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第13章:告白

ラブホテル「ルミナ」の裏手にある関係者用の仮設部屋。その一室で、仁、酒井、竹下みのよ、そして管理人の4人は、重苦しい空気の中で向き合っていた。


テーブルの上には、冷めたままのコーヒーが置かれている。仁がゆっくりとスマートフォンを取り出し、無言で通話ボタンを押した。


「……北川に連絡してみる」


スピーカー越しに、数回の呼び出し音が虚しく響いた。


「……繋がらない」


何度か試すも、応答はなかった。どこか、嫌な予感が背筋を這う。


管理人が静かに口を開く。


「……まずは今わかってることを整理しよう。お前さんらが掘り起こした過去の“あの事件”。」


仁がうなずき、重い口を開いた。


「30年前、白浜第五小学校の児童が失踪した。だが実際には…当時の警察署長の息子が車で…」


「それは、違う」


静かに、だがはっきりと、みのよが声を挟んだ。


一瞬、場の空気が変わる。


仁と酒井が彼女を見る。


「……違うって、どういう意味だ?」


みのよはわずかにうつむきながら口を開いた。


「母が……亡くなる前、病室で私に話してくれたんです。“お父さんと私は、昔、とても怖いことに巻き込まれた”って」


3人の視線が彼女に集まった。


みのよは、そっと自分のバッグから古びた封筒を取り出す。そこにはこう書かれていた。


「白市弦より」


仁が息をのむ。


「……じいちゃん……?」


みのよが静かに頷いた。


「手紙にはこうありました。“この写真を川口が無理やり回収しようとしている。警察は、真実を隠している。私はもう長くはない。君たちに託す”」


「川口……?」


酒井が眉をひそめる。


「川口って……」


「──当時の警察署長の名前よ」

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