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Magica jiàn  作者: きな
21/22

管理人の務め

雀「ごめんね・・・トキ。」


その瞬間、雀が空高く飛び上がる。


アンジュロ(真空波を避けつつ飛び上がった・・・!)

雀「・・・私は、管理人として、こうして戦場に立っていることに感謝したい。」

アンジュロ「急に何言って・・・?」

トキ(何をしようとしてる・・・!?まさか・・・!!!)

雀「だから最期まで、私は管理人の務めを果たしたい。」

アンジュロ「みょ・・・妙な真似をするなよ!?もう一度ギアフレアで焼き尽くすぞ!?」

雀「・・・あと30秒。」

アンジュロ「・・・はぁ・・・?」

雀「貴女がギアフレアを撃てるようになるまで、あと30秒。」

アンジュロ(ギアフレアのチャージ時間を完璧に把握している・・・!)

雀「だから、さっさと終わらせるよ。」

トキ(きっと雀は、残りの魔力を使い切ってアンジュロを倒すつもりだ・・・!でもそれだけじゃ・・・!)

アンジュロ「い・・・言っとくけど!アンタの残り少ない魔力じゃ、私を殺すことは出来ないよ!?」

雀「分かってる。だから・・・」

アンジュロ「・・・!?」

雀「極星・エンドチャージ」


キュイイイイイイイィィィィィィンッッッッ!!!!!!


雀が空に手を掲げると、巨大な魔法陣が出現し、そこに炎が集まり始める。


雀「はああああああ・・・・・・っ!!!!!!」

アンジュロ(大丈夫・・・!コイツの魔力は残り僅か・・・!ダメージは受けるが、死にはしない・・・!)


ゴオオオオオオオオオオ・・・・・・・・・


炎が拡大を続ける。

地上に居るアンジュロやトキさえも、その莫大な熱をその身で感じていた。


アンジュロ「なんだ・・・これ・・・?」

     (おかしい・・・!アイツの魔力でここまで高威力の技が出せるはずが・・・!)

トキ(分かった・・・!雀は・・・!)

雀「・・・私の命を、全てこの太陽に捧げる。そしてアンジュロ、」

アンジュロ「なっ・・・何バカなことを・・・!」

雀「・・・これしか・・・思い付かないんだよ・・・」


雀の目から、僅かに涙が零れ落ちた。

しかし、すぐに蒸発してしまう。


雀(最期の瞬間は・・・涙を流すことさえ出来ないんだな・・・)


覚悟を決めたように、アンジュロの方を向く。


アンジュロ(相撃ちになるか・・・!?刀で弾ける質量じゃない・・・!そうだ・・・!)


すると、アンジュロは地面に横たわるトキに刀を向ける。


アンジュロ「お前がそれをするなら・・・!コイツの命は・・・!」

雀「・・・」


雀は黙り込み、動かない。

しかし、炎は更に巨大化する。


トキ(どうすれば・・・俺が死ぬか・・・雀が死ぬか・・・!)

アンジュロ「沈黙・・・!まぁいい!どっちにしろコイツは殺す!!!!!!」


ゴオオオオオオッッッッ!!!!!!


アンジュロが刀を振り下ろした次の瞬間、炎から出現した龍がトキを捕まえ飛んで行った。


トキ(助かった・・・!でも、今この龍は俺を遠くに連れて行こうとしている・・・!これじゃ・・・!)

アンジュロ(バカみたいな速さの炎・・・!そうだ!ギアフレアがある!!!!)

     「ステージ3・ギアフレ・・・」

雀「そうだ。こっちも壊さないとな」


バギイイイイィィィィンッッッッ!!!!!!


拡散する炎のレーザーが、一瞬にして全ての歯車を破壊した。


アンジュロ「嘘・・・で・・・」


その瞬間、アンジュロの身体から急激に力が抜ける。


雀「歯車を全て壊されると、本体も弱体化するんだよな。覚えておいて良かった。」

アンジュロ「あ・・・あぁ・・・!」

     (コイツは・・・今自分の全てを賭けて私を殺そうとしている・・・!!自分の命の犠牲にする魔力がこれほどだなんて・・・!!)


雀の手の平に乗った太陽の拡大が終了した。

それと同時に、トキを掴んだ龍は遠くに着陸し、消滅した。


トキ(どこだ・・・ここ・・・!このままじゃ雀が・・・!)

雀『トキ。』

トキ(・・・!頭の中に雀の声が・・・!!!)

雀『ごめん。最期くらい、皆を守らせてくれ。』

トキ(馬鹿言うな・・・!雀が居なくなったら誰が皆をまとめ上げるんだよ!?)

雀『・・・』

トキ(皆を統率したのも、訓練で強くしたのも・・・!俺に拳の撃ち方を教えたのも雀だっただろ!!!)

雀『ごめん・・・少しだけ黙っていてくれ・・・』

トキ(は・・・?)

雀『君の言葉を聞くと、私の命を投げ捨てられなくなりそうだから。』


プツン、と、脳内の言葉ば途切れた。


トキ(・・・嫌だ・・・!雀が・・・!)



雀「さよなら。いつかまた会う日まで。」


太陽が輝き始める。

膨張し切ったそれには、雀の覚悟と命が燃えている。



雀「極星・インフェルノエンドオオオオオオオォォッッッッ!!!!!!!!!!」


太陽が放たれ、アンジュロの目の前で炸裂した。





ズゴオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォンッッッッッッ!!!!!!!!!!!

ゴオオオオオオオオオオッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!





トキ「あぁ・・・ああああああっっっ!!!!!!!」


遠くから爆発を眺めるトキ。

凄まじい轟音とともに爆発が起こり、地面が大きく揺れた。

十数秒経ち、ようやく静かになった。

トキは立ち上がり、残りの体力を振り絞って走り出す。


トキ(これ以上・・・!!!これ以上仲間を死なせてたまるか・・・!!!!)









ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



古い記憶


いつかのハウス内



トキ「・・・何かの冗談だろ・・・?」

ヴォイド「・・・私が冗談を言うような魔人に見えますか?」

トキ「だから聞いてるんだよ・・・!?冗談であってくれよ!?なあ!?冗談なんだよな!?!?」

ヴォイド「はっきりと言いましょう。アリアさんの死体は既に見つかって・・・」

トキ「うるさい!!!うるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!!!うるさいッッ!!!!!!」

  「・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」

ヴォイド「・・・昨日の夜、アリアさんはここから脱走し、外の森に出ました。」

    「しかしそこで・・・"アレ"に出会ってしまった・・・」

トキ「どうせ・・・どうせ嘘だ・・・!管理人達で手を組んで隠してるんだろ!?」

ヴォイド「元々は、アリアさんが脱走なんてするから悪いのですよ。命を投げ捨てたのは向こうです。」

トキ「なわけ・・・!!!」

ヴォイド「・・・もう・・・諦めなさい。貴方が彼女の分まで生きれば良いのです。」

トキ「そうやって・・・そうやって綺麗事ばっかり・・・!!!」

  「うううぅぅ・・・!!うわああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





トキ(死ぬならせめて・・・!せめて最期に一度会いたい・・・!!)



無我夢中に走り続ける。

もう二度と、仲間を失いたくない。

過去の二の舞はしたくない。

荒野と化した村を走り抜けると、焼け野原となった場所があった。



トキ「間違いない・・・!!ここが・・・!ハッ!!!」


視界の先には、下半身が灰になって消えかかっている雀の姿があった。


トキ「す・・・すっ・・・」


声が震える。

叫んでいるつもりなのに、実際は何も言葉が出ていない。

よろよろと歩みを進め、雀の隣に座り込む。


雀「戻って・・・きちゃったか・・・」

トキ「なんで・・・!なんで自ら命を・・・!!!」

雀「・・・君達を守りたかっただけだよ・・・許してくれよ・・・」

トキ「許せる訳がない・・・!!俺があの時立ち上がってアンジュロと戦えていれば・・・!」


トキの涙が、雀の頬に落ちる。


雀「もういいんだよ・・・最期くらい笑ってくれよ・・・」


雀はさっきからずっと作り笑いを見せている。


トキ「うううっっ・・・!!」


胸の辺りが灰と化し、雀はほぼ生首となっていた。


雀「もう・・・時間・・・みたいだ・・・」

トキ「雀・・・!雀ッ・・・!!!」

雀「じゃあ・・・ね・・・」

トキ「うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっ!!!!!!!!」


トキが泣き叫ぶと同時に、雀の頭部も灰となった。

地面に積もった灰が、風に乗って飛んでいく。


トキ「うう・・・あぁ・・・!ゲホッゴホッ!!!!」


トキはそのまま崩れ落ち、雀が灰となった場所で静かに泣き続けた。






数日後、



カノン達の間で小さな葬儀が執り行われた。

雀の物だった宿に全員で集まり、今まで通り生活していた。

脅威は去った。しかし、失った物は大きかった。



カノン「雀・・・」

リオ「雀らしい最期だね。私達を庇って相撃ちだなんて」

ルカ「最期まで素晴らしい魔人でした・・・」

パルス「・・・魔人ってさ、蘇ったりはしないのかな・・・?」


パルスがなんともいえない表情で訊ねる。


リオ「・・・聞いたことはないね・・・」

トキ「そんなのあるなら・・・姉さんはとっくに生き返ってる・・・」

パルス「・・・」

カノン「雀は死んだ。」

トキ「・・・!」

カノン「でも・・・残酷なことに、まだ終わっちゃいない。」

パルス「まだ管理人は残ってるし、元凶は潰せて無いもんね・・・」

リオ「こんなこと言いたく無いけどさ・・・仲間の死で立ち止まってたら、この戦いは終わらない。」

トキ「そんなこと・・・!分かって・・・!」


トキの目に涙が浮かぶ。

その時、宿の部屋のドアが開いた。


ルリシア「ただいまー」

カノン「おかえり。どうだって?」

ルリシア「ここからははなれてるけど、ちゃんとつくってくれるらしいよ!」

リオ「何のこと?」

カノン「雀のお墓を建てたくて、街の人に聞いて貰ってたんだ。どの辺に作られるの?」

ルリシア「えーーっとね・・・ここから2kmくらい北だって言ってた!」

パルス「ねぇトキ。」

トキ「・・・なんだ?」

パルス「最期にもう一度、顔見に行かない?」

トキ「・・・言われなくとも」

カノン「今から4日後だってさ。それまではここで休もう」

トキ「・・・そうだな」


トキの眼に、光が宿り始めた。

雀の持っていた骨の笛を握り締めながら、トキはどこかを見つめるのだった。







続く


きなです。高校受験があって投稿遅れました。許して欲しい。

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