脱走、及び脱獄
古い記憶
???「・・・やめてください!時矢は私の娘なんです!魔人なんかではありません!!」
???「お父さんもご存知でしょう?魔人はハウスに閉じ込めなければならないのです。規則ですから」
???「まだ生まれたばかりなのに・・・!母さんも何か言ってくれよ!?」
母さんと呼ばれた女「・・・うちの息子が・・・魔人・・・?」
???「・・・ッ!貴方がなんと言おうと、時矢は絶対に渡しませんよ!」
???「ならば・・・仕方が無いですね・・・」
???「何を・・・よせ!!!」
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パルス「大脱走の始まりだーー!」
トキ「・・・」
カノン「・・・ん?トキ君どした?」
トキ「・・・いや、なんでもない。気にしないでくれ」
カノン「ならいいけど」
トキ「早めに動こう。いつ警備員に出くわすか分からない。」
パルス「よし!ならば早速レッツゴー!」
ルリシア「いぇーい!」
全員で走り出す。パルス以外全員足音を消している。
パルス「・・・みんなそれどうやって音消してるの?」
カノン「なんか出来た!」
トキ「訓練サボってるパルスが悪い」
ルリシア「わかんない!」
パルス「ぐぬぬ・・・なんで私だけ・・・」
トキ「だから訓練サボってるからだって・・・」
パルス「カノンもサボってるじゃん!」
カノン「えへへ」
トキ「カノンは・・・言いたくないけど、魔人としては既にかなり強いからな・・・正直訓練しなくてもいいというか・・・」
パルス「はぁ!?なんそれ!ずる!」
カノン「えへへへ・・・」
ルリシア「カノンおにーちゃん!溶けてる!」
カノン「おっとうっかり」
トキ&パルス「溶けるってなに!?」
ルリシア「だれだって溶けるでしょ・・・ん!みんな止まって!」
カノン「おっととととと・・・」
パルス「どした?」
ルリシア「曲がりかどの先にけーびいんさんがいる!多分ふたり・・・」
トキ「ルリシアは魔人の気配を感じ取るのが得意だからな。連れてきて良かった」
カノン「どうする?強行突破する?」
パルス「いいんじゃない?多分勝てるし」
トキ「やけに自信あるな・・・」
カノン「んじゃ片方は僕がやるよ。残りは3人でお願い~」
トキ「腕の見せ所だな」
パルス「こういうの久々かも・・・」
ルリシア「がんばれみんな・・・!」
トキ「ただ・・・"アイツ"にだけはバレないようにしろよ?」
カノン「・・・任せて。んじゃ、行くよ!」
カノンの声を合図に全員が警備員に向かって走り出した。
警備員A「ん!?アイツら脱出するつもりか!?どうする!?」
警備員B「あの方からの命令によれば、心臓は残しておけとのことだ」
警備員A「なら殺す気でいくぞ!」
警備員A(相手はガキ1人か・・・警備員を舐めすぎだな・・・)
警備員A「蒼劍、抜刀!」
カノン「赤劍、抜刀」
ガキィィィン!!!!
2人の腕から出た剣のようなものがぶつかり合う。
警備員A「こいつの劍、重いッ・・・!」
カノン「これでも伊達に魔人やってないからね?」
キィィィィン!!!
カノンが劍を振り上げて膠着状態から脱出する。
そして再び振り下ろした。
カノン「よっ!」
ズシャッ!!!
警備員A「グッ・・・!」
警備員の肩から腰にかけて、カノンの刃が切り裂いた。
ドサッ・・・
カノン(心臓潰してないし、直に復活するだろうけど・・・まぁいいや。向こうは大丈夫かな?)
一方その頃・・・
警備員B「蒼劍、抜刀!」
トキ「オラァ!!!」
警備員の劍とトキの拳がぶつかる。トキの手は少し切れ、血が滲んでいた。
トキ「ぃ・・・てて・・・」
警備員B「劍に拳で挑むのは愚策じゃないかい!?」
トキ「安心しな・・・!拳だけじゃねぇからよ!」
パルス「赤銃、装填・・・発射!」
その瞬間、トキの後方から銃弾のような物が飛んだ。
警備員B「グァッ・・・!!!」
警備員(しまった・・・!敵は3人いる・・・!そして前の拳野郎のせいで後ろの銃女に近付けねぇ・・・!)
トキ「サンキューパルス!オォラァ!!!!」
ドゴッッ!!!
体制を崩した警備員Bの腹にトキの拳がめり込む。
警備員B(ダメだ・・・!なんとかAを呼び戻さないと・・・あれ?Aの気配がない・・・!)
(ならば1人でもやるしかねぇ・・・!まずは前のガキを殺す!)
警備員B「食らいやがれ!」
トキ(マズい・・・!斬られる!)
カノン「前のガキを殺すより、後ろのガキを殺すのが先がいいと思うよ?」
警備員B(こいつッ・・・!!!いつから俺の背後に・・・!)
カノン「赤劍、円斬!!」
ズシャァッ!!!
警備員B「グァァッ・・・!!!クソッ・・・こんな・・・ガキ・・・に・・・」
ドサッ
カノン「あっけないね~」
トキ「良いとこだけ持っていきやがって・・・」
カノン「見せ場はしっかり持って行かないとね!」
パルス「ちょっと!私も貢献したんだけど!?」
トキ「安心しろ。パルスの狙撃はナイスだったぞ」
パルス「・・・いきなり素直に褒めないでよ・・・気持ち悪いな・・・」
トキ「お前やっぱ無能だわ…」
カノン「まぁまぁ・・・今回は全員活躍し・・・た・・・?」
カノンの目がルリシアに向く。
次いでトキとパルスもルリシアの方を向いた。
ルリシア「あっ・・・わぁ・・・」
カノン「ルリシアくんは敵をいち早く見つけてくれたから!大丈夫だよ!」
パルス「活躍出来てたよ!安心して!?」
ルリシア「うぅ・・・」
トキ「全員がMVPってことでいいだろ。先に進むぞ」
カノン「オッケー!」
再び走り出す。
パルス「・・・確かこの先が正面玄関だよね?」
トキ「だな。正面の扉開くか?」
カノン「多分開かないよねー・・・どうする?壊す?壊すか!」
パルス「賛成!」
トキ「取りあえずまずは玄関を目指すぞ。」
ルリシア「・・・!だれかくる!」
トキ「余り時間が無いな。速攻で行くぞ。パルス、頼んだ」
パルス「あいよ!」
警備員C「脱走者発見!直ちに捕縛します!」
警備員が言葉を発した瞬間、パルスは既に装填を終えていた。
パルス「赤銃・・・発射!」
赤き銃弾は警備員の頭にヒットした。
警備員C「ウッ・・・!!目がッ・・・!!!」
トキ「くたばりやがれぇ!!」
次の瞬間、トキの拳は警備員の胸に当たり、そのまま風穴を空けた。
警備員C「何が・・・起こって・・・!?」
ルリシア「プロトコル・翠槍!」
そして、ルリシアの手から放たれた槍が警備員に触れた瞬間、槍は砕け散りその破片が警備員を切り裂いた。
警備員は既に粉々になっていた。
カノン「・・・久々に観たけど・・・やっぱルリシアくんのそれえげつないね・・・心臓もろとも破壊しちゃったよ・・・」
ルリシアが頬を赤らめる。
トキ「お前もルリシアくらい訓練すればもっと役に立つと思うんだがな」
カノン「・・・それ僕に言ってる?」
トキ「さぁな」
カノン「まぁ僕の座右の銘は『怠惰が正義』だからね、しゃーない」
パルス「終わってるよ本当に・・・」
トキ「早く行くぞ。直に警備員が集まってくるだろうかな」
カノン「あいよ~」
正面玄関に向かって走り出す一行。
しかし、背後に迫りよる悍ましい気配に気付く余地など、彼らには無かった・・・
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トキ「ようやく着いたな」
ルリシア「つかれたぁ・・・」
パルス「この・・・建物・・・無駄に・・・広いから・・・」
カノン「パルスは息切れし過ぎでしょ」
パルス「はぁ・・・はぁ・・・」
トキ「ルリシア、これこじ開けれるか?お前ならいけると思うんだが・・・」
ルリシア「トキお兄ちゃんがやってよー」
トキ「拳で金属のドア殴るのって地味に結構痛いんだぞ?」
ルリシア「はえー」
トキ「そういうわけで・・・」
???「おやおや・・・騒がしいと思って来てみれば・・・あなた達でしたか・・・」
カノン達の背後に突如として、紫髪の青年が現れた。
カノン「!?」
トキ(クッソ・・・!マズいことになった・・・!)
パルス(全く気配がしなかった・・・!)
ルリシア(やばい・・・)
???「5年ぶりですかね・・・あなた達が脱走を試みたのは・・・」
カノン「まさか管理人さんが直接僕らに会いに来るとは・・・」
???「私の事を覚えて頂けていたとは・・・」
ヴォイド「この『ヴォイド』、管理人の名に恥じぬ働きをさせてもらいますよ?」
トキ「カノン・・・どうするよ、これ・・・」
続く
きなです。作り置きです。
後書きということで、魔人についてちょっと小話でも。
カノンが『赤劍』という物を腕から出しています。これは魔人の能力のうち、最もスタンダードなものの1つで、そこからパルスの『赤銃』なんかに発展していく訳です。
トキは少し特別で、魔力が形として存在していないんですよね。まぁ今後明らかになっていくので。今はあまり語らないようにしておきます。
ルリシアも特別で、この子は自分で新しい魔人の能力を解放したんですよね。
普通、魔人の能力は劍に始まり、そこから形を変えて様々な能力となります。
しかしルリシアは0から自分の技を作り上げた訳です。
これがどれだけ凄いことなのかは、読み進めると分かると思います。
それではこの辺りで。また次回。




