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宇宙艦隊の司令官から剣と魔法のファンタジー世界の冒険者に転職しました  作者: 地水火風


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ダンジョン攻略(モンスター攻略2)

前回よりもう少し難易度の高いモンスターの攻略です。不満な方はいらっしゃるかもしれませんが、この作品の登場キャラクターは無双するには準備が必要なのです。

 レイスに遭ってから、地下30階までは通常の武器では傷つかないという敵はなく順調に進むことができた。ただ効果はあるが、極端に耐性が強い敵はいた。ロックゴーレムという敵は構成している岩石から推測される10倍以上の強度を持っていた。鉄よりもはるかに強靭(きょうじん)だ。あれでは並の武器では傷一つつかないどころか、逆に武器の方が折れてしまうだろう。

 ただ、そういう敵は自分たちにとっては関係ない。それよりもはるかに強靭な武器で攻撃できるのだから。用心すべきは魔法的な効果で、物理攻撃が無効となっている敵である。


 地下31階でそういった敵の一つトロールに出会う。童話に出てくるような可愛らしい妖精みたいなものではなく、身長5mもある巨人だ。手足はまるで瘤のように筋肉がついている。

 約束通り今回はマリーに任せる事にする。王立図書館で調べたデータによると炎か魔法の剣で倒さない限り頭を切ろうが、細切れにしようが、再生してしまうらしい。試しにマリーに通常の剣で真っ二つにしてもらうが、しばらくするとくっついて生き返ってしまった。

 一体しかいないので次はファイヤーソードで腕を切り飛ばす。しかし、その腕はくっつき元の通りに再生してしまう。


「おいおい。話が違うじゃないか。それともこれは特殊な個体なのか?」


 コウは少し驚いてユキに聞く。


「これは推測になりますが、マリーの剣速があまりにも速すぎて、熱によるダメージが与えられなかった、若しくは炎で攻撃されたと認識できなかったということが考えられます」


 一応ユキはそう答えるが、自分でも半信半疑みたいだ。

 コウも、それはあまりの太刀の鋭さに、切られたことが分からなくてしばらく生きてたとか、そういうオカルトな話?と思ってしまう。まあ、数歩歩いて体がずれるぐらいはあるかもしれないが、これはそういうレベルじゃない。自分が死んだと思わなければ死なないとか、そういうレベルの話だ。


「マリー、とりあえず今度はゆっくり切ってみてくれないか」


「承知しましたわ」


 マリーがトロールの攻撃を防ぎながら返事をする。トロールは魔法的な攻撃はできないらしい、巨大な棍棒をマリーに向かって必死に打ち付けているが、マリーは盾でそれを受けても微動だにしない。普通ならどんなに盾が頑丈でも、体ごと吹き飛ばされてしまうのだろうが、マリーの場合逆に目の前のトロールとは比べようも無いくらい重い。純然たる質量の壁。それはこの世界でも有効だった。偶然だが今回はマリーが適役だったようだ。

 マリーが今度はゆっくりとファイヤーソードで腕を切る。切った部分が焦げ、再生しない。


「とりあえず、切り口が焦げれば再生はしないようですわね」


「じゃあ次はミスリルでコーティングした剣とオリハルコンでコーティングした剣で足を一本ずつ切り落としてみてくれ」


 コウの命令と同時に、剣を交換しトロールの足を切り飛ばす。切り口はきれいだがなぜか再生しなかった。念のため首をはねたが、やはり再生せず、そのまま死んでしまった。さらに念のためしばらくそのまま待つが、再生する様子はない。


「どういうこと?」


 コウが首をかしげる。今度の切り口は通常の剣で切ったのと区別がつかない。


「これも推測ですが、ミスリル、オリハルコンは常にマナをまとった状態、というか触媒として放出している状態にあります。それが切り口に付着すると再生が阻害されるようです」


「しかし、マナをまとうと怪我が治るんじゃなかったかな。それともこれはまた正のマナ、負のマナとかの関係かな?第一それだと最初にファイヤーソードで攻撃した時、再生したのはおかしくないか?」


 ユキの答えに、納得できないコウはもう一度尋ねる。


「正と負のマナの関係については、無いとは言い切れませんが、恐らく違うかと。トロールは正のマナをまとってました。切り口に付着したものは大きなくくりで言うと同質のものですが、マナが魔法によって炎や氷に変化するように、再生を阻害するものに変化したものと思われます。ファイヤーソードは効果が炎による追加ダメージでした。その追加ダメージの効果が発揮される前に切り終わっていたために起きた現象と推測されます」


「ふむ」


 ユキの説明にコウは考え込む。昔ゲームでやっている時は、そういう設定ということで気にもしなかったが、これは異世界とは言え現実世界である。運営者がいて、各々の生物を管理しているわけではない。それとも本当に神が管理しているのだろうか? いや、もしいるとしても、法則は作るだろうが、ここの生物の管理まではしないだろう。多分……。

 まあ、本当にいたらこのファイヤーソードで傷つかない件はバグ報告だな、と下らない事も考えてしまう。

 

 いずれにしても、何らかの法則を見つけ出す必要がある。オリハルコンの剣で攻撃すれば済むことなのだろうが、正直サラが軽く力を入れただけで折れてしまう剣など、不安で仕方がない。


「もう1体トロールがいる。今度はすべて、ミスリルとオリハルコンで出来た剣で攻撃してみよう」


 もし、コーティングした剣と同等なら、強度の問題はかなりの部分解決できる。

 

 サーチして見つけていたトロールがいる部屋へと入る。今回も戦闘はマリーに任せる。ミスリルの剣であっさりと両手を切り飛ばし、オリハルコンの剣に持ち替えると、両足と頭を切り飛ばす。


「なんだか、軽すぎて正直心もとないですわ」


 マリーが使った感想を言う。まあ、1000分の1ぐらいの重さしかないからね。普通の人の感覚で言ったら、いきなり紙より軽い剣を振っているようなものだ。


「コーティングした剣と効果に違いは見られませんでした。ともかく接触面にマナがあればよいようです。後これは、ナノマシンから集めた情報による推測ですが、ミスリルやオリハルコンで切ると再生しないというのは、一種のそういう魔法の効果になっているものと思われます」


「ん? というと」


「この世界の住人が、魔法の武器、ミスリル、オリハルコンで切られたら、通常武器では殺すことができないモンスターも、殺すことができる。そういう思い、というか思考波が世界を包んでおり、自動的にまるで魔法を使ったようにマナが変化したものと推測されます」


「つまり、人がそう思っているから、若しくはモンスター自体がそう思っているからそうなっているということか」


 ユキの説明をコウなりに解釈する。


「そうですね。鶏が先か卵が先かという問題は残りますが……」


 要するに人がそう思ったからモンスターがそうなったのか、モンスターがそうだったから人がそう思うようになったかの違いだ。

 ひとまず経過がどうであれ、法則性を見出みいだすことができたのは有益だった。

 ちなみに地下21階からここまでのお宝は150金貨と27,000銀貨。マジックアイテムが武器や装飾品と合わせて7つである。モンスターの素材もあるのでシンバル馬を買うまであと一息といったところである。ちなみにマジックアイテムは売る気はない。

 このダンジョンは地下100階まで潜りクリアする予定なので、探索後には金銭的にはかなり余裕ができるはずだ。


 コウ達はいつものようにモンスターの出ない場所でテントを張り、とても冒険中とは思えない料理を食べ、いつものように休息につく。他のパーティーが見たら怒りだしかねないダンジョン生活であった。


面白いとか続きを読みたいと思われたらで構いませんので、評価やブックマークの登録をお願いします。

現金と思われるかもしれませんが、評価が上がるとやはりモチベーションが上がります。

よろしくお願いいたします。

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