呪術
俺達が宍道湖の西側、出雲に戻ってきた時に居たのは南東側に行っていたルトとルーシャだった。けど、戦っていたのは残りの4つの首とではなく、妖怪。それもまた、俺達が最初に出会った猫叉だった。
ルトとルーシャは街に被害が行かないように、猫叉と戦いながらヤマタノオロチが飛ばしている火、水、雷、風、それぞれの玉をいなしている。俺達はそれを見て急いで駆け寄る。
「ルト!」
「ルー!」
俺達はそれぞれに声をかける。
俺はルトとルーシャが対処に追いついてない水をコントロールしつつ、雷の玉を霊剣で斬りながらルトと背中合わせになる。
鳳凰は火を操って自分のモノにして、ルーシャの方に向かっていた。
「神威・・・・・・見ての通りだけど、僕達はコイツと来た時から戦ってる」
「あぁ・・・。先輩達はまだのようだけどな」
「それは一旦いいでしょ。それと・・・・・・神威と天鈴ちゃんにお客さんっ!」
「は?ルト、それはどういう・・・」
俺は、俺に向かってくる黒い玉を咄嗟に斬る。ルトは猫叉の方へと走っていったからもういない。俺は黒い玉が飛んできた方向に刀を向けて警戒心を高める。
「神威!そちらは無事ですか!?」
「あぁ!そっちも攻撃されたのか?」
「えぇ。ルーに私達狙いの敵がいることを教えてもらったタイミングで攻撃されましたわ」
鳳凰がこっちにやってきて教えてくれる。
鳳凰は俺と同じで周りを警戒して、弓を持っている。姿は巫女服なため、朱雀の方を憑依しているようだ。
「いい加減顔をみせろ」
俺がそう言っても俺達のことを狙ってる敵があらわれないので、俺は魔術と魔法の両方を四方八方に展開する。魔術の方では火の槍を、魔法の方では雷の矢を。
構えても敵はあらわれないので俺は鳳凰には絶対に当たらないように魔術と魔法を打ち出す。
「狙いは良かったですが、躱しやすかったですよ。神の愛し子」
その声が聞こえると、俺達の前に霧のようなものが集まり形を形成する。あらわれたのは妖狐。俺達の邪魔をすると伝えてきた、日本三大妖怪の一体である玉藻前。
「玉藻前・・・・・・」
「言った通り俺達の邪魔か?」
「そうですね。それもありますが・・・・・・私は貴方達のことを倒したいと思ったからですね」
玉藻前はそう言って俺達に向かって呪術であろう黒い玉を形成して飛ばしてくる。俺と鳳凰は見合って頷き、その場から左右に動いて躱す。
俺は青龍を憑依しているため、俺が先に玉藻前に攻撃を当てるように動く。俺は玉藻前に近づいて刀を横薙ぎに振るう。玉藻前は振るった刀を後ろに飛んで躱す。鳳凰も矢を当てようと飛ばしていたが、玉藻前は回りながら九尾の狐に変わっていく中で矢を弾いた。そして、地面に着く。
「九尾の狐か・・・」
「確かに玉藻前は九尾の狐と同一と言われてましたけど・・・」
「貴方たちと戦うのならこちらの姿の方が良いと判断したまでです」
俺と鳳凰、玉藻前はお互いに見合う。俺達は武器を玉藻前に構えた状態で、玉藻前は九つの尾を揺らしながら。その状態の中、憑依している青龍から声をかけられる。
『神威、ヤツは人型の時よりも何倍も強いぞ。気を引き締めるのだ』
「なっ!?」「本当ですの!?」
俺が青龍から伝えられたことに声を上げていると、隣にいた鳳凰も驚きの声を上げた。
「鳳凰も・・・伝えられたのか?」
「えぇ・・・。いつものようにいくとは思わない方がよさそうですわね・・・」
「あぁ・・・」
俺達が冷や汗をかきつつも見ていると玉藻前の方が先に動いた。玉藻前は俺達に走ってきて前足を振り上げて、俺の方に振り下ろしてくる。鳳凰には九つの尾を動かして八方向と上から攻撃しようとしていた。
俺は咄嗟に刀を横にして、爪を受け止める。その時にチラッと鳳凰の方を見てみると、鳳凰は弓を消して小刀で相手取っていた。
俺は玉藻前のことを押し返して蹴り飛ばす。
「大丈夫か、鳳凰」
「えぇ。少し防ぎきれませんでしたが問題ないですわ」
「もう小刀でやるのか?」
「その方が良さそうですし、そうしますわ」
鳳凰は小刀を構えて答えた。俺は頷いて返す。
「行きますわよ、神威!」
「当たり前だ!」
俺と鳳凰は玉藻前に向かって走っていく。鳳凰は《疾風迅雷》を掛けて俺と同じ速さにしているため、俺達は並走して詰めていく。対して、玉藻前は九つの尾を逆立ててそれぞれの尾の先に色が灯る。
色が灯った尾の先から、火や水、風に雷。土、闇に光、妖術と呪術の玉があらわれて、俺と鳳凰に飛ばしてくる。俺と鳳凰はまず、火と水をコントロールして自分のものに変える。
その次に俺は、素早く飛んできた妖術を刀で断ち切って、土の玉をしゃがんで躱す。そして、刀に風の力を纏わせて闇の玉を真っ二つに斬る。しかし、そのすぐ後ろにあった雷の玉に気付かずに当たり飛ばされる。俺は咄嗟に地面に刀を刺して飛ばされるのを止める。そして、顔を上げて鳳凰の方を見る。
鳳凰は呪術と風の玉が当たったようで巫女服の一部に斬られたような傷があり、左腕の服が肩からなくなって肌が黒紫に変色していた。
「鳳凰!?」
「ッ・・・!神威・・・。対処が追いつきませんでしたわ」
「それはいい。魔術は?魔法は?」
「まだ試してませんわ」
「その分の時間は稼ぐ。回復しろ」
「・・・・・・頼みますわ」
鳳凰は回復するために後ろに下がっていった。俺はその前に立ち玉藻前から守るように陣取る。
「1人で私と戦うつもりで?」
「少しの間だけだ」
『神威、我もサポートするつもりだが、油断はするな』
(分かってる。頼んだ、青龍)
俺は青龍と頭の中で会話して、縮地で玉藻前との距離を詰める。玉藻前は一瞬で目の前に来た俺に驚きながらもすぐに尾と前足を使って攻撃してくる。
俺は左腕で足を受け止めて、刀で尾をいなす。足が左腕に食い込むが、その痛みに耐えつつ尾の魔法らしきもので攻撃されているので刀を使って断ち斬る。
『神威!右だ!』
俺は青龍に言われた通り咄嗟に刀を右に振るう。それにより飛んできていた呪術を斬る。もし、当たっていたら俺は刀を落として無防備になっていただろう。
俺は足を振り上げて玉藻前を空にあげる。俺も風を使ってその後を追うように空に舞い上がる。玉藻前に追いついた俺は上から振り下ろすように刀を振り上げる。玉藻前は九つの尾を動かして振り下ろす刀を受け止める。
俺は刀に体重をかけてそのまま玉藻前ごと地面に落とす。地面に落とすと、コンクリートに小さなクレーターが出来た。それと同時に少し煙が舞い上がるが気にせずにその場から離れる。
俺が鳳凰の方に戻っている時に、煙の中玉藻前が俺に何かとばしてきた。だが、前から矢が飛んできて後ろの何かにあたり俺には当たらずにすんだ。
「私が回復したからといって私にやらせないでくれますか、神威。自分で対処できたでしょう?」
「お前の弓の制度なら問題無いと思っただけだ」
鳳凰の左腕は元の肌色に戻っていた。左手には弓を持っており、右手には闇の矢を弓に構えて下におろしていた。
「小刀は?いつでもとりだせますわ。それと・・・・・・私が回復してる間に先輩達が戻ってきましたのでオロチの方を頼みましたわ」
「来たんだな。それじゃあ俺達は完全にこっちに集中できるな」
「えぇ。早く倒しましょう」
「あぁ」
俺達は改めて玉藻前の方に得物を向ける。玉藻前は起き上がって頭を左右に振る。そして、俺達のことを睨みつける。九つの尾はより色を強めて逆立てる。
本日も数あるWeb小説の中から私の作品を読んでくれてありがとうございます!これからも週2投稿を掲げて頑張っていきますので応援のほどよろしくお願いします!
よろしければ是非、下の評価マークを☆☆☆☆☆➞★★★★★にしてください!
では次回の話しでお会いしましょう!




