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導く声
どうしようもないまま、私は教室に戻って来ていた。
あぁ、どうしよう。明日からエリサと顔を合わせられないかもしれない。
シエとは………もう………………。
残念なことに、私にはこんなことを相談できる相手を持ち合わせてはいなかった。
特別親しい仲の友人はシエとエリサ以外にはいない。
両親とも、ここ数ヶ月会話をしていない。
これから先、いつまでこのような重い気持ちを背負っていくのかと考えると、さらに気分が落ち込んだ。
そのとき。
"……屋上に…………"
っ⁈
頭に言葉が直接送り込まれてくるような感覚。
辺りを見回してみるが、私に話しかける素振りを見せている人物はいない。
"……屋上に、…あなたの願いを………叶えるために…"
屋上?願い?
そういえば。
この学校の屋上には、確か変な噂があったはずだ。
願いを叶えてくれる幽霊がいるとかいないとか。
そんなバカな話はないと思っていたが、今のはどうにも引っかかる。
「時間はあるし…、行ってみようかな……?」
そう呟くと、私の足は屋上へと歩き出した。