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第17章:警察の闇

警視庁・特別対策室。冷たい蛍光灯の下、西村署長の怒号が室内を貫いた。


「何度言ったらわかるんだ!数字がすべてだろうが、結果を持ってこい!」


机を拳で叩きつける音に、若い刑事が縮こまる。別の部下たちは気まずそうに視線を逸らしていた。


「次、こんな報告書出してきたら、クビだ。分かったな?」


「……は、はい……!」


若い刑事が消え入る声で返事をした直後、部屋の扉が勢いよく開かれた。


「署長!……大変です、これを……!」


慌てて駆け込んできたのは、情報課の部下だった。手にしたタブレットを差し出す。


「……なんだ?」


「さっきからネットで急速に拡散されてます。“警察の闇”というタイトルで……これです!」


西村が眉をひそめ、タブレットを受け取る。無言で再生ボタンを押した。


画面には、白市弦が撮影した写真と共に、封筒の内容、山での事件の再現、さらには管理人や仁たちの証言が淡々と映し出されていた。


「……くだらん、ただの嫌がらせ動画だ」


そして終盤、画面が暗転した後、誰かの姿が映る。


そこにいたのは、竹下だった。


竹下はゆっくりと視線をカメラに向け、語り始める。


『──私は、復讐を決意しました。娘からあの写真を見せられた日から、自宅に小さな隠しカメラを設置しました。ずっと、回し続けていました』


場面が切り替わる。画面には警察官たちが竹下の家に訪問してくる映像が流れる。


『ある日、警察が私の家にやってきました。私は重要参考人として連行されかけた。しかし、その時、こう言ったのです。“真犯人は……西村だ”と』


静まり返る室内。


『すると、警察官の顔色が変わりました。そして……次の瞬間──』


映像の中で銃声が響く。


竹下の体が崩れ落ちる。


数秒の沈黙。そして、動画はフェードアウトしていく。


画面が真っ暗になる中で、ただ一文が表示される。


「真実は、血で消せない。」


西村の顔が強張る。

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