妖怪と怪物
「神威、私達は向こうで憑依しますの?」
「早めに終わらすのがいいだろうからそのつもり」
「分かりましたわ」
「もうすぐ着くから出しておけよ」
「分かってますわ」
俺と鳳凰は8つの首のうちバラバラになっていた4つの首のうちの1つに向かっている。俺達は宍道湖から見て南側の首へと向かっている。他には宍道湖から見て南西側の首と南東側の首、東側の首にそれぞれが向かっている。
4つの首が纏まっているのは宍道湖の西側で、倒し終えたところからその首と戦うことになっている。
俺達は首を振り回し、伝説にない氷を散らしているヤマタノオロチの首を視界に捉える。俺達はその様子を見てさらにスピードを早める。
俺達がもうすぐヤマタノオロチのもとに着くというところで、俺達は急にあらわれた剣を躱すために上に飛んで、後ろに下がる。それと同時に俺は腰にある霊剣を抜き着地と同時に構える。鳳凰の方も同じように弓を左手に持っている。
俺達は着地してすぐさま前を見る。俺達に攻撃を仕掛けてきたのは頭が牛、体が鬼の牛鬼だった。牛鬼はまるで俺達をヤマタノオロチへ行かせないように、俺達とヤマタノオロチの間に陣取る。
「神威、どうしますか?」
「先に牛鬼を倒すぞ。オロチを倒す時に邪魔されたら面倒だ」
「分かりましたわ。では、神威。私はいつも通りサポートに回りますわ」
「頼んだ」
俺は鳳凰にそう言って牛鬼に向かって駆ける。牛鬼はそんな俺達のことを見て空に向けて雄叫びを上げて、近づいていく俺のことを見る。俺は牛鬼に向かって刀を振り上げる。
牛鬼も剣を横薙ぎに振ってくる。それにより、俺の刀と牛鬼の剣がぶつかり合ってお互いに後ろに弾かれる。それと同タイミングで俺に向かって氷の塊が飛んでくる。
しかし、俺の顔横から火矢が飛び出してきて氷塊に飛んでいく。俺の少し前で氷塊と火矢がぶつかり、氷塊は溶けて火矢も消える。
「また精度上がったか?」
「上がったのではありませんわ。上げたのですわ」
「だろうな。ま、助かった」
「それは後で聞きますわ。今は牛鬼を倒すことに集中しましょう。神威に飛んでいく氷塊は私に任せてもらいますわ」
「あぁ」
俺は鳳凰に向けてサムズアップをして、《疾風迅雷》を自分に行う。俺はそのスピードで一瞬にして牛鬼との間合いを詰めて懐に入る。牛鬼は足で俺のことを蹴ろうとしてくる。
「鳳凰!」
「分かってますわ!」
鳳凰が矢に風を纏わせて、牛鬼の足に突き刺さる。それにより牛鬼は上げた足を下ろしたので、俺はその足に向かって刀を振り下ろす。俺は刀を振り下ろして、矢が刺さった右足を斬る。そうして、俺は後ろを振り返らずに鳳凰に伝える。
「鳳凰、終わらす!合わせろ!」
「全く・・・・・・もう少し待って欲しいものですわ!!」
そういいながらも鳳凰は矢を3本連射して牛鬼の後ろにあった木に、牛鬼の両手と左足を刺す。矢は体を貫通しているため牛鬼は動かすことができない。
そして、俺は刀を腰の鞘に挿れ、俺を中心に魔術陣を展開させる。
「鳳凰、空に居ろ」
「仕方ないですわね・・・」
鳳凰は憑依してから背中に火の羽を付けて空に向かう。俺はそれを確認してからより、魔術陣を大きく展開させる。そして、右手を牛鬼に向けて伸ばして魔術名を言う。
「《絶対零度》」
俺がそう言うと魔術陣が白く光輝き、俺を中心に地面を、木を、牛鬼を氷漬けにしていく。ある程度のところで止めたが、周りは白景色となってしまった。
「やり過ぎですわ。まぁ、私は神威に向かっていく氷塊に集中するだけで良かったですけれど」
「・・・・・・オロチを殺りに行くぞ。問題ないか?」
俺は刀を取り出して横一線に刀を振るう。すると、牛鬼に向かって斬撃が飛んで行く。それにより、氷漬けになった牛鬼は粉々に崩れ落ちた。
「私はあまり動いてないので問題ありませんわ。神威こそ問題ないのですの?」
「問題ない」
鳳凰は少し驚きつつも答えて、聞いてくる。俺は青龍と憑依を行いながら答える。そして、俺は青龍を真似た水の龍を作り、俺はその頭の上に乗る。
鳳凰も火で朱雀を真似た火の鳥を作り、その背中に乗った。
「向こうも分かっているのか私達に飛んでくる氷塊の量が多くなって来ましたわね・・・」
「だけども俺達には無駄なんだけどな」
「そうですわね・・・。私の場合は火で近くなった氷塊は溶けますし、神威だと氷塊は元々は水ですからコントロールできますしね」
鳳凰の言う通り俺は氷をコントロールして氷塊を安全なところに飛ばしている。鳳凰はたどり着く前に火の熱気で溶かされている。
そうして、俺達は安全にオロチのもとへとたどり着く。
「神威、降りますか?」
「いや、このまま終わらせよう 」
「分かりましたわ」
俺は水の龍に乗ったままオロチに向かって進んでいく。オロチは倒されそうになっていることが分かっているのか俺に氷塊を飛ばしてくる。俺はあまりの多さに全てをコントロールできなくなるが、俺の後ろから火矢が飛んできて、俺が制御できない氷塊を落としてくれる。
「神威は攻めてください!私が当たらないようにサポートしますわ!」
「助かる!」
俺は向かってくる氷塊を刀で真っ二つにしながら近づいていく。横から火矢が飛んでは氷塊を潰していくのを横目にオロチの顔まで行って刀を横に振る。そして、オロチの目を潰す。
オロチは目を潰されたことで、首を振り回し、四方八方に氷塊を飛ばし始める。それによって、俺が作った水の龍が霧散したが俺は咄嗟に風を使って鳳凰の元まで下がる。
「神威、流石に早計だったのではないのですか?」
「そういいながらお前だって顔を狙ってただろ」
「否定しませんわ。ですが、私は炎を使って周りを囲む予定でしたわ」
「まぁいいだろ。どうせ倒すんだからな」
鳳凰はため息をついた。
「まぁ、いいですわ。神威、炎でオロチを燃やし尽くしてますわ。手伝ってくださいます?」
「あぁ」
俺達はお互い、片手を掴んで魔法を通す回路・・・・・・パスを繋げて荒れ狂っているオロチに手を向ける。すると、俺達の足元に大きな魔術陣があらわれて、オロチの下にも同じ魔術陣があらわれて回り始める。俺達の足元にある魔術陣も回り始め、俺達は一緒に魔術名を出す。
「「《灼熱地獄》」」
俺達とオロチの下にある魔術陣が赤く煌びやかに輝いたと思えば、オロチは下から燃え上がった炎の柱に包まれる。
それでもオロチは最後の足掻きといったふうに俺達の上にとても大きい氷塊を形成して俺達の方に落としてきた。
「神威、もう・・・大丈夫ですわ。オロチは私がやっておきますから神威は上の氷塊をどうにかしてください」
「・・・分かった」
俺達は手を離す。そして、俺は上にできた氷塊のもとへ行って手をかざす。そして、炎の槍を作り氷塊へ刺し込む。俺はその槍を通して魔力を流して氷塊の中で炎をあげる。それにより、氷塊は炎に包まれて完全になくなる。
俺は鳳凰の隣に降りる。その時には既にヤマタノオロチの首は燃え尽きていた。
「鳳凰」
「神威。どうやら無事無くせたようですわね」
「おう。戻るぞ。何番目かは分からんがここに妖怪もいたということは・・・」
「向こうにもいる可能性が高いですわね」
「あぁ。だから急ぐぞ」
「えぇ」
俺は憑依した状態で《疾風迅雷》を掛ける。鳳凰は朱雀の憑依をやめて鳳凰の憑依に変えた。そして、鳳凰も《疾風迅雷》を自身に掛けた。俺達はその状態で走り出す。
本日も数あるWeb小説の中から私の作品を読んでくれてありがとうございます!これからも週2投稿を掲げて頑張っていきますので応援のほどよろしくお願いします!
よろしければ是非、下の評価マークを☆☆☆☆☆➞★★★★★にしてください!
では次回の話しでお会いしましょう!




