1.まさかの転生
初原稿です。
よろしくお願いします。
「先輩すいません!!私のミスで…!!」
もう12時を過ぎ日付が変わっている。
ずっと寝ていないせいか、後輩ちゃんの目の下には深い隈が出来ている。
「気にしないで。
それより早く終わらせちゃおう!」
後輩ちゃんは酷く申し訳なさそうな顔をしている。
「先輩、少し休んでください。ずっと休んでいませんよね?」
そう、私は実は昨日おとといと二徹していて、今日で三徹目に突入しそうなのだ。
きっと私は酷い格好をしている。お風呂も3日入っていないので、臭いが気になるなぁ…。
「大丈夫、大丈夫!
あっ、コーヒー切れたから買ってくるね。」
「私が―」
「ううん。ちょっと外の空気も吸いたいから!」
「すいません、ありがとうございます…」
後輩ちゃんに軽く手を振ってオフィスを出る。そして会社を出て近くのコンビニに向かう。
コンビニでコーヒーを購入して、また同じ道を歩く。
「…」
公園。
そこにあるベンチがなんとも魅力的に見えてしまう。だって会社に戻ったら絶対休めない。今だって一生懸命仕事をしている後輩ちゃんのために、一刻も早く戻らないといけない。…のにベンチの誘惑に勝てそうにない。ちょっとだけ。ちょっとだけ休憩してすぐ戻ろう。ごめんね、後輩ちゃん。
「ふぅ…」
ベンチに座り息を吐く。
どうしようもなく眠い。やっぱり気を抜くと一気に眠気に襲われるなぁ…。けど早く戻らないと。後輩ちゃんが待ってる。早く、はやく…
「後輩ちゃん!!」
私は勢いよく体を起こす。
ん?なんかフカフカだな。私、ベンチで寝たよね?なんか室内だよ?これ。
「お嬢様…?ヒィッ!おっお目覚めになられたのですね!たっ、たた、只今医者をお呼び致します…!」
はい?
え?お嬢様?いつの時代だよ。てかヒィッて。お嬢様に対して言っちゃダメだろ。ん?しかもあの人メイド服着てない?コスプレかな…?
コンコン
ノックの音が聞こえます。
お嬢様、何も言いませんね。てゆうかこの部屋広いなぁ。しかもなんか豪華ですよ。このベットも天蓋付きだし。お嬢様感あるなぁ…ん?お嬢様感…?
「あっ、アイスリ様。入ってもよろしいでしょうか…?」
これもしかして私のこと!?
他に人居ないし!私!?私なんだよね…!?
「はっはい、どうぞ。」
そう言うと人が入ってきました。合ってたみたいですね。よく…はないか。ちょっと状況について行けません。なんでお嬢様?てかアイスリって誰だよ。ん?アイスリ…?
「アイスリ・フォルティーニ様。お加減はいかがでしょうか?」
この方、お医者さんですかね?
白い髭がいい味を出しています。…ちょっと待て、今なんて言った?
「すいません。もう一度私の名前を言って頂いてよろしいですか?」
私のという所を強調して尋ねる。
「…?アイスリ・フォルティーニ公爵令嬢でございます。」
聞き間違いじゃなかったみたいですね。
本当に状況が掴めません。私の勘違いであって欲しい。これ日本じゃないかもしれません。
「…この国の名前はなんですか?」
困惑させてしまっているのは分かっています。けどこれは重要な確認なのです。
「ザルフォード王国でございます。」
うん。勘違いじゃないみたい。これは日本、いや地球でもないかもしれません。服は中世のヨーロッパって感じですが地球ですらないんですよ。だってこれ、これさ…
やってたゲームの設定と丸被りなんだよね。
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」
「おっお嬢様!?」
あっ侍女さん居たんですね。ってそんなこと言ってる場合じゃない。あれ?なんだか頭がフワフワしてきました。体も熱い気がする…
「おっ、おおお、お嬢様ー!?」
侍女さん、リアクションいいですね。
あぁ、ダメだ。意識が朦朧としてきた。あ、これもうベットに倒れてますね。もういいや。現実逃避って時と場合により大切ですよね!きっと一度寝たら全て夢って落ちです!大丈夫!寝よう!
お医者さん、全く動かないんだなぁ。
…使えなさ過ぎない?
ご覧頂きありがとうございました!