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宇宙艦隊の司令官から剣と魔法のファンタジー世界の冒険者に転職しました  作者: 地水火風


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服を買いに行こう

服を買いに行って、食事をする。しかも美女を3人もつれて、という男性だったらちょっと主人公がうらやましくなる話でしょうか?まあ、相手は人間じゃないですけど。

 次の日軽い頭痛とともにコウは目を覚ます。即座に中和剤が注入され痛みがなくなる。コウはたまに、飲めるだけ飲んだという気分を味わうため、二日酔いをそのままにして、正確には痛さだけを消して、気怠いままだらだらと過ごすことがあるが、今日は、服を買いに行く予定のため、薬ですっきりとさせる。ぐしゃぐしゃになった特殊金属繊維でできた髪は、一度櫛を通すとまるで整髪剤を使ったようにスッキリと決まる。


 コウ達は買った出来合い品の服、正確に言えばそれを模した合成品の服、の中で比較的上品なものに着替える。貴族が利用するような店に行くつもりは無いが、それでもいわゆる高級店に行くためだ。ただ、コウ達は気にしていないが、周りからは顔立ちが恐ろしいほど整っているため、服を気にするものは殆どいなかった。


 ジクスは発展している街である。人口だけなら都市ともいえる街とはいえ、代官が治める街であり、貴族の住居も殆どないため、貴族向けの店というものは基本的にない。そのような品物を求める人は王都が近いため、王都で買うのが普通であった。ただ、王都に住居を構える事が出来ない貴族、又は変わり者の金持ち、冒険者からいち早く素材を買いたい商人、などが暮らしており、そこそこの高級品を扱う店はいくつかあった。

 そのうちの一つの服飾店にコウ達はいく。需要の関係か男女の区別はなかった。


「いらっしゃいませ」


 中年らしき女性の声がする。見ると30代半ばくらいの上品な女性が姿勢良く立っていた。奥のカウンターには60近いぐらいの男性が見える。夫婦ではなく恐らく親子だろう、なんとなく目元が似ている。


「ほ、本日はどのような品をお求めですか」


女性がコウの顔を見て、少し顔を赤らめて言う。


「自分の服と、連れの3人の服が2着ずつ欲しい。ここの街か王都にあるドレスコードのあるレストランの規約に違反しない程度の物で。アクセサリーも華美にならない物を数点ずつ欲しい」


 コウは簡単に希望を述べる。


「承知いたしました。どのような服が良いかを見本から選んでいただき、それを元にお作りいたします。主人を呼んできますね」


 そう言って女性は店の奥に入ると、2人で出てくる。


「この店のアクセサリーは主人が作ってるんです。私が言うのもなんですが、この街一番の細工師ですよ。服は母と私で作ってます」


 夫が照れ臭そうに頭をかき、お辞儀をする。


「それでは早速採寸しますね」


 そう言って女性は採寸をし始め、夫はアクセサリーを選び出した。


 最終的に自分は暗色系のジャケットにベスト、白いシャツ、濃い茶系のスラックス。アクセサリーはシルバーのブレスレット。ユキは基本ブルー系のツーピースのドレスにエメラルドのブローチ。サラはスタイリッシュな身体の線がはっきりと分かるタイトなドレスにルビーのネックレスとゴールドのブレスレット。マリーは基本フリルを多用したフレアスカートのワンピースにシルバーの髪飾りとサファイアのブローチだ。

 サラはサイズが合わず実際に着てみる事は出来なかったが、合わせてみてイメージする事はできた。後の者はサイズが合ってないという程度で着てみる事は出来たので、問題ないと思う。

 まあ、服装データを取得して、画像合成すれば、正確な姿が頭に浮かぶのだが、今はこの実際に出来上がるまで想像する、という事を楽しみたい。

 服は同じイメージで色違いの物を2着ずつ頼んだ。全部で8金貨と70銀貨。今までで一番大きな買い物だ。服はそうでもないが、装飾品が思いのほか高かった。価値観が違うのがよく分かる。出来上がりは10日後との事だった。


 昼から行動したせいで、店を出るともうだいぶ日が傾いていた。今日はどんな店で食べようか。せっかく、持ってる服の中で一番上品な物を着たのだから、ちょっと洒落た店が良いかも知れない。幸いにして、この辺りには服飾店と同じく、そこそこのお金持ちが利用する、ちょっと高級な店というのがいくつかあった。


 “水瓶の恵亭”というところに入る。淡水に住む魚貝類の専門店だ。この国、リューミナ王国はパズールア湖という巨大な淡水湖を内包している。と言うか、王都はその湖の中の島にある。その恵みと北にあるボミリワント山脈の鉱山資源、北西に広がる魔の森の希少な素材によって、この大陸にある他の2つの大国より頭一つ分抜けた国力を持っている。その湖の幸を使う料理店らしい。


 ドアを開けるとそこにはウェイトレスが控えており、静かに礼をすると席まで案内してくれる。お客は多いが半分個室のようになっており、大声を出す客もいないため静かだ。用があるときはテーブルにあるボタンを押せばウェイターかウェイトレスがやってくるそうだ。

 席に着くと、早速メニューを見る。コース料理もあったが、要予約だった。マリーが残念そうにしている。

 自分は前に“緑の海猫亭”でユキが食べていたラーグ貝がおいしそうだったので、それを頼む。こちらはチーズソース掛けではなく、チーズ焼きだが。ユキはマユの塩焼き、サラはデモダというパズールア湖最大の魚のソテー、マリーはミマスという魚の卵のサンドをそれぞれ頼む。周りを見る限り一度に多くの品を頼むところではないらしい。


 いつものように乾杯をして明日何をするかを話し合う。


「何をするかって、やっぱり冒険者ギルドに行って依頼を受けんじゃないの」


 当然の事といったようにサラが真っ先に言う。


「そうではなく、コウが言いたいのは、どういう依頼を受けるかでしょう」


 ユキがサラを注意する。


「それなんだよな、自分としては討伐依頼があるならそれを優先的に受けたい。昨日の出来事で思ったんだがこの身体の慣熟訓練をしていないせいか、どうもいざという時の力加減に不安がある。まさか人間でするわけにもいかないからね」

 昨日の出来事は予測できる範囲の出来事だった。それに自分が対応できなかったのは準備不足のせいだ。いつもAIに頼るわけにはいかない。


「確かに、あまりこういったことにわたくし共ばかりが出張ると、コウに不名誉な噂が立ちかねませんわね」


 マリーが賛同してくれる。


「まあ、正直、自分で直接動くのは元々得意ではないんだがね」


「しかし、直接アバターを使ってここに降り立つことを選択したのはコウですよ」


 コウのぼやきにユキが突っ込む。


「それはそうなんだが、私が好きなのは味方の援護と強化、そして敵の攻撃範囲外からの安全で一方的な攻撃なんだ。接近戦は逃げるつもりでいた。人間同士が生身で接近戦を行うとは、いやはや現実とは奇なりだよ」


「コウらしいお考えです」


 ユキがコウの考えに少し皮肉気にこたえる。コウはそれこそ士官学校の訓練時以外、生身で接近戦などしたことがない。星間国家では外見を見ただけでは、強化具合が分からないため、喧嘩を吹っ掛けるにしても命がけだ。自然と人間同士の接近戦は現実の世界ではなくなっていった。その代わりと言ってはなんだが、バーチャルの世界では根強い人気があったようである。コウは随分と昔にやっていただけだが……。


「まあ、そういった方向で宜しいのではないですの。幸いにして討伐依頼は護衛依頼に次いで数の多い依頼のようですし。それよりこれ、美味しいですわ。皆さんいかがですか」


 マリーは、ネーロズナという魚の肝と身を煉り合せたものを、ビスケットに塗った食べ物を食べて言う。サンドイッチを食べ終わった後に頼んだものだ。5枚あったので1枚貰う。

 肝のうまみと、ビスケットの塩加減が絶妙だ。確かに酒のつまみによく合う。

 コウ達は討伐依頼優先の依頼を受けるということで皆納得し、マリーの食べている物を追加で注文して、夜をふかしていった。


面白いとか続きを読みたいと思われたらで構いませんので、評価やブックマークの登録をお願いします。

現金と思われるかもしれませんが、評価が上がるとやはりモチベーションが上がります。

よろしくお願いいたします。

また、作風が異なりますが、他にも書いています。良ければそちらも読んでいただけたら嬉しいです

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