正面突破
入口付近を徘徊する警備員を見ながら、カノン達は考えていた。
カノン「でもどうする?ここから遠距離でやっちゃう?」
トキ「そうなると俺すること無いんだけど・・・」
ルリシア「べつになにもしなくていいでしょ・・・」
パルス「こういう時こそ私の出番じゃない!?」
トキ「パルスは寝てていいぞ?」
パルス「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!??!?大体トキ兄は・・・!」
雀「バカ声デカいって・・・!」
警備員「ん・・・?居たぞ!」
パルス「もー!トキ兄のせいでバレたじゃん!」
トキ「一発殴ってやろうか?」
雀「お前らさっさと動け!!!!!!」
そんなことをしていると、複数名の警備員が戦闘準備を始めている。
カノン「ケンカはあとで!今はここ切り抜けるよ!赤劍、抜刀!」
雀「全くその通りだよ・・・紅炎・インフェルノ」
カノンが真っ先に突撃し、すれ違うと同時に警備員達を切り刻んで行く。
トキ「負けてらんねぇ!」
トキも魔力を拳に溜め、カノンの後に続く。
雀も炎の渦を出し、近くの警備員を全員呑み込んだ。
パルス「いやぁ・・・すごいなこれ・・・」
ルリシア「ぼくたちのでばんある?」
パルス「無いね。こりゃ。」
あっという間に片付け終わった。
カノン「手応えが無い!!!!」
トキ「あんま図に乗るなよ・・・」
パルス「皆強くない・・・?」
トキ「雀が化け物過ぎるだけだ。」
雀「まぁ元管理人だし。」
ルリシア「さきすすもー!」
パルス「早めに救出しちゃいますかー!」
カノン「よっしゃー!突撃ーー!!!!」
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ハウス内にて
ピーンポーンパーンポーン♪
突然放送が掛かった。
スピーカーから声が聞こえて来る。
ヴォイド「皆さん、至急、訓練場まで集合してください。話さなければならないことがあります。」
多くの魔人が放送を聞き戸惑っており、真っ先に訓練場に向かう者もいれば、周りと相談している者もいた。
???「なぜこのタイミングで召集・・・?あの管理人のことだ・・・何か裏があるんじゃ・・・」
魔人「おーい!早く移動するぞー!」
???「・・・ああ!今行くよ・・・!」
周りと同じように、訓練所に向かって歩みを進めていく。
???(絶対に何か裏がある・・・もしもそれが生命を脅かすことであれば・・・)
(止められるのは僕しかいない・・・!)
訓練場に着くと、既に何十人もの魔人が待機していた。
元々、この訓練場に人が100人も入るスペースが無いため、何人かは上の階の窓から見物している者もいる。
奥の方には高台があり、そこにヴォイドが立っていた。
???「何が始まるんだ・・・!?クソ・・・!こういう時に東棟の魔人と連絡出来れば良いのに・・・!」
ハウスは東棟と西棟に分かれており、基本的にはお互いの連絡は許可されていない。
???「東棟でも同じことが起きるのか・・・」
その時だった。
ヴォイドが口を開く。
ヴォイド「皆さん、突然ながら集まって頂いてありがとうございます。」
「今日は皆さんに大切なお知らせをしなければなりません。」
周りがざわつく。
褒美かと思い喜ぶ声もあれば、訓練の強化でより厳しくなるのではと恐れる声もあった。
ヴォイド「昨日、ここから4名の魔人が脱走しました。」
再び周囲がざわつく。
その時、脳裏に過去のヴォイドの言葉が蘇った。
ヴォイド「いいですか?もしもこのハウスで何か重大な違反が起きたら・・・その時は、ハウスの皆で責任取る必要があります・・・」
直感的に恐怖を覚える。
きっとこれから行われるのは、
ヴォイド「そこで、皆さんにはその4人の分の責任を取って貰う責任があります。もちろん、命で。」
"一方的な虐殺だ"
ヴォイドの腕が電磁砲の形に切り替わり、辺りに無差別にビームを放つ。
何人もの魔人が悲鳴を上げ、ビームを受けた魔人は塵となって消えた。
ビームが触れた地面からは火柱が昇り、辺りが一気に地獄絵図となる。
???「あっ・・・ああッ・・・!!!」
目の前で行われている虐殺を見て、言葉を発することが出来なかった。
『嫌な予感』なんてものじゃ収まらない。
今までの日常が破壊されていく。
???「ッ・・・!!!」
幸いにも身体は動く。
ハウスの中へと全力で避難した。
そして自分の部屋に戻り、身を屈める。
???「なんで・・・なんで・・・!」
余りの恐怖に、大粒の涙がぼろぼろと零れ落ちる。
直後、大きな揺れが起き、東棟の方からも悲鳴が聞こえ始めた。
???(もう・・・終わりだ・・・)
誰もいない部屋で、静かに死を待つことしか出来なかった。
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カノン「よっしゃー!突撃ーー!!!!」
その時、
ハウス内で轟音が鳴り響き、大勢の悲鳴が聞こえ始めた。
トキ「うおぉ!?」
パルス「な・・・中で何が起こって・・・!」
雀「マズいことになったかもしれん・・・!全員で訓練場まで行くぞ!」
カノン「なんで訓練場!?」
雀「いいから早く!!!!!!」
大破した扉を潜り、5人で廊下を駆け巡る。
明らかにとんでもないことが起こっているのだけは全員が分かっていた。
ルリシア「なんでこんなにボロボロに・・・」
パルス「どうせヴォイドが何かやらかしたんでしょ!?」
カノン「アイツ・・・!どこまでも面倒くさい・・・!!」
雀「ダメだ・・・救出どころじゃないぞ・・・!」
トキ「どうかしたんですか!?」
雀「入る前よりも、明らかに魔人の気配が減っている・・・!」
ルリシア「それって・・・!」
雀「救出対象の大半は・・・もう・・・」
カノン「まだだ・・・!まだ生きている魔人はきっといる・・・!!」
トキ「そうだな・・・!だがまずは、元凶をどうにかしないと・・・!」
その時、2人の警備員が壁を突き破り、道を塞いだ。
カノン「チッ・・・!邪魔だ!赤劍・円斬!」
雀「紅炎・破炎帝!!!!」
2人の一撃が炸裂するが、警備員達は劍を使ってダメージを遮断していた。
トキ「食らいやがれ!!!!」
トキが警備員の顔面にストレートを食らわせ、仰け反らせる。
同時に、パルスが赤銃を放ち、もう1人の警備員にもダメージを与えた。
ルリシア「プロトコル・翠斧!」
ズシャァアァアッッ!!!!
ルリシアによって緑色の斧が現れ、警備員の首を落とした。
カノン「あと1人・・・!」
雀「オッケー!」
雀が手に炎を纏い、詠唱を始める。
しかし警備員は、それよりも速く劍を振るった。
ザシュッ!!!!
雀「がッ・・・!」
劍が雀の腕を切り落とし、詠唱を妨害する。
パルス「もう一発食らえ!!」
パルスの赤銃から放たれた弾丸が、一直線に警備員に向かって飛んでいく。
キィィィィィンッッ!!!!!!
しかし、パルスの弾丸は劍によって防御され、そして反射された。
パルス「えっ・・・?」
バァァンッッ!!!
反射した弾丸がパルスの頭を撃ち抜く。
パルスはその場に倒れた。
トキ「パルス・・・!」
トキがパルスの方を振り向く。
警備員はその隙を逃さなかった。
グサァッッ!!!!
トキの胸に劍を突き刺し、技を繰り出した。
警備員「氷劍・アイシクルフォース」
バキィィィン・・・
トキはその場で大きな氷塊に閉じ込められる。
劍が引き抜かれると、再び攻撃を繰り出してくる。
カノン「なんで片方だけこんな強いんだよ・・・!!!赤劍・崩壊!」
キィィィィィンッッ!!!!
カノンの劍と警備員の劍が互いにぶつかっている。
カノン「ルリシアッ!!!」
ルリシア「プロトコル・翠槍・解!」
グサッッ!!!
翠槍が警備員の頭に突き刺さり、ようやく倒れた。
カノン「危なかった・・・!ハッ・・・!大丈夫!?」
雀「私の腕は問題ない。直に再生する・・・だが・・・パルスは時間が掛かりそうだ・・・」
ルリシア「生きてはいるけど・・・かおがかんぜんにえぐれちゃってる・・・」
カノン「トキ・・・!どうやって溶かせば・・・!」
雀「任せておけ。弱火でじっくり溶かしてやる。」
カノン「そんな料理みたいな・・・」
その言葉とは裏腹に、雀は大きな炎の渦を召喚し、一瞬で氷を溶かした。
カノン「強火だろこれ・・・」
トキ「・・・ゲホッ!ゴホッ・・・!ゼェ・・・ゼェ・・・」
ルリシア「だいじょうぶ!?」
トキ「あぁ・・・ちょっと刺されちゃっただけで・・・全然・・・問題・・・」
雀「大丈夫では無いな・・・流石にこれ以上戦わせる訳には・・・」
「・・・ルリシア、お前に頼みがある。」
ルリシア「ん?」
雀「その2人を連れて、リオの所まで戻って欲しい。運べるか?」
ルリシア「まりょくではこべるよ!プロトコル・翠鳥籠!」
そう唱えると、大きな籠が出現した。
雀「よし!それで運んでくれ。」
ルリシア「りょーかい!」
そう言うと、ルリシアは2人の身体を持ち上げ、籠に入れる。
雀「意外と力あるんだな・・・(小声)」
カノン「ああ見えてめっちゃ力強いんすよ(小声)」
ルリシア「できた!行ってくる!」
雀「頼んだぞ!」
カノン「気をつけて!」
ルリシアが廊下を駆けて行く。
雀「私達は先に行こう。」
カノン「了解!」
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リオ「腹筋バキバキ範ま・・・ん?」
雀『リオ、聞こえるか?』
リオ「ほいほい聞こえてますよー」
雀『かなりマズいことになった。直にそっちにルリシアと負傷者2名が来る。安全を確保次第、リオもこっちに来て欲しい。』
リオ「え?私も?」
雀『今こっちは私とカノンの2人だ。流石に心許ない。』
リオ「しょうがないなー。」
雀『戦力としては最高なんだから。頼むぞ。』
リオ「はいよー!・・・切れた。」
(めんどくさいなぁ・・・)
続く
きなです。楽しいけど流石に疲れました。
パルスかわいそう。ではまた次回に。




