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Scene13.

ここら辺(特に7/28更新分)は眠すぎていつもに増して編集が雑です。すいません【@津田】


 

 ナイトが風邪を引いた。

「この風邪はきっと、俺がバカじゃない事を証明するものだよ!間違いないよ!」

 頭に氷のうを乗っけてフトンを三枚かぶったナイトがせき込みながらわめく。

「……あんた、今年に入って何回風邪引いたか言ってごらん」

「えーと……ちょっと待ってね」

 ナイトがいち、に……と指を折って数えている。どうやら片手じゃ足りないようだ。

「合計七回!」

「問答無用。おとなしく寝てなさい何度あると思ってんのよ!」

 大量の氷のうと風邪薬を置いて私は学園へ向かった。

 ナイトという味方がいない私に、周りの奴らは容赦なく罵詈雑言を浴びせかけてきた。

 こういう時、一ミリ程ナイトが恋しくなる。

 特に止めてくれる訳でもないからいてもいなくても関係ないんだけど、いないと、ちょっとだけ心細かったりする。

 まあ、本人には口が裂けても、そんな事絶対言わないけど。

 そして今日はすっかり忘れてたけど『博打』――合同授業だった。

 チャイムギリギリに授業が行われる体育館へ入ろうとすると知らない男子が舞台で何か喚いていた。

「諸君!ナナシは『災厄の魔女』だ!関われば災いが降りかかるだろう。

 あの二百年前がもう一度起こる事を防ぐため、絶対に魔女をこの学園に居座らせてはいけないのだ!」

 何ですか。武力行使の次は言論による弾圧ですか。それより許可取ってやってるんだろうか……。

「……許可など取っておりません。……校則第十五条『勝手に集会・演説を行わない』違反ですよ」

 見覚えのある三つ編みが揺れていた。フィオナさんだ。その節はお世話に……。

「……彼は教頭の息子です。……ですが許可なく演説する事はたとえ誰であろうとあってはなりません。……よって、『回収』してまいります」

 フィオナさんは人ごみの中を華麗にすり抜け、いつの間にか後ろに風紀委員集団を引き連れて舞台上に。

 集団は有無を言わさず教頭の息子を縛り上げ、どこかへ連れて行った。

 ああデジャヴ……私はどうやらお偉いさんの息子にも嫌われているらしい。

「……『回収』は終了しました。……大変ですね、ナナシさん」

「まあ……あの程度じゃあ私は負けませんけどね。まだたくさん、知りたい事があるんです」

「……知りたい事?」

 私はフィオナさんに『災厄の魔女』について知りたい事がある、と話した。するとフィオナさんは

「……図書委員のアリス=エーヴと、成績学年トップのシェーラ=グレイスですかね」

「……はい?」

 誰ですかそれ。有名な人かもしれないけど聞き覚えは無い名前だ。

「……私の知り合いの中であなたのお役に立ちそうな人物です」

 フィオナさんの知り合いか。あくまでイメージだが何か凄そうだ。

「……アリスは頼めばどんな本でも……例え図書室に無い本でも探し出してきますし、

 シェーラは『災厄の魔女』関連ならそこいらの先生よりよほど詳しいです。……彼女らに聞くのが最善だと思いますよ」

「あ……ありがとうございます……ものすごい人達と知り合いなんですね」

「……仕事柄、ものすごい人とよく知り合いになるんです。……大概妙な事するので取り締まり的な意味で」

 まあ、銃刀法違反がいるくらいだ。色んな人がいるんだろうな。

「ありがとうございます。助かりますー」

「……いえいえ、ナナシさんにはいつもお世話になっているので」

 え?私フィオナさんのお世話したっけ?

「……ナナシさんを張り込んでいれば必ずシグマ=アーサーズが何かやらかしますから」

 いや、やらかす前に止めてくださいよ。

「……何も盗ってない泥棒を捕まえる警察はいませんよ?盗むまで待たないと」

 いや、こっちは人命かかってるんで。

 まあ動機は不純だけど、『魔女』の私にここまで親切にしてくれるのだから良い人なんだろうな。

 ナイト、手掛かりは少し手に入れたよ。頭に氷のう乗っけて待ってるといいよ!

 授業開始のチャイムが、広い体育館に鳴り響いた。 

 

 To Be Continued?

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