12話
まだ2日しか経ってませんが1万アクセスと言うのですかね?
沢山の方々に見てもらえて嬉しいです!
明日は21時頑張って投稿したいと思います!
少しの静寂が支配する。
その沈黙を破ったのはケイトだった。
「参ったよ、タダの我儘お嬢様かと思っていたらとんだキツネでビックリだ。こんだけたち振る舞うのだから何かしらの方法があるのかな?」
……どうやら、賭けに勝ったようだ。危ない。
第1王子とは彼等を関わらせた方が良いので断られても会わせる予定だったがこのタイミングで使って有効活用出来るとは思わなかった。
「コレでも私は第2王子の婚約者ですの」
「それなら尚更無理じゃないのかな?」
「そうね、仮の話ですが第1王子が第2王子の邪魔になる時に私が会いたいって言ったら第2王子はどうしますでしょう?」
「……そう言う事か。しかし、我々は無理ではないのか?」
「レイナス家は騎士を嫌っているようですし、護衛もいないのです。なら誰かに頼まないといけませんね?」
「ふむ、第2王子が第1王子への面会をさせるまでのやり取りが出来る懇談があるのか。ならクレア様のお話に信憑性が増しますね」
「えぇ、楽しみにしといてくださいまし。その時、第1王子と共に貴方達の間抜けな顔を見るのが私の目標です」
「それはどういう意味でしょう?」
私はケイトの口に人差し指を当てる。
「それは未来でのお楽しみです。では、私は行く場所が出来たのでまた連絡がありましたらローズ、いや、カインを通して下さいな」
「なんだか分からないが承知した。では、クレア様」
ケイトとのやり取りは概ね予定通りの話になり助かった。
このまま、狸の寝床へ行く。
カインに先導させ、狸の寝床についた。
「クレア様、どうして宿に来たかったのです?」
「ちょっと確かめたい事があってね」
中に入るとあのおばちゃんことエルザが居た。
「あら、何時ぞやのクレア様ではありませんか!早い再会ですね!」
「そうね、もう少し後になると思ったのだけどここに用事が出来たので、上がっても良いかしら?」
「構いませんよ!お連れの方のお部屋は206号室です」
エルザにありがとうと言いこの場を離れる。
「あれ?あの婦人に用事があったのでは?」
「声がでかい。余計な事は言わない。良い?ここではその事を喋らない事」
全く誰に聞かれるか分からないのだ。
こう言う宿で情報のやり取りをしているのは前世の記憶からして忍びの類いで偵察や暗殺を縄張りにしているのがセオリーだ。そして、エルザから貰った情報はかなりの有益だった。ならエルザを味方にしない手立てはない。
仮に暗殺だろうと使い用がある。私の命がかかっているのだ。手段は問わずだが、手に入れたモノは私が扱う。
そうする事によって暗殺が得意なら忍び込むのも得意だろう。なら忍び込み情報だけ取らせる事だって可能だし、魔物が関係しているのだ。討伐もお願い出来る。後は金は大丈夫だろう。
だが、エルザにどう切り出せばいいのかが分からない。
そうこう考えているとサリー達の部屋についた。
中にノックせずに入ると上半身裸のユグルが居る。
「やぁ、クレア様じゃないですー」
バタン。
後ろを見ると2人はあちゃーと顔をしている。
成る程、そう言う事ですね。
コンコンとノックするとユグルは一応服を着ていた。
「サリーは居ますの?」
とりあえず出た言葉がコレだ。
「サリーならシャワーですね」
ユグルは普通にしている。
……これはアレだ。
乗り越えたモノのみ持てる優越感って奴だろう。
少しユグルにイラっとしてしまう。
帰ってマリーとにゃんにゃんしなきゃ!
それにしても気まずいしサリーまだかな?
「それにしてもクレア様はサバサバしてますね。年頃ですし、もうちょっと可愛い反応しても良いかと」
……カインめ、此奴は理解していないな。
「私とて年頃ですの。そう言うのに恥じらいが無い訳ではありません。しかし、知り合い同士のあれそれを想像しても恥じらいよりも気まずさが勝ちますわ」
知り合い同士って考えると萎えてしまう。
ここでマリーとローズの絡みなら滾るんだけどね!
……いつかは私もマリーと!
サリーがシャワーから戻ってきた。バスタオルっポイのを巻いて。
……なんかいやらしいな。
私達の存在に気付きサリーは可愛らしい叫びをあげた。
しばらくして、サリーが服に着替えるのを待つ。
それにしても女性の準備って遅いな。
「サリー、何してますの?」
「すみません!まだ人様に出せるように整えてません」
……いや、ユグルには出していたでしょうに。
突っ込んでも始まらないので流す。
「大変なんですね」
「平民は大変なんですよ!貴族様みたいにキレの良い剃刀なんて中々手に入らないので」
剃刀?何故女性に必要なのだろうか?
「何故剃刀を女性が必要ですの?」
すると空気が変わった気がする。
サリーが着替えはまだの様だが出てきた。
「クレア様、体にはえた産毛などどうやって剃るんですか!脇だってそうです。冒険者だからって女性の手入れはしっかりしてます!」
凄い剣幕で怖いよ。地雷踏んだかも。
「えっ、体の産毛って剃るものなの?」
そう答えるとサリーは勢い良く私の体を摩り、隈なく見る。やはり、怖い。
「クレア様はこんなに綺麗じゃありませんか!脇も生えてないですよ!ちゃんと匂いもします」
「そうなのですか。私は全くそう言う美容に疎くて、今まで剃刀で剃るってのを知らなかったです。女性って大変なんですね。あと、私ってそんなに匂いますか?体臭かな?」
「え?クレア様は……手入れした事ない?このいい匂いも香水じゃない?」
私とて、クレア嬢の記憶を見てる限り手入れをしてはいない。匂いの臭い香水を良くつけていたが彼の記憶が蘇ってからは香水が嫌いになった。
「あー、サリー、元気出しなよ」
彼氏のユグルの言葉にサリーは心を折られるのであった。
「サリー元気出して、私はまだ10歳だ。毛が生える年頃じゃないと思う」
「クレア様、私は10歳の頃から毛の手入れをしていました」
……あぁ、今のサリーに何を言っても地雷だ。話すのを止めよう。
「まぁ、また来ますのでその時は元気な姿でお願いします」
「あれ?今日は何しに来たのですか?」
「え?ただサリーをからかいにきただけ?」
サリーは涙目になり言う。
「この悪役〜!」
えぇ、知ってます。
サリーをからかったので本題に戻る。
部屋を出て、エルザを確認し、誰も周りに居ないのもチェック。
「エルザ、楽しかったからもう帰ろうと思うの」
「クレア様、そうですか。帰りは気おつけてくださいね。それとこないだの世間話は楽しかったですか?クレア様は聞き上手なのでまたお話したいと思ってます」
この言葉にニヤってしてしまう。
「えぇ、凄く有益でした。余りの有益さにビックリです」
「ここは宿ですから沢山のお話があるのですよ」
「そのようね、単刀直入に言うわ。エルザ、貴方達の情報網が欲しいわ」
「お貴族様であるクレア様に覚えを良くしてもらえるのは嬉しいです。沢山冒険者の方々が来ますから良い話があったらまた話しましょう」
「えぇ、それも欲しいのだけど貴方が使っている方が欲しいの。簡単に言うわ。偵察や暗殺の類いの忍びかのギルドと繋がりがあるのでしょう?その辺りを話しましょう?」
ここで初めてエルザの微笑みが無くなった。
本日は頭が痛くなって来たのでラストです。
明日はお仕事なので間に完成出来たら21時に投稿予定です!