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2 魔法の原理(仮)

「ジン、今の魔法どうやって出したんだ?」


ジンが魔物から出る魔石?という物を物色している間俺は疑問に思った事を聞く。


「前に言ったじゃねえか。覚えてないんか?」

「お前の異世界話なんて聞き流しているさ」


四六時中語るものだから俺は耳が痛くなるんだよ。


「いいかよく聞けよ。魔法は”イメージからできている”」

「イメージ?」


ジンによると、魔法というのはイメージ力が何よりも必要だそうだ。その次に必要なのは魔力らしいが、魔力というのはよく分からないため聞き流すことにする。


「頭の中で自分が放つ魔法を創造するんだ。ここで注意することは敵と背景もしっかり頭の中で創造することだ。そしたらより魔法が的確になる。まあこれはあくまで俺がそうじゃないかという仮説だがな。

まあそういうことだ、お前も一回やってみろ」

「やってみろって何を?」

「魔法だよ」

「どんな魔法?」

「知らん。まあお前は風のイメージが強いから風魔法を使ってみろ」


風魔法と言われても困る。

一体何を題材にイメージすればいいのか、どうイメージすればいいのかが分からない。


「いいからまずはハリケーンを意識してみろ」


ハリケーンか…竜巻ってことだよな。

こうかな。


「おお!」


創造していたもののサイズとは一回りほど小さく、うまく竜巻になっていない風が出てきた。


「甘いな」

「甘い?どこがだ?」

「もっとイメージしろもっと」

「もっとって言われてもどうすればいいんだよ」

「背景とかイメージしたか?」

「うん」

「魔物は?」

「ワイルドウルフで」

「しっかりと竜巻を創造したか?」

「うん」


ジンは大きくため息をつき、俺にちょっと待てと促した。

5分ほど待った俺は、遠くからジンの声が聞こえたので、聞こえた方向に行ってみる。


「お〜いジンどこだ!」

「ここだよ!」

「お前何してたんだよ、行くぞ…おいなんでワイルドウルフがいるんだよ」


ジンの目の前には明らかに苛立っているワイルドウルフがいる。そしてワイルドウルフの攻撃をジンは軽く避ける。

するとワイルドウルフは俺がいる方向に走ってきた。


「お、おいおいジン!倒してくれ」

「いやお前が倒せ」

「俺は魔法がまだ完璧に使えないんだぞ!」

「俺はお前みたいに教える力はない。俺は才能型なんだ」

「あ〜〜つまり俺はバカですかと!」

「違うそう言ってるんじゃない。とにかく俺では教えれない。だから本番で魔法を身につけてくれ」


こいつは何を言ってるんだ!?と思ったがこういうところがジンのいいとこであり悪いとこでもある。そうだ、ジンはいつもこんな奴なんだ。


「わかったよ。。」


イメージだイメージ。集中を研ぎ澄ませ。

まず背景を創れ。ここは森。大森林。あたりに10数ほどの木を設置。そして地面に生えている草花の揺れも細かく。次に魔物。ワイルドウルフは黒毛。サイズはオオカミと一緒ぐらい。そしてワイルドウルフの後ろにいるのがジン。ここにいるものを何もかも創造するんだ。


そして最後に魔法…台風並みのハリケーンを創造する。…っ、全身からあらゆる気が取られている。これが魔力という奴か。


そしてこの技の名前は図鑑のNo11

『『(ハリケーン)!!』』


俺が放った嵐はワイルドウルフの真下の地面から発生し、空高く舞い上がり、そのまま魔石だけとなった。


「よくやったトオル」

「ジン…全くお前って奴は」

「な?この方がいいだろ?」

「今回が運良かっただけさ。それに風は俺たちがいた世界でも存在していたからな。創造しやすかった」


もしこれがジンが使っていた光魔法とかの系統だと俺はワイルドウルフに丸呑みされていただろう。だが、風魔法ということで何とか救われた。


「ジン、そう言えば魔物って食えないのか?」

「ワンチャンどうにかしたら食えるかもしれないが、基本的には魔のエネルギーが体内に収縮されているから食えないと思う」

「なるほど」


魔のエネルギーは魔王に操られているから発生するものだろうか?ちなみにスライムと同様魔王という存在は知っている。確か邪悪な存在…とか言っていた気がする。


「俺も腹が減った。よし、どこかの村へ寄ろう」

「村なんか今どきあるのか?」

「おいここをどこだと思ってる」


そうか、異世界だよな。


「まずはこの森から出よう。そして村へ行く。そこで飯を食う。これが今日のノルマだ」

「魔物以外の動物はいないのか?」

「いるにはいると思うが、、ここにはいないだろう」

「何で?」


ジンが言うには、この森はかなり魔物の量が多いらしい。なぜわかったかと言うと俺に魔法を教えるための題材を探していたところワイルドウルフの群れに囲まれたそうだ。


「やっつけたのか?」

「だから今生きてる」

「さすがだな」

「まあせっかく異世界に来たからにはかなり強くなりたいしな」


俺的には強さとかはどうでもいいが、とにかくジンに付いていかなかったら死にそうだ。


「どっちの方向に進めばいいとか分かるか?」

「試してみる」


もう突っ込まないことにした。

するとジンは1メートルほど浮いた後、すぐ地面に落ちた。


「ダメだ。流石に飛ぶのは難しい。これも一種の魔法なんだが、俺らが打った光の光線とか嵐とかは”攻撃系魔法”の分類に入るんだが、飛行魔法は”移動系魔法”の分類に入るからな、俺には苦手なことなんだ」


……少しばかりやってみるか。

幸い俺は風魔法の創造がしやすい。ジンはさっき、何も使わないで飛ぼうとしたが、俺は風を使おう。


「こう…かな?」

「お、おいトオルお前風で飛んでんのか!?」


どうやら成功したようだ。


「ちょっと上空に行って森全体を見てくる」

「お、おう…」


少し森の全体図を見ると西側に大草原があるのが見えた。


「西側に草原があった」

「お前どうやったんだ?」

「俺は幸い風魔法が得意だったから創造しただけだ」

「…お前まさか俺と同じで才能型じゃねえの?」

「やめてくれ。俺は努力型と思いたい」


実際大学に入るのも一日何時間も勉強した成果だからな。才能とは思いたくない。


「俺も乗せてくれよ」

「ごめんだけどなんかもう魔法が使える気がしないんだ」

「まさか…魔力切れか?」

「魔力切れ?」

「体内に感じる気みたいなやつを魔力って言う。その魔力がうまく感じられず、体が疲れてきたら魔力切れになってると言う証拠だ」


確かに先ほど感じていた気みたいなものは感じられない。


「しかしお前魔力量少ないんだな。たった2つの魔法をだしただけのくせに」

「そう言うお前も少ないんじゃないか?」

「じゃあ道中にいる魔物を全て狩ったら俺の魔力量は多いということで」








ジンは草原に出るまでの森の道中、全10体のワイルドウルフを狩った。


「これでどうだ!」

「マジかよ…はいはい認めますよと」

「ツレねえな」


なぜだが知らんが俺は少し悔しいのだ。ツレなくても何でもいい。

と、無念は置いとき、この草原で俺は可愛い生き物、、いや魔物に出会った。

それは”スライム”。定番の奴だ。


「可愛いな」

「気をつけろよ。こいつも魔物だぞ」

「そうだよな」


倒すには勿体無い気がするがこのスライムに瓜二つのスライムが5万といる。まあ数体ぐらいは狩らしてもらおう。…と、俺は狩れないんだった。


「トオル、魔物を倒すのは魔法だけじゃないぜ」

「え?」


ジンはお手本を見してくれた。

それは近くにある手に収まるサイズの石を投げ、そこにプラスで風を少し発生させる。すると風のおかげでスピードが上がった石はスライムの胴体を貫く。


って結局魔法使ってんじゃん。


「他には剣などもあるが、今の俺たちは剣を持っていない」


剣か、スライムみたいな弱い魔物なら魔法じゃなくとも剣を使う方が効率がいいかもしれない。


「なあジン、スライムって飼えたりしないのか?」

「飼う…テイムならできるぞ」

「テイム?」


それは魔物を自分の支配下とし、絶対服従をさせる魔法というかスキルみたいなものだと説明してくれた。


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