15話
予定通り21時に投稿!
明日もちょこちょこ投稿する可能性がありますが21時は必ず投稿できるようにしたいです!
本日もまったりとする事にした私は朝ごはんを食べ終わってからずっと読書にふけって居た。
すると珍しく裏のドアがノックされる。
マリーはいそいそと私が与えた自室へ戻り、ゆったりと向かい私はドアを開けた。
そこに居たのは私が呪文を覚えた時に連れ出した使用人だった。
いつも怯えがデフォルトの使用人でもこの使用人は違う。
「貴方がエルザの駒?」
「はい、この様な形でお知らせする事をお許し下さい」
……ちゃんと喋れたのね。
「謝罪は受け取りました。用件は何ですの?何かあったから来たのでしょう?それと貴方は使用人としの名前を教えなさい」
使用人は優雅にスカートを摘みお辞儀する。
「はい、私の名はメリルと申します。使用人筆頭を任されております。それとエルザより至急お嬢様にお伝えしたい情報が多数あるとの事でお伝えに来ました」
……あれ!何かいつの間にか使用人を掌握されていたよ!
闇ギルド恐るべし!
「……その前に貴方以外に闇ギルドの者は居るのかしら」
「いえ、私1人で全ての情報を得る事が出来ますので必要ありません」
優秀なんだね。
「なら貴方から見てここの使用人のレベルはどうかしら?」
「はい、仕事内容は私が躾けましたので何とかマシに見えますが男爵家の使用人の方がまだマシかと思います」
爵位の下の方の貴族と変わらない使用人達か、どうしよう。この際、クレア嬢の記憶を見た時に思ってた事をメリルに尋ねてみた。
「私の記憶が正しければ、お母様亡き後、お父様はお家に不在な為に使用人達の素性も質が落ちたように感じてました。私の教育係りも大した事してませんでしたし、闇ギルドの貴方から正直見てどう見えます」
「私が赴任してから2年ですが同じ意見であります。昔からの様ですが使用人の一部の金銭の鷹揚もあります。旦那様にお伝えしようにも古参の使用人達の信頼の方が強いのでそこまでは私も関与出来てません」
おっと、今重要な事を聞けましたね。
「もう良いわ。これ以上は不愉快になる。そう言えばタタルミーヤって使用人はどう?」
「彼女ですか?まだ勤め始めて半年しか経ってませんが彼女は良くも悪くも真面目ですね。古参の使用人達からは虐めの対象ですね。ただ、ここ数日お嬢様に声をかけられてからは古参の使用人達はばっさり辞めました」
……使用人達の事も考えないといけないか。
「使用人達の事は貴方に任せるわ。ミーヤの事は貴方が守りなさい。それと貴方が必要と思えるもしくは使える人材を見定め、保護しておきなさい。これからの有り様を考えるわ。では本題に入りなさい」
メリルは無機質に返事をする。
「はい、エルザからの情報は3つあります。ギルド、シッカー伯爵、ギーベ・ワライクバの今後です」
ギーベ・ワライクバ?確かウチの領地の一つを管理している第1王子派だったっけ?
「話して頂戴」
「ギルドから話します。今回の魔物発生はギルドも関与するものと判断しました。そして、この国で唯一王族の関与出来ないレイナス領のギルドに首謀者がいる可能性が高いです。そして、各自のギルドへ関与し犯行に及んでます。それと土地だけの災害の第1王子派は疑われております。ダメージを見たら第1王子派の方が受けておりますが第2王子派は土地こそ大丈夫ですが死者が多数出てます。平民からしてみても犯行に及んだのは第1王子だと思い始めてます」
……あぁ、死亡フラグが纏わりついていている気がする。
「それはただの聞いた聞こえたの情報のほうよね?それなら証拠の方の第2王子派の魔物関与の情報はまだないのかしら?」
「はい、数人目星が付き、探りを入れております。数日で証拠の情報は全て手に入ります。お嬢様のお望み通りになるでしょう」
良かった。これで少しは巻き返せるはずだ。
「ギルドね、分かったわ。シッカー伯爵の件に速くも進展があったのですか?」
「はい、シッカー伯爵は複数の裏事をしてまして、貴族としても地位が危うくなるかも知れません。だから、最近では騎士や護衛を増やしております。冒険者も勧誘されていました理由はその理由です。第2王子派ですが第2王子に睨まれております。粛清は免れないかと思います。ですのでシッカー伯爵はある意味危険な状態です」
関わったら向こうはすでに死ぬ覚悟で立ち向かってくる恐れがあるのか。嫌だな。
「あとギーベ・ワライクバの件ですが近々第2王子派が何か大きな仕掛けるのではと噂があります。同じ領地内です。お気をつけた方が良いです」
3つ聞いてどれも有力だ。
シッカー伯爵とワライクバの件は私自身にも危険が及ぶ可能性がある。
防衛を兼ねて呪文を覚えよう。
「ありがとう。戴いた情報は有効に使いますわ。気が変わりましたの。書物庫へ連れて行ってくれませんか?」
メリルに連れて行ってもらい、お目当の魔導書を手に入れ持っていく。
「お嬢様、その本を持ち出してどうするおつもりですか?」
メリルが訪ねてくる。
「ここじゃ危ないので少々広い場所で見ますわ」
この返答にメリルは首を傾げた。
「分かりました。ではお気をつけて」
離れの森からまたこっそり下町へ出かける事になれてきた私はスタスタと狸の寝床に行く。
中に入るとエルザは居ないようだ。
カイン達は居るか尋ねたらまだ部屋らしいのでお邪魔する。今回はちゃんとノックしますよ?
「こんにちはクレア様、どうしたのです?」
「これから用事が出来ましたので皆様には是非付き合ってもらいたいと思ってお邪魔しました」
中に入ると4人共揃っていてミーティングが何かしていたのかな?
「シッカー伯爵の件で冒険稼業はお休みなので構いませんが、どこか出かけるのですか?そんな大きなリュック持って」
私はリュックを下ろし答える。
「これは着替えと魔導書が入ってますの」
「はぁ!だ、大丈夫ですか!?」
あら、カイン君素が出てますよ!
「大丈夫じゃないからこうして外に出て読むのです」
「いや、以前言っていたではありませんか。クレア様は呪文は危険だと」
「だからどう危険か知るチャンスですよ」
カインは少し考える。
「俺たちに見せても良いのですか?」
「この前は言葉だけでしたし、少々危険度が高い呪文を覚える予定ですので見せてあげようと親切心を出しました。それとギルドの裏って凄い広い場所がありますよね?」
「ならお言葉に甘えますが不安になってきましたよ。ギルドの裏は練習場所に闘技場みたいになってますね」
「そこを使うわ」
「そんな堂々と良いのですか?」
「あそこ以外まともに読める場所がこの辺りだと無さそうなので人払いをしてやります」
「クレア様が言うなら大丈夫なんですかね?」
「えぇ、それに少しギルドへ牽制も兼ねて色々お話をしに行くのですよ」
「……何だか俺色んな意味で不安になってきた」
……失礼ですね。
ただ、首謀者を特定しに行くだけですのに。
「皆様は良いですか?」
「ん?俺はカインがOKなら構わないぜ。呪文って奴を見れるのも面白そうだしな」
「クレア様に私はただ着いて行くだけです」
「魔法使いとして、呪文の契約に立ち会えるなんてチャンスは逃したくないです!」
ほら、皆様も乗り気でしょう?
「分かった、分かりました!腹をくくりましょう!何でも来いだ!」
カインはきっと苦労症なのかも知れないね。
お読み頂きありがとうございます!
まだ数日しか書いてない物語ですが沢山のブックマークありがとうございます!
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