快晴が覗く
転生序幕の区切りです。かなり短いです。
森を出ると空は晴れ間が覗いており、視界の先にはお兄様と侍従がいた。
「__から、もしかしたら森の中で何か……、! ファイ!!」
「お兄さ、ま__」
どうしたのですかと問う前にお兄様に抱きしめられる。
「良かった……! 散歩に行ったきり戻ってこないから、心配したんだよ?」
私を見つめる滲んだ目が心配から安堵の色を映す。それは愛故の強い感情で、ふんわりと真綿に包まれるような温かさに不意に泣いてしまいそうになるのを笑って誤魔化した。
「……心配かけて、ごめんなさい。ルニア兄様。私は、大丈夫ですから」
そう言うとお兄様は目を丸くした。
「__兄様?」
「あ……ごめんなさい、つい。……ダメ、でしたでしょうか」
「っダメなわけない! むしろ……うん、すっごく嬉しい。できれば、これからもそう呼んでほしい」
「……はい!」
その時、心に熱が帯びる。周りの氷が溶けていくように、私は自然と頬を緩めた。
「あの、ルニア兄様。もう一つお願いがあって」
「なんだい? なんでも言ってよ、ルニア兄様が叶えてあげるから」
「……えっと、明日……一緒にアーロンたちに読み聞かせを、したくて」
「__ああ、もちろん! 一緒にやろう。じゃあ、今から読み聞かせる絵本を探しに行かない?」
「はい!」
空が晴れていく。久しぶりに見えた青色は、とても色鮮やかで美しかった。