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救炎のガルダ  作者: ドカン
2章 黒の翼
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第18話 合流!

 一方で、ヒメはオコナの背に乗って世界樹を一気に上がっていた。


 「ねぇ、どこまで行くの?」

 「そうねぇ、頂上、と言いたいところなんだけど、多分そこではないわ。ガルダとムギンは幹の途中で争っているはずよ」

 「どうして分かるの」

 「神の側で争いなんて避けるはずよ。神鳥なら、なおさらね」


 オコナの推測が正しければ、目的の場所まであまり時間はかからないはずだ。


 「あら、お仲間が合流出来たみたいよ」

 「え?」

 「後ろを見てごらんなさい」


 オコナに言われた通りにヒメは後ろを振り返る。そこにはトビと、その上に乗る人物が見えた。


 「ヒメ様!」

 「タレス! 良かった、無事だったのね!」 

 「えぇ。ヒメ様こそお元気そうでなによりでございます」


 タレスに再び会えて、笑顔になるヒメ。しかしタレスが乗っているトビのムウの上にはもう1人乗っていた。


 「タレス、その人は? 見ない顔だけど」

 「あぁ、こちらは古い友になります」

 「ミュソス、と申します。タレスのご友人だそうですね。まさかこんなにも若いとは」

 「へぇ、タレスって友達とかいたのね。よろしく!」

 「えぇ。よろしくお願いします」


 ヒメはミュソスをタレスの友人ということで難なく受けいれた。それだけヒメがタレスを信用しているということもあるが、この右も左も分からない場所で仲間が増えるということが嬉しかったのだ。


 「それでえっと、ヒメさんって言ったかな。あなたはどうしてここに?」

 「ミュソス、ヒメ様はガルダの巫女じゃ。ここにいるのは誰よりも必然と言える」

 「えっ! 本当!? ガルダって特別な鳥だろ!? その巫女がどうしてここに!?」

 「えぇ、そうよ。そしてガルダは今、戦っているわ。相手はムギン」


 ヒメについてのことを教えられ驚いたミュソスに、追い打ちをかけるかの如くオコナが現状で起こっていることを伝える。


 「えぇ!? ムギン!? 神鳥じゃないか!?」


 それを聞いてミュソスはさらに驚いた。


 「ね、ねぇ。そんなに驚くものなの? 私には何が何だか分からなくて......」

 「そ、そうか。知らないのか。なら無理はないよ。僕もどこからどう説明すればいいのか分からないけど」

 「フフッ、頭の中を整理してからでいいわよ」

 「ありがとう。えっと」

 「オコナって言うの。良い名前でしょ?」

 「あぁ。優しい鳥もいるものなんだね」

 「オコナ! オコナ! ムウも名前もらった! ムウっていうの!」

 「あら、あなたも良い名前じゃない。大切になさいね?」

 「当然!」


 オコナもムウも自分が貰った名前を自慢気に名乗る。ヒメ達は気付いていないが、トビを含めて、鳥達にとって名前を得るということには大きな意味がある。ヒメ達が知らなくともなんら影響はないが、オコナもムウも、他に名前を貰ったトビ達も、嬉しく思っているはずだ。


 「確認なんだけど、君達はガルダに従っている、ということでいいんだよね?」

 「えぇ、そうね。まぁ、従っているっていうのはあまり好きじゃない言い方だから、協力っていうことにしておくわ」

 「でも立場はガルダが上だ」

 「そうよ」

 「ありがとう。頭の整理が出来たよ。僕の推測が多分に含まれるけど、聞いてくれるかい?」

 「いいわよ」

 「なんでかは知らないけど、今この世界は滅びかけているね? これまで世界は神鳥が支配していた。だけど世界が滅ぶと知った神鳥は、神様にお願いして、新しく神鳥となれる鳥を送ってもらったんだ。それがガルダ。彼の役目は終わりかけのこの世界を救うことなんじゃないか?」

 「大した推理だこと。よくそこまで辿り着いたわね。でも、そうね、半分アタリで半分ハズレ、ってとこかしら?」

 「半分? どういうことだ」

 「......ごめんなさい。私も全てを知っているわけじゃないの」

 「そうか......。いや、いいんだ。全くもって見当違いじゃなかったってことが分かっただけでも、大きな進歩だ」


 ミュソスは自らの考えに基づいた推測が、ド真ん中でなくとも当たっていたことを大事に受け止めた。真実に対して少しでも近づくことが出来たのなら、あとはより深く掘り進んでいくだけだ。




 一方で、ヒメ達とは離れた場所ではあるが、ゴウマとモロもまた上へ、ガルダのもとへと向かっていた。それももう1人の剣士であるシイトと戦いながらである。

 ゴウマはモロの背中を足場としながら戦っている。一刻も早くヒメ達と合流するために、モロは戦いよりも移動を優先しているため、戦っているゴウマに加勢することが出来ない。それを分かってか、シイトもまたモロの背中に乗ったり、近くの壁を使ったりして、もしかするとゴウマよりもテクニックな戦い方をしているかもしれない。


 「ははは! どうしたの!? そんなんじゃ僕に手も足も出ないんじゃないの!?」

 「クソっ! ちょこまかと動きやがる! 男なら正々堂々と戦いやがれ!」

 「はぁ? そんなんは柔軟な戦い方に対処できない石頭の言うことだよ。悔しかったら付いてきてごらんよ!」

 「チッ!」


 ゴウマはモロの背中を離れることが出来ない。やろうと思えば、彼もシイトと同じような戦い方は出来るが、モロの背中を離れ、万が一のこと、例えばモロがやられてしまうなどということでもあれば、ゴウマもヒメ達のもとへ行くことが出来なくなる。数としては2対1で勝っているように思えても、それは一心同体、離れることの出来ない足かせのようにもなってしまっていた。


 「おい! モロ! お前もっと気ぃ使った飛び方とか出来ねぇのか!」 

 「うぅ......。モロ、そんな器用じゃないぃ.......これでも頑張ってる方......」

 「そうかよ! ならもっと頑張りやがれ!」


 そう言いながらゴウマは勢いよく、しかし柔軟に、今度はシイトの剣を捌き始めた。先程とは明らかに違う戦い方にシイトも気付く。


 「なんだ、やれば出来んじゃん! 初めからそうしてよ!」

 「無茶言いやがる!」


 そしてついにゴウマの反撃、というタイミングで、近くの壁が大きな音を立てて崩れる。


 「えっ!?」

 「なっ!?」

 「ぬわぁぁぁぁぁぁ!!」


 そこにやってきたのは、ナビとツナであった。ゴウマとシイトは突然の出来事に驚く。


 「あ! ゴウマー! 大丈夫ー!?」

 「大丈夫、と言いたいとこなんだがな! 生憎、俺は今立て込んでてな!」

 「何あれ。君の知り合い?」

 「テメェには関係ねぇよ!」

 「......まぁどうでもいいけど。こっちに集中してね」


 ナビの呼びかけに反応してしまい、隙を見せてしまったゴウマ。そしてそれを逃さなかったシイトが一瞬で間合いを詰める。そして剣を突き出し、決め手になりそうな一発を繰り出す。しかし間一髪のところで何とかゴウマがそれを防いだ。


 「くっ!」

 「ゴウマ!? どうしたの!? 誰と戦ってるの!?」

 「気にすんなケダモノ! 別に大した相手じゃねぇ! すぐに片付く!」

 「ふぅん? そういうこと言っていいんだ? 宣言と約束は後で重荷になるよ?」

 「へっ。荷物の1つも背負えないで男が務まるかよ」


 睨み合いが続くゴウマとシイト。そしてそれを打ち破るかのようにやってきたナビとツナは、思いがけないものまで連れてきていた。


 「む! ナビ! アイツらがやってきた!」 

 「え!? もう!?」

 「ん? この音は」

 「おいおい、嘘だろ」


 破られた壁の向こうからやってきたのはナビとツナだけではない。ハゲワシの大群が、遥か遠くまで埋め尽くすほどにやってきていたのだ。

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