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宇宙艦隊の司令官から剣と魔法のファンタジー世界の冒険者に転職しました  作者: 地水火風


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宿での宿泊

いやー書いてて思ったんですけど、まだ2日目なんですね。進行が遅いと思っている方申し訳ありません。

 宿の部屋に戻ると40着の服が綺麗に畳んでテーブル上に置いてあった。ちゃんとその服を選んだ者毎に4つに分けている。

 コウは一枚一枚丁寧に転送していく。我ながら小市民だと思うが、1枚下手したら100万クレジットを超えるお宝である。まあ、多分元の世界に帰れることは無いだろうが、だからと言ってぞんざいには扱えなかった。

 転送して暫くすると特殊金属繊維製のダミー品が自分の亜空間へと収納される。収納は選んだ各個人毎に振り分けている。一応念のため自分の分を確認する。間違いないようだ。他の3人にも確認するが、大丈夫のようだった。

 ここまで終わっても、鐘が10回鳴ってから、鐘一つ分ちょっとしか経っていない。標準時間で言えば夜8時ぐらいである。いくら朝が少々早いとは言え、寝るには早すぎる。


「依頼が無いときは毎日こうだと流石に暇を持て余すな。何か良いアイデアはないかね」


 ユキ達に問いかける。


「ゆっくりすると決心して、この惑星に降下してまだ2日目ですよ。ワーカーホリックの症状が出ているようです。慣れることをお勧めします」


 ユキが呆れたように言う。


「それにさんせー。あたいが言うのもなんだけど、まだ冒険者ってのに正式になってもいないんだろう。焦る必要ないと思うけどなあ」


「そうですわね。わたくしの艦長は、時間があいた場合は、コーヒー1杯あれば、3時間は粘れる、とよく言われてましたわ。なんでも奥様の買い物に付き合うとき、喫茶店でよくそうやって過ごしたらしいですの」


 他の2人はともかくマリーよ、多分それ意味違うと思うぞ、とコウは思った。


「参考までに、この街の独身冒険者の男はどういった過ごし方をしてるのかね」


「殆どの人は宿でゆっくり過ごすというのは貴重な時間らしく、宿では休まれてますね。他はお酒を呑む、女性の接客がある酒場に行く、娼館に行く、というところが上位になります。

 娯楽産業は、この文明レベルでは、発達するための余剰生産能力が無いため、厳しいものと思われます」


「まあ、仕方がないか」


 母艦から端末を転送して、読書や映画を楽しむ事は出来るが、それをした時点でなんか負けた気がするのでやらない。

 ふっと思い立って、出窓を開け、身体を乗り出し屋根へと上がる。街に灯りはあるが、空を照らす程ではないため、星が綺麗に見える。このような星空を見るのは初めてだった。屋根に寝転び星空を眺める。


「これは、良いな」


 コウは感動して、思わず呟く。

 暫くすると横にユキがコウと同じように横に寝て星空を眺めていた。


「素晴らしい眺めですね。私はこうして星空を眺めるのは初めてです」


「私もこうして地上からゆっくりと眺めるのは初めてだよ。宇宙ステーションの展望台から妻と眺めたことはあったがね」


「古代人は、最初は純粋にあの星に手を伸ばしたくて、宇宙に行こうとしたのかもしれませんね」


 ユキがロマンチックなことを言う。古代人が最初に宇宙に飛び出した理由は諸説あり、まだ決定的という説はない。強いて言えば資源獲得の為というのが有力な説だ。だがこのような星空が古代に見えたのなら、ユキの言うことが案外正しいのかもしれないとコウは思った。


「そろそろ睡眠時間ですよ」


 ユキが起き上がりながら言う。だいぶ長い時間星を見ていたようだ。時間を忘れるとはこの事だろう。下に降りるとサラとマリーがカードゲームをしていた。

 そう言えばこういったゲームは原始時代からあるんだったな。この世界のゲームを探してもいいかもしれない、とコウは思う。


「どうだった?」


 と、サラがカードを置きコウ達に聞く。


「単なる思い付きで、屋根から星を見たんだが……。想像以上に美しかった」


 コウは美しい景色を思い出しながら、静かに感想を言う。


「へぇ、あたい達も見に行けばよかったかな」


「わたくしもそう思いますが、あなたがいると、うるさくて雰囲気が壊れそうですわ」


「いや、そりゃないだろう。あたいだってTPOはわきまえてるさ」


 サラとマリーが軽く言い合う。


「まあまあ、明日良いクエストがあることを祈って休もうじゃないか」


 良いクエストがあるかどうかは、オーロラやワヒウを探知していれば分かったのだろうが、危険はないと判断して、戦闘テスト以降は探知をしていない。まあいざとなったらナノマシンより母艦に送られたデータを参照すれば良いのだが、よほどのことがない限りしないと決めていた。理由は単に面白くないからである。

 クエストがないとわかっていて、正直、朝早く布団から出てギルドに向かう自信がない。行ったとしてもやる気のない顔でギルドに顔を出すことになるだろう。そもそもコウは生身の状態では早起きは苦手なのである。


 コウはベッドの中に入って考える。

(確かに、まだ二日目、宿に至っては今日初めて泊まるんだよな。そう考えてみるとゆっくりすることに飽きたなんて、ワーカーホリックだな。そういえば紅茶を買うのも忘れてしまった。まあ、朝食は出るから紅茶ぐらいは出るだろう。それに食べ歩きは必須だな。美味い料理は何かのケースに入れて、亜空間へ保管しておけばいつでも食べられるな。そうしたら何か適当なケースも必要か)

 やろうと思ったらやることは色々あるものである。今までは大抵のものは、欲しいと思った時にすぐ手に入るので、生活において事前準備、と言うものを考える必要はなかった。これからは自然に過ごそうと思えば、色々考える必要があるだろう。そういうことを考えるのも楽しみの一つかもしれない。

 就寝時間になると睡眠導入剤が注入されコウは眠りに落ちていった。


 面白いとか続きを読みたいと思われたらで構いませんので、評価やブックマークの登録をお願いします。

現金と思われるかもしれませんが、評価が上がるとやはりモチベーションが上がります。

よろしくお願いいたします。

また、作風が異なりますが、他にも書いています。良ければそちらも読んでいただけたら嬉しいです

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