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太陽の隣り星と、四光年のセレストブルー

作者: 逢乃 雫

緑風の窓辺に


さしこむ日差しまるで



季節を映す


光のプレパラート



日ごとに高く


昇りゆく太陽の



まなざしは 


クレッシェンドのように



五色月(いついろづき)の丘へ


続く道に咲いた



ブルーベリーの花は


白く鐘のように



やがて杏色に


そよめく夕若葉とともに



咲きわたる


ルピナスの花びらが



見つめる空は


遥かなセレストブルー




五色の風に


吹かれながら歩く道に



南の地平線から


アンタレスが


紅みを帯び始めるとき



春の大三角の


星の三角窓からさしこむ



光の中へ駆け出す


ケンタウルス座の星々




五色の風に


吹かれながら眺める宙に



夜空を駆ける


ケンタウルスの足もとに



太陽の隣り星


リギル・ケンタウルス



見えない一等星は


四光年の(そら)から



地球に寄り添うように


今宵も南の


地平線の彼方で



あたたかに


大地を見守りながら




近くにあっても


見えないものがあって



近くにあるから


見えないものも



けれど大切なもの


大切にしたいものが


きっとそこにも




そして


幾星霜の彼方からでも


見える星も



瞳とこころは


遥かな宙を駆けながら



幾光年も先の


光をはてしない宙から


見つけられるなら



同じ惑星の上にある


星のような光も、きっと



ふとした時に


感じるあたたかさ


こころを彩る鮮やかさも


光と、信じて




五色月の丘を


吹き抜ける緑風に



道に咲いた


ブルーベリーの花は白く



そよめく夕若葉は


杏色に煌めいて



ルピナスが見つめる


未来(そら)は遥かな、セレストブルー



















ケンタウルス座は、5月の夜空に浮かび、日本から見えるのは半人半馬の主に上半分ですが、足(アラビア語で「リギル」)にはリギル・ケンタウルスが明るく輝きます。


この星は恒星としては太陽に最も近く、「太陽の隣人」と呼ばれ、太陽以外で地球に最も近い恒星とされます。五色月いついろづきは5月、緑風は今の時期の風で、「セレスト」は「天空の」を表す言葉です。


ルピナスは、5月頃に藤に似た花が上向きに咲くことから「昇り藤」とも呼ばれ、「想像力」の花言葉があります。ブルーベリーは初夏に白い花が咲き、花言葉は「実りある人生」です。


季節の星や花をモチーフに詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
セレストブルーという色の名前、初めて知りました。 調べてみたらとっても綺麗な色……! リギルの「太陽の隣人」という二つ名もなんとおしゃれなこと(´ω`*) 雫さんの詩は綺麗なだけではなく、豊富な知識か…
ケンタウルス座って太陽に1番近い恒星なのですね。 太陽が地球を見守っているかのように、ケンタウルス座も同じように見守ってくれているのかなと思うと、心が温かくなりました。 差し込む日差しが光のプレパラー…
日ごとに高くなる太陽に緑が美しくなる様子に目を輝かせて クレッシェンドしてゆく五色の風がセレストブルーの空へと 吹いて渡り、その先の目に見えない一等星の太陽のようにあたたかい眼差しが印象的でした。 時…
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