山
そんなこんなで、カノン達の訓練が始まった。
訓練の内容は単純で、闘技場の周りを何周も走ったり、技を何種類も打ち続けたりなどだった。
途中からトキも合流し、メンバー全員でひたすら鍛え続けた。
夜になったら街へ帰り雀の宿で一夜を明かし、再び朝から訓練。
そんなルーティンで一週間過ごした。
そして・・・
宿屋にて
雀「おはよう諸君。」
雀勢い良くドアを開け、カノン達に挨拶をする。
カノン「おはございまー」
パルス「今日も訓練・・・?」
リオ「多分成長はしてるんだけど、流石に一週間はキツいよ?」
雀「そう言うと思って、今日で訓練は終わりです。」
リオ「マジ!?よっしゃあ!!!」
カノン「喜び過ぎじゃない・・・?」
ルカ(良かった~~~!これ以上技出し続けたらおかしくなるとこだった!)
ルリシア「わーい!」
トキ「それで、訓練が終わったら次は何するんですか?」
雀「取りあえずこの辺りから離れるのが最優先かな。」
パルス「いつ他の管理人が襲ってくるかも分からないし・・・いいかも。」
リオ「ここから出るってことはさ?周りの山越えるってこと?」
雀「そうなるね。」
そう、この街とハウスは、巨大な山によって囲われており、それを越えて初めて他の街に移動出来るのだ。
カノン「いかにも険しそうな山だけど・・・大丈夫かな?」
トキ「まぁ大丈夫だろ。登山感覚でいけば・・・」
雀「実際はそう上手く行かないと思うんだよな・・・」
パルス「どうして?」
雀「山って沢山木が生えてて視界が遮られるでしょ?だから奇襲に気付けずにやられる可能性がある。」
リオ「ならどうするの?」
雀「まぁ普通に登山するんだけどさ。」
ルカ「するんだ・・・」
パルス「そうだ!良いこと思い付いたんだけどさ!リオの龍に乗っていけばいいんじゃない!?」
リオ「90%の確率で振り落とされる上に、管理人にバレてお陀仏の可能性あるけどよい?」
パルス「すいませんなんでもないです・・・」
リオ「まぁ確かに山は登りたくないね・・・あまり良い思い出が無いから・・・」
カノン「過去に何かあったの?」
リオ「・・・・・・・・・・・・いや、なんでもない。気にしないでいいよ。」
カノン「・・・」
トキ「・・・それで、移動はいつするんだ?」
雀「出来れば今からしちゃいたいけど、どう?」
カノン「僕は賛成!」
ルカ「僕も・・・」
ルリシア「もちろん!」
トキ「行くよ」
パルス「行かない訳がない!」
雀「・・・リオは?」
リオ「・・・行くよ。」
雀「よし。なら早速移動開始だ。街を出て適当に歩けば、いつかは山にぶつかるから。」
トキ「四方八方山だもんな・・・」
そうして、雀達は街を後にし、山を目指して歩き出した。
そしてその道中、巨大な密林への入り口を発見した。
カノン「わお・・・こんな大きな森があったのか・・・」
トキ「木もめちゃくちゃデカいし・・・こりゃ探索がめんどくさそうだな」
雀「多分だけど、ここを通れば山のふもとまでは辿り着ける。さっさと抜けよう。」
そう言うと、雀は草木の中に入っていった。
カノン「僕らも行こう。」
残りのメンバーもそれに続く。
密林の中は予想通り非常に入り組んでおり、巨大な根が地上に剥き出しになっていたり、途中途中に人間ぬよる罠が仕掛けてあったりしていた。
そして、気付いた時には既に日が沈んでいた。
トキ「イッタ!!!誰だよここにトラバサミ置いた奴・・・!?」
リオ「人間がここの動物を捕獲するために置いたんだろうね・・・」
雀「ここから山目指すの間違いだったかな・・・?」
パルス「ハウス側から行くべきだったかも・・・」
その時、
ワンッ!!ワンッ!!!グルルルルル・・・
2匹のオオカミが吠えながらこちらを睨んでいた。
パルス「オオカミ・・・?この森まだ生き物居たんだ・・・」
ルカ「そりゃ居ますよ・・・でもこのオオカミ・・・何か・・・」
雀「二匹とも魔力を纏っているな。恐らく最近に魔力を注入されたんだろう。」
カノン「魔力の注入・・・?」
雀「魔人は、自分の魔力を他の生物に譲渡することが出来る。」
「大半の場合、魔力を譲渡されるとその生物は死滅するが、極稀に魔力を自分の物に出来る場合がある」
ルカ「つまりこのオオカミは・・・」
雀「あぁ。魔人に魔力を注入された可哀想なやつだ。」
ワオォォォォォォン・・・
オオカミが遠吠えを発する。
すると、徐々に周りにオオカミが集まってくる。
トキ「やるしかないか・・・?」
リオ「野生動物を殺すのは気が引けるな・・・」
雀「だた殺さないと殺されるのはこっちだ。徹底的にやるぞ。」
カノン/ルカ「赤劍/紫電刀・抜刀!!!!」
パルス「私の技、見せちゃおうかな?」
雀「山火事になりそうだから私は応援しとく。」
トキ「え!?」
ドドドドドドドドド・・・・・・
オオカミが次々と突撃してくる。
ルカ(ざっと数えて40匹・・・!全て魔力持ち・・・!)
「紫電刀・舞!」
カノン「赤劍・冥界破!!!」
ドゴォォォォォンッッ!!!!
ズシャアアアァァァァッッ!!!!!
ルカの刀とカノンの劍による衝撃波によって、オオカミが素早く斬られていく。
パルス「オオカミ達こっちこい!赤銃・装填!!!」
パルスの声に反応したオオカミが、パルスに向かって飛びかかってくる。
パルス「赤銃・ショットガン!!!」
バァンッッ!!!!!!!
パルスのショットガンによって、飛びかかったオオカミ達は撃たれ、地面に落ちた。
トキ「オラァ!!!オラァ!!!!ダリャアアアアァアァ!!!」
トキは一匹ずつ丁寧に相手している。
トキ「まだまだ足りねぇ!もっとかかってこい!!」
しばらく経ち、オオカミ達は全員静かになった。
カノン「なんか・・・罪悪感がすごい・・・」
雀「まぁしょうがない・・・先に進もう・・・」
リオ(私何もしてなかったな・・・)
山に向かって歩みを進めていく。
道中で4回ほど、トキがトラバサミに引っかかった。
トキ「あぁもうまただよ!!!!地味にヒリヒリするんだよ!!!!!」
パルス「トキ兄野生動物なんじゃない?」
トキ「な訳あるかい!!!!」
ルカ「これだけ罠が多いってことは・・・結構頻繁に人間も出入りしてたんですね・・・」
リオ「今はこんなオオカミもいるし、滅多に人は来ないだろうけどね・・・」
ルリシア「ふわぁ・・・ねむい・・・」
カノン「確かにもう遅いもんね」
雀「出来れば寝かせてあげたいんだけど・・・生憎、こんな場所で寝たら全身噛み千切られて死にかねないから耐えてくれ。」
ルリシア「わかった・・・」
トキ「偉い・・・!」
パルス「私も眠いんだけど・・・」
トキ「お前は知らん。その辺で寝れば?」
リオ「明日の夜ご飯はハンバーグかな?」
パルス「酷くない!?てかなんでハンバーグ!?」
リオ「噛み千切られてミンチになるじゃん?」
パルス「あぁそういうことか・・・」
トキ(納得するんだ・・・)
雀「・・・ん?もしかしてここかな?」
前方には、自然に出来たであろうトンネルがあった。
中は暗くて見えないが、かなり奥まで続いているようだ。
ルカ「ここが・・・山の入り口?」
リオ「そうみたいだね・・・てか暗いな・・・」
カノン「やっぱ夜に探索は難しそうか・・・」
リオ「そだね~」
雀「一応、夜を安全に過ごす方法はあるけど・・・」
パルス「あるの!?」
ルリシア「ほんと!?」
雀「スゴい目輝いてるじゃん・・・まぁそうだね・・・皆がこの辺でだんごになって寝て、そこを私のバリアで守れば安全だと思うよ。ただ・・・」
カノン「ただ?」
雀「私が寝れないから出来ればしたくない。」
カノン「まぁそうだよね・・・」
リオ「私は最悪寝なくても大丈夫だけど・・・ん?」
リオが後ろを振り向いたその時、
ドスッッ!!!!
リオ「ぐえッ!?」
雀「リオ!?」
目の前には巨大なイノシシが1匹。それも魔力を纏っており、かなり強そうである。
そしてその上には、突き飛ばされて角の間に挟まってるリオがいた。
リオ「ナニコレ!?降ろして!!!降ろしてーーー!!!!」
雀「待ってろ!紅炎・・・」
パルス「ストップ!!!!山火事起きちゃうから!」
雀「そうか・・・」
カノン「赤劍・ブレイド・・・!」
しかし、カノンが詠唱を終えるよりも速く、イノシシはリオを乗せたままトンネルに入って行った。
リオ「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
雀「追いかけるぞ!!!」
ルカ「了解です!!」
カノン「オッケー!」
パルス「あれ・・・睡眠は?」
ルリシア「すやぁ・・・」
トキ「ルリシア起きろ!おんぶしてやるから!」
こうして一同は、イノシシを追いかけて暗いトンネルに足を踏み入れるのだった。
続く
きなです。リオがかわいそう。




