。あっ、最後これ自分もだ。
コレが現状で本に読んでいたように昔は良かったと言える内容ではないはずだ。現在は魔力土地の一部が機能してないのではないだろうか?
それを含めて、明日はお忍びでギルドにいこうじゃないか。
お読み頂きありがとうございます!
説明ばかりになりましたがどんな世界観か少しでも伝わったら嬉しいです!
ブックマークして頂いたりすると次回も早く投稿するかもです(^^)
では、またです!