4話
ちょっとずつどんな内容の原作だったのか明かしていきたいです!
目を覚ますと書物庫の中だ。
目の前には真っ白のページが開いてある魔術書のみ。
「いだっ!痛い痛い!何この痛みは!」
右腕を見ると曲っちゃいけない方向へ曲がっていた。
ヒールをかけても痛みは引くが骨の方向は治らない。
仕方ないので癒しの書を手に取り、まだ居る他の呪文も目を通す事にした。
さっき酷い目にあったのに懲りないと思うがアレは例外だ。
本来、呪文とは理を身に宿し扱う為にまずは従える事から始まる。
それには魔力が呪文より多いのは前提で精神力や体力、身体の強さなど基礎値など沢山の要素が絡み合い上級呪文を従えるのだが今回は魔力だけが大きく上回っているだけで命を落とす危険性も考えれた。
簡単に言うとレベル1がいきなりレベル99の技を覚えるのがおかしいのだ。
それなら何故覚えれたのか?と疑問に思う。
貴族の階級は伊達じゃなく魔力値によるものでもある。
クレアは王族の親戚にもなるし、原作でも魔力は公爵家であって王家の人間が魔力だけなら王族を超え素晴らしいのにと言われるシーンもあるくらいだ。
良く妹がいっていた。
クレア嬢は本当は凄いんだと、実際に原作では攻略相手に合わせて気をひく為に属性も魔術と魔法を使い分けていたし、ダブルと呼ばれる天才で実は全属性使える。
だが、自分は凄いとクレア嬢は理解しているようで理解していなく、努力は嫌い、面倒事は家の力で解決。我儘で傲慢になり高飛車になってしまったのは必然だったのかも知れないが努力しない天才に天才はいないと言う。
なので周りの評価は魔術師としてはまぁまぁで国の繁栄の道具位しか思われていなかった。
それを踏まえて、妹曰く、本当に凄いはずなのに残念で可哀想なクレア嬢は凄いバカであり、そして、自分の事褒め称えるのに何処が凄いか分かってないバカだと。
ダメだ、今はそのクレア嬢は自分なのだから1人言葉攻めは虚しいのでやめておく。
ハイヒールとリーフヒールとキュアなどを少々また呪文を読み上げ従えた。
今回は右腕が更に捻れましたが何か?
ここまで来ると開き直っちゃうよね!
リーフヒールをかけて右腕を治した。
この世界の回復魔術のマスターしたしコレでマリーを助けれる。
外に出るとドアの前で待っていた使用人にギョッと見られる。
服も所々破けているし、体は血跡だらけだ。
「今の現状をお父様へ報告したら貴方はどうなるか分かってますよね?貴方は見なかった。良いかしら?」
使用人は首をブンブン振って納得してくれた。
他の使用人に見つからずに離れに戻ったらマリーが私の姿を見て軽く悲鳴をあげた。
……そんなに酷い状況なのかな?
気にしないでおこう。
身体を洗う為に風呂場に行き洗い落とし、着替え直す。
マリーには疲れたので休むと良い、マリーを近くに待機させた。
祭祀は身分でマリーを見捨てた。それにナタール皇国も民を救うのが我々の神の教えなんて謳っておきながら何もしないのが現状だ。
「マリー、貴方は神に祈らず、私だけを信じなさい。私が貴方を必ず治すわ。だって貴方は私のモノなのだから」
言うだけ言って目を閉じた。
マリーがあの症状が出た時が勝負だ。
だが、思ったより早かった。
目を覚ますと苦しんでいるマリーを見て、魔力枯欠症だと判断した。
『我、癒しの理を制御する者成り、顕現せよホーリエンジェル』
この天使召喚は人の身で叶わないモノを叶える魔術である。更に上位種である天使によって人には治せない呪いや病気を治せると言う魔術だ。
だが、凄い魔力を持っていかれる。
ココでMPが見えていたら0近くまで無くなっているのだろう。
マリーに取り憑いていた黒い渦はすぐに消えてゆき、マリーの呼吸が正常へ戻る。
良かった。これて…ひと、あんし……ん。
目を覚ますと鼻が痛い。
コレは顔から倒れたに違いない。うぅ、痛い。
マリーが私を見て、良かったと泣き出したのにはびっくりした。マリーの泣く姿をまだ出会って間もないのによく見ている気がする。
どうやら、死んだ様に丸一日寝ていたららしく、マリーは自分の性で私を殺してしまったのじゃないかと思ったらしい。いえ、これはただのマインドゼロです。
「私は貴族の方にとって平民はタダの消耗品と同じだと聞かされていたのに私を一個人として、大切にして下さるクレア様に頭が上がりません」
やっぱりそう言う認識なんだね。
「貴方は泣きもするし悲しくなるわよね?私と居ると笑顔になり喜び、まだ見てませんが貴方はきっと怒りもしましょう?私と貴方は何が違うの?魔力値が違いますね、地位が違いますね、それだけです。平民は貴族に生かされている。ですが平民無しに貴族は成り立たないモノです。貴族の方が確かに平民より義務が多いですが平民を蔑ろにして良い領地があるのでしょうか?」
少し考えていたが王族や貴族を今からゴマするより平民を味方につけた方が将来性があると思う。
「平民だって生きています。貴族への恩を忘れてはダメだと思いますが彼等は生かされている事実を受け止め、堅実に生きているのでしょう?それを守るのが良い貴族の役目でしょう。私は私の理想しか今は言えません。ですが、これからやってみます。貴方は私の心の支えになってくれないかしら?」
マリーは私の言葉に身体を震わせ感動したようではいっと大きく返事をしてくれた。
コレからまずは貴族へ立ち向かう為にも1人では何も出来ない。なら仲間と言う名の駒が必要だ。
さて、平民をどう動かそうか。
「私はこの先、クレア様の考えを支える為に頑張ります!きっとクレア様のお考えも領主様も理解して下さるはずです。私張り切っちゃいます!」
……あっ!マリーに家名を明かしてなかったね。
「マリー、そう言えば私の名前を正確に教えてなかったわね。クレア・レイナスって言うのよ。貴方の住んでいた領地の隣の領主の娘よ。この屋敷は実は領主の離れなの」
マリーがひっくり返ったの私のせいじゃないはずだ。
まだ悪役を演じるまでに時間がかかるかも、、、
次は21時にお会いしましょう!