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忌マワシキ詩
夜 眠る夢
夢 紅い目の
囁くのは遠い昔の記憶
別つ記憶は血潮の中
黒い竜は言う 夜は眠ることはないと
朝 堕ちる竜
白 眠る器
呟くのは遥か昔の声で
穿つ心は天より遠く
竜の子は言う 朝が来ることはないと
鐘が鳴りやむことはない 空が紅く染まるまでは
竜の子が×××と交わる 黒い竜が吠える
紅い空から竜がくる
「忘れてはいけない、忘れては」
「言葉が失われている」
「知っているのは彼女だけだ」
「彼女は何処に?」
「あの場所に」
「そんな、まさかそんなこと・・・」
「行こう、早くしないと世界が滅びることになる」
青年はそう言った。