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美人悪役令嬢は生きる為に悪役をあえて貫く  作者: イブ
2章 行動開始する悪役令嬢
36/80

36話

仕事が忙しく自分の更新予定より遅れちゃう(´;ω;`)

機嫌を悪くしていたら丁度良く、ヨシュア達が帰ってくる。私の雰囲気を察しすぐに私の元に用意する。

トレイには山盛りのクッキーに数種類のスコーンにジャム、クロテッドクリームが並べられている。

おぉ、前世のクリームティーの知識と同じだ。

煎餅なんかも食べたくなるが米はあっても今の所和菓子にはありつけていない。

餡蜜なんかも食べてみたいな。

目の前にテキパキお皿が並べられる。

私はさっそく焼き立て熱々のスコーンを一口にちぎり、バターナイフにたっぷりのクロテッドクリームをスコーンに塗りたくる。熱さで少し溶けているその上に苺のジャムをのせ、一口で頬張る。

ん〜〜!これ!これですの!口の中がギュッとなる。あまりの美味しさに口の中に溜まった唾液を飲み込む。

私の機嫌は一気な直った。



「皆様も熱いうちに食べましょう。このクロテッドクリームなどはどこから取り寄せたのです?」



「はい、コンウォール伯爵からで御座います」



私はそうですのと答えながらスコーンを頬張る。

美味しさの余り、周りを忘れ食べ続ける姿としばらくの間私のホクホクした笑顔を皆に見られるのであった。





「……ごほん。では次の場所へ行きましょう。ヨシュアとアンリーは自分の持ち場に戻って良いですわ。色々貴方もあると思いますので行きなさい」



私はヨシュアとアンリーをそのまま追い返すとアルノーへと振り返る。



「アルノー、敵の敵は味方ですの。それが今回の教訓ですわ。言いたい事は敵も使ってこその戦略ですわ。そのまま使っても良いですし仲間に入れ、逆に使うくらいの器量を身につけて下さいな」



アルノーは不思議そうに言う。



「クレアは弟側だと思っていたからそうだね。ならこのタイミングで言うのはあの2人をって事かい?」



私は溜息をつく。



「その2人も当然ですがカリンを残した意味も考えて下さい」



アルノーは困惑する。



「いいですわ。あの少しの場で感じた事はヨシュアは自分本意で第2王子についている、アンリーは周りが第2王子についているからただついている。カリンは第2王子が次の王になると思ったから有利な方についているのでしょう?」



カリンは僅かだがビクッとする。



「カリン、利に聡くて保身に走るのは仕方ありませんわ。今の国がおかしいのですから。ただ、貴方はこのままだと分かりますよね?王族使用人がただの使用人集団じゃないって事ですの。ここで私の駒になりませんの?命は助けてあげますわ」



カリンは悩む。



「やはり、私達の行動も読まれていたのですか?」



私はただ微笑む。

読んでいたと言うより今までの第2王子の経験則です。



「第2王子は私のお母様の暗殺の指示、公爵家の政治的関与を強制、領地へのテロなど様々な事を行ってます。王へなる為でもやり過ぎてしまいました。よって彼は今後、粛清の対象です。その者につくより私やアルノーについていた方が良いと思うのですが」



私が明かした第2王子の事をカリンは目を見開く。そして、何かを計算するように考える。



「ですが、既に王は病に伏せ、第2王子を止められない今、どうする事も出きないと思われます」



「私がしっかりしていたら……」



むっ!アルノーさん、地味に傷つかないでください。面倒くさいです。



「これから王の体調が良くなったら私のモノになります?」



当てはあるとにっこり笑う。

ただでさえ、メリル以外はうちの使用人はレベルが低いのだ。第2王子に仕返しの意味を込めてこの子達を戴きます。



「……私を使って下さるのですか?」



「えぇ、貴方は中々優秀そうでしたので使ってあげますわ。ヨシュアも使い勝手が良さそうなので貴方の働きによって考えてあげるわ。貴方達は仲良しなんでしょう?」



カリンは目を見開くがヨシュアの態度を見ていたら3人が仲が良いのは分かる。



「今回の件は私の指示で第2王子派の使用人と接触する為にやった事、あの2人の今後の保護を約束に私に仕えたと言う話にしとくわ。王族使用人として、この現状を理解しているクリスなら私のやり方に何かある?」



「いえ、ありません。3人をクレア様が公爵家の使用人として引き取るという形で宜しいですね?王族の為に行動を起こしたクレア様に対して私からは何も御座いません」



「カリン、理解出来ました?身の保険に走っても無意味だったのよ。それにあの第2王子の事です。ころころ支える事を変える使用人は騎士と違って消されるのが落ちですわ」



カリンは私が何を言いたいのか理解したようだ。少し青ざめる。



「お友達の為にも裏切りお願いねカリン」



私は爽やかな笑顔でカリンにお願いした。



「さて、だいたい片付きましたしアルノー行きますわよ」



アルノーはキョトンとする。



「どこにいくのかい?」



「……それでも王子ですの?ぼけっとしたり私のやる事を理解出来なかったり使用人より使えないですわ。全く、これから王の所へ行きますわよ。カリンにも理解してもらう為にわざわざ話したのですからね」



そう言って私は強引に王と会うのを許可させた。




クリスに王の場所まで案内させ、私達はぞろぞろと向かった。

その時に1人の男性が慌ててくる。



「殿下!すみません。少々込み入りまして遅れました!」



彼は原作で知っている。アルノーの幼馴染みだ。勝気な顔つきでオラオラ系の外見だがアルノーと同じく穏やかな男だ。良く前世の妹が受けか攻めで盛り上がっていたのを思い出す。



「ロナウド、大丈夫だよ。これから父上に会いに行く」



ロナウドは私を見ると警戒し怪しむ。



「彼なら見られても構わないですわ。さぁ行きましょう」



ロナウドは訳が分からないと風な感じだがついてきた。


大きなドアが見える場所で待たされクリスが色々とやってくれたのだろう。王の部屋の前というのに誰も居ない。

私は遠慮なく中に入る。


中に居たのは司祭の服を着た男性と王の重鎮の方々が数人居た。



「なっ!無礼者!いきなりやって来るとはどう言う了見じゃ!」



「そう、カッカしなさんな。可愛らしいお嬢さんも居るではないか。びっくりさせてしまうぞ」



「陛下の前だ。それに殿下が居られるのなら客人じゃろ?お主は少しは態度をよくしろと思わんのか?」



「……ふむ」



周りを見渡すが重鎮の方々は原作で出てくるこの国の良心とも言える貴族だ。

いきなり声を荒げたのは司祭の老人だ。



「陛下の容態を確認しにきたのです。アルノー殿下に無理を言ってしまいましたが許可は得ております」



司祭の老人は私を見下した様にジロッと見る。



「陛下は今も意識が戻らん。このままだと来週辺りが峠であろう」



「……父上」



司祭の言葉を聞き、アルノーは呟く。



「そう言えば陛下の治療は誰がやりましたの?」



司祭の老人は私を睨む。



「今はワシじゃ、ハイプリーストのワシが陛下の命を繋げている。じゃが、ナタール皇国の祭祀もやったが無理じゃったよ」



成る程、ナタール皇国の祭祀は会った事はないのだが話が出る度に評価は落ちる一方だ。

確か原作だと呪いと遅行の毒だったはず。

しかし、ナタール皇国の祭祀レベルであれば問題なく治せるはずなのに治さない。

これは第2王子と取引か何かあったのかもしれない。

そうなるとこの鬱陶しい御老体は第2王子の者と見ていい。

ここまで第2王子派が占領するとは私の死亡フラグ立ちすぎじゃないかしら?

でも治したら原作と色々変わってしまう。王が死に第1王子が王にならないと私はこの先どうなるか分からない。

……けどの私なら治せる。

他人を見捨てまで自分が生きたいとは思わない。



「なら私が見てさしあげても宜しいでしょうか?」



司祭は私の言葉にカチンと来たのだろう。見下した顔で挑発してきた。



「小娘が何が出来ると言うのじゃ?やれる者ならやってみるが良い」



この老人凄い態度でかいけど何で?まぁ、いいのですけどね。


私は寝てる陛下の前に立つ。

沢山の視線が私に向けられる。


まずは解毒からして、体力を回復させて、呪いを解く。

その手順でやれば陛下もすぐに目覚めるだろう。



『私、癒しの理を制し者なり、害あるものを全て浄化せよ、エクストラキュア』



殿下の顔色が段々と良くなるのが目に見えて分かる。



『綴る、我、癒しの理を制し者なり、生命よ輝きを取り戻せ、エクストラヒール』



パッと見ても分からないが意識を取り戻した時に少しは楽になるはず。

私の呪文の異常性に気づいたのだろう。周りがざわついている。

次がラストだ。前回は魔力切れを起こしたが今回は多分耐えられるはずだ。

呪いを解除する



『我、癒しの理を制し者なり、我が力よ具現化し天への門を開かん、顕現せよ、ホーリーエンジェル』



前回は天使までは召喚出来なかったが今回は現れた。

白銀の長髪に背中には羽根が付いており、すらっとした美しき女性だ。

彼女は何かを唱えると陛下が目を覚ます。

陛下は目を覚ましたが目の前の上位の存在に涙を流し天使へ感謝をする。

私はくらっとして倒れそうになった所をアルノーが支えてけれた。



「アルノー、ありがとうございます。陛下、気分は如何ですか?」



陛下は周りを見渡して私を見て話す。



「ずっと長い夢を見ていた気がする。其方が私を救ってくれたのか?」



私は跪き、答える。



「お久しぶりです叔父様。クレア・レイナスは公爵家の者として忠義を尽くしにきました」



私はニッコリと昔の様に話す。



「……そうであるか。大儀である。クレア、感謝しておるぞ」



幼い頃会ったままとはいかないものの陛下も私に答えてくれた。

私はまた雰囲気を引き締める。



「陛下、私は3年かけました。愚者を演じ、全ての者達を騙してました。家族さえも騙しやっと自由を得られました。未だ私のお父様は傀儡のままで御座います。陛下、宜しければ私のお話を聞いては頂けないでしょうか?」



「よかろう。その前にエンドリックよ、其方、私をこの様にしてタダで済むとは思ってはおらんよの?」



「ひぃぃぃぃっ!お、お許しを!」



司祭はガタガタ震えながら逃げようとするが重鎮の貴族に遮られる。



「ほぅ……我々を謀っていたのか?」



あぁ、司祭の老人終わったな。

外から重鎮の騎士が現れ貴族が話すと捕まえられた老人はどこかに連れて行かれた。



「では、クレアよ。話をするのに我が友も良いかの?」



そう言って重鎮の貴族達を見る。



「はい、皆様に是非ともお耳に入れて欲しいお話が御座います。ご一緒して下さいませ」

いつもお読み頂きありがとうございます!


王族との話し合いがやっと次回で終わりそうです!

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