47話
お待たせしました。投稿が遅くなりました!
一度、考えたら内容が崩れると書けなくなるものですねσ^_^;
なんとかケイトに姫騎士の称号を言うのはやめる様に説得し、今は剣を振るっている。
やはり、腕が持っていかれしまい、思うように振れない。
剣に振られているのが現状だ。
それを微笑ましそうに見ているケイサツベライの皆。
「もっと腰を構え踏みしめて主導権を取るんだ!そいつは暴れ馬と同じで認めさせる為に技量が必要だ!使って使って使い熟して漸く振れるんだ!」
おっちゃんの声援が届くが難しい。
しかし、振った剣に負けて体勢を崩し、カーンと音が響く。
むむ、こう言うお約束は剣や武器は簡単に扱えるのがセオリーじゃないの?
私はムスッと剣を眺めてしまう。
「クレア様、姫騎士とは称号ですから無理になろうとしなくても良いのですよ!」
そんな私を見兼ねたケイトからの言葉だが余計だ。
「ですから、姫騎士と名乗りませんわ!ですので止めて下さいませ!」
もうと私はケイトを睨む。
おっちゃんは私とケイトのやり取りを見て笑っている。
「旦那、お嬢様はお年頃なんだぜ?もっと可愛らしい方が良いに決まってんだ。こう、可愛らしくプリンセスナイトって呼んであげた方が喜ぶぜ」
私は直ぐに否定する。
「喜びません!もう、2人して幼気な少女をからかって何が楽しいのですの!?」
すまんすまんとおっちゃんは笑いながら謝罪するがなんか悔しい。
ふと思い浮かんだのが身体強化の魔法だ。
それとクイックと言うスピードを上げる魔法だ。
この二つを使えば何とか扱えるのではないか?
技術、技量は無理でもそれを補えるのが魔法の役目だ。
よし、使ってみるか。
剣を拾い唱える。
『我が魔力よ、我に循環し力と成せ』
うん、剣が軽くなった。
片手で振るって途中で止める。やはり、難しいが大丈夫だ。
『流れ行く時の流れに負けぬよう、見るモノ全てを置いて行く』
唱えた瞬間、不思議な感覚が身体に広がる。
剣を振るうが遅い。遅く感じる。まだだ、まだ早く振れる。一振り更にまた横に薙ぎ払い。それを繰り返す。
どれだけ早く剣を振るうが遅く感じる。
焦れったくて思いっきり踏み込み更に大きく振ろうすると視界が真っ暗になり、身体中に痛みが走る。
「……いたた、何が起こったの?」
起き上がるとどうやら家にぶつかっていたようだ。
後ろを振り向くと遠くにケイサツベライの皆が唖然としているのが分かる。
それにいつの間にこんなに距離が開いたのかも分からない。
多分、クイックの魔法だ。
遅く感じたが周りは違ったのだろう。
私が自分にヒールをかけている間に皆が集まってくる。
「クレア様!あれは一体何でしょうか?あの様な人間離れした技は初めて見ました」
「そうだぜ嬢ちゃん、アレは達人のレベルを超えた英雄レベルだぞ。しかもまともに振れなかった剣が軽く扱えてしまうなんてどんな魔法だよ。貴族ってのは特権が多いと聞くが凄い技を持っているのだな」
いや、本当に魔法なんだけどね。
でも2人の話を聞く限り魔法って人をダメにするかも。
私の様な素人が達人の領域に見せる事が出来るのだから鍛錬しなくても強くなれる。
でも考えたら魔法を扱えるのには強さが必要だから本末転倒ね。
「これは私位しか知らないようなので今の所、貴族にも扱える者は居ないと思いますわ。そうですわね。私に従えるのですから生き残る為の確率を上げる為にもこのやり方を教えましょうか?」
そう提案すると皆がびっくりする。そして、代表してケイトが言う。
「クレア様、この技は秘伝と言われてもおかしくないです。その様なモノを我々に教えて頂けると言うのですか?」
「扱えるのなら使った方が良いわ。出来る方出来ない方も居るでしょう。それに貴方達は私の庇護下に置いてますの。なら私の為に強くなるのに問題ないわ」
「そうですね。我々はクレア様に従える騎士としてさらなる飛躍を目指します」
ケイトは一呼吸置いて周りに声をかける。
「皆聞いたか?クレア様は我々の強さと生存を望んでいる。次は生死に関わる可能性は大だ。あと5日だ、今のうちに技を覚え、使える様にするぞ!」
ケイサツベライの皆は大きく返事をした。
「では、初めにケイトに教えますね」
こうして、ケイサツベライに身体強化とクイックの魔法を教え始めた。
ケイトは私への忠義の証として、このクイックを受け取ると言う形をとる事によってケイサツベライの私への忠誠を高めるそうだ。
身体強化もついでに教えたのでクイックが習得出来ない者も身体強化は習得出来たので不満はないようだ。
そして結果から言うとAランクの者は何とか習得出来たがBランクの者は無理だった。
まず、魔力が足りなかったのと制御が出来なかったのですぐにマインドゼロになってしまうのでBランク以下は強さを求める中でAランクになればまた教える事にした。
これはレベル差だと思う。
私は元々の膨大な魔力で忘れがちだがこの世界はレベルが上がれば魔力も増えるはずだ。なので更に強くなる事が必然的に条件になった。
そして、今は私が教えた魔法をケイサツベライの皆は訓練をし始めたので別れ、屋敷の離れへ戻っている。
そして、部屋に戻るとゴロゴロと悩んでいた。
止めるとは口では簡単だがどう止めるべか何をやるべきか理解していない。貴族としての行動も分からないのにどうやったら正解かなんて分かるはずがない。力尽くでも止める事は可能だと思うがお父様と敵対はしたくない。
私に残された時間は短い。
そんな中、マリーから声がかかる。
「クレア様?今宜しいでしょうか?」
「マリー?何でしょう」
「メリルからクレア様がお時間取れる様でしたら教えてほしいと言われております」
メリルから?何用なのだろう。
「分かりました。私も気分転換をしたかったので私から向かいます。マリー、屋敷に少し行ってきますね」
「はい、ではクレア様のお部屋も掃除を済まして待っておきますね」
私は着替えて屋敷へ向かった。
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