揺れ
「つまり、俺達愛し子と敵対する妖怪側勢力とはまた別の第三勢力がいるわけか・・・」
「そう見ていいと思うよ。まぁ、一重に敵対勢力として纏めてもいいとは思うけどね」
「そうですね・・・」
俺達はゼロ先輩達から聞いた話を頭の中でまとめる。にしても、ゼロ先輩達の話だとアーシャ先輩が一番の重症だったな。アーシャ先輩が言うには魔法が刀に吸われていったようだったし妖刀の類か?
「ところで、さっきルトが言ったことはどういうことなの?」
「そういえば天鈴ちゃんと神威君は神に力もらったって言ってたね」
「確かにな。そこは俺も気になるな」
「教えてくれますよね?2人とも」
俺はルトのことをジト目で見る。ルトは何処吹く風といったように目を逸らす。鳳凰も似たようにルトのことを恨むように見ている。
「・・・・・・分かった。言うし、見せる。鳳凰もそれでいいか?」
「・・・どのみち言うことになるはずでしたし、問題ないです」
俺はお手上げといったふうに手を挙げて全てを伝えようとする。鳳凰も少し肩を竦めながらだが、許可は得た。
「私達がここに向かっている最中に透明な壁に阻まれましたわ」
「そこに俺達4人が手を当ててみると俺と鳳凰は通れて、ルトとルーシャは弾かれた。その後、俺と鳳凰はその中に入っていったんだ」
「入ったあと私達は別々の場所に飛ばされましたわ。そこで私は四神が1柱の朱雀様と鳳凰様とお会いしましたわ」
「俺も同じで四神の1柱、青龍と応龍と会ったな。そこで、俺達は力を授かった」
こうして改めて言ってみると俺達凄いことしてるよな。神に鍛えてもらうんじゃなくて力を授かってるんだからな。
「・・・どんな力なんだ?」
「多分見た方が早いから見せる。鳳凰はどうする?」
「私も見せますわ。どちらを見せるつもりですか?憑依の方ですか?」
「一応両方だな。先に通常の方で」
「分かりましたわ」
アリャン先輩が俺達に聞いてくる。俺と鳳凰は俺達しか分からないような会話でどうするかを話し合う。やはり、先輩達はなんの事だか分かってないようでポカンとしている。
それを横目に俺は自分の周りに水の玉を生成させて周りを回るように動き回す。鳳凰は俺が魅せるように水を出すのとは違い、数個の火の玉を彼女の横につけるように生成した。
「これが普通の状態で使える力。魔法や魔術と違ってノータイムですぐに生成出来るのが魅力だな」
「そうですわね。私のこれも神威と同じですわ」
鳳凰は指を動かして火の玉を俺の方に飛ばしてくる。俺は驚きもせず淡々と向かってくる火に向かって水の玉を当てて消火させる。そして、余った水は真上に飛ばして空中で霧散させる。
「色んなところで多用しそうだね?」
「あぁ。特に火と水ですからね。相性は悪くても単体として結構使えますから」
「神威、次に行きますわよ」
「あぁ。んじゃ、先輩達。これがもうひとつの力になるから。《憑依・青龍》」
「《憑依・朱雀》」
俺と鳳凰は今回はあえて声に出して憑依を行う。
すると、下から水が生成されて俺を包み込む。鳳凰は逆に上から彼女のことを包み込むように火が生成される。お互い包まれた水と火が晴れた時には既に憑依した状態になった。
俺は紺色の和装になり、体からは青いオーラが出ている。そして、左腰には俺がいつも使う霊剣が鞘に納刀された状態で付いていた。鳳凰は、巫女服になって左手にはお祓い棒を持ち、俺と同じように赤いオーラが出ている。背中に彼女のメイン武器である弓が背負われていた。
「ん・・・・・・。これが私達が授かった力の全てですわ」
「俺の場合この状態になると常に身体強化がかかってる。といってもスピードに特化したやつだけだから力は変わってないんだけどな」
「私の場合も身体強化がかかってますわ。神威とは違って全てが一通りあがる身体強化ですわね」
俺と鳳凰以外は全員驚いていた。ルトとルーシャには会ったことは伝えたが実際に憑依したこととかは伝えてないし、見せていなかったからな。
「天鈴ちゃん、神威君。その状態になるとどんなことができるの?」
「私は火を自在に操れますわ。神威も同じように水を自在に操れますわ」
俺は鳳凰が説明している間に後ろで水を操って水の龍を作り上げる。
「こんな感じですね」
その水の龍は咆哮をあげるようにして、空に向かって口を開ける。水の龍は開けた口から水の光線を空に向かって放つ。放った水は空にあった雲に穴を開けた。
「鳳凰も簡単に何か見せたら?」
「・・・そうですわね・・・・・・」
鳳凰も俺に言われてお祓い棒を降って風を集める。それと同時に火を集める。そうして、風と火を重ね合わせて俺達の前に火災旋風を引き起こす。
「とまぁ、私は火と風を操れますわ」
鳳凰は目の前で火災旋風が起きているのをあまり気にせずに説明をしていく。俺はいつでも消火できるように、さっき作った水の龍を火災旋風に当てれるように待機させている。
「ちなみに、この火と風を使って私はこんなこともできますわ」
彼女は火災旋風を起こすために集めた火と風を霧散させて、彼女は背中に一対の羽のようにして火を纏わせる。そうして、作った羽を動かして風を使い彼女は空に飛び上がる。
その様子を見ながら俺は後ろに作った水の龍の頭の上に飛び乗る。俺は水を自在に操れるから、乗る場所の水を固くさせ落ちないようにする。そして、水の龍を操って鳳凰の隣にいく。
「もういいんじゃないか?降りて憑依を終わらそう」
「そうですわね」
俺達はゆっくりとみんながいる場所に降りていく。俺はみんなの前に降りると水の龍を霧散さて消し去り、鳳凰も羽として使った火を浮かび上がらせては霧散させて消し去る。
『《憑依解除》』
俺達は消えたのを確認してから口に出して憑依を解除させる。憑依を解除すると同時に和装と巫女服は元の服に戻る。
「これらが授かった力です。まぁ単純な戦力上昇だと考えていてください」
「・・・・・・凄かったですね」
「だな。それじゃあ・・・」
アリャン先輩が次の話題にいこうとしたら、鈍く大きな音が聞こえ地面が揺れた。
「んなっ!?」
「ま、まさか・・・・・・!ゼロ先輩!一緒に空に飛んでください!!」
「え・・・?わ、わかった!」
俺は咄嗟にゼロ先輩に風を使って空に飛び上がることを伝えた。俺も急いで風を纏って空に飛び上がる。ある程度の高さにゼロ先輩と来たところで下の出雲国を見下ろす。
下を見下ろしたら、さっきの地鳴りの原因がわかった。
「ヤマタノオロチ・・・!?」
「復活したか・・・!ゼロ先輩!早く降りて皆に伝えて作戦を立てますよ!」
「分かったよ!」
俺達は勢いよく地面に向かって飛んでいく。俺達が勢いよく地面に向かっていったため、上手いこと着地しても砂埃が舞い上がった。俺はそれを晴らすために風を使って砂埃を飛ばした。そうして、皆の方を見て一言。
「神託が始まった!急いで作戦をたてるよ!!」
俺がそう言うと全員がさっきまでの意識を切り替えて、何時でも戦闘できるような雰囲気に変わった。
「どこに現れたのですか?」
「8つの首のうち4本は1箇所に固まっていたけど、残りの4本がバラバラに別れていたよ」
俺が地図を広げている中、ミーシア先輩が聞いてくる。俺の代わりにゼロ先輩が上から見た時の首の状態を伝えてくれた。俺はその間、首のあった場所に赤いマークをつける。
「この大きな丸が纏まっているところだね。それ以外がバラバラになっているところ・・・」
「難しいね。神威君、どうするつもりなの?」
「ツーマンセルでバラバラになっている首を討伐する。それが終わったところから固まっている首の元へ向かって叩く」
「なるほどね。分け方は向こうでやってたいつもの?」
「あぁ。それでお願いします」
俺がそういうと全員が頷いた。
「妖怪がいるかもしれませんが、そこは各ペアに任せます。それじゃあ・・・全ペア向かう場所は決まったね?それじゃあ・・・・・・解散!全員またあとで!」
俺が言うと各々のペアがそれぞれの移動方法で散っていった。俺も鳳凰と共に決めた場所に向かって駆けて行く。
本日も数あるWeb小説の中から私の作品を読んでくれてありがとうございます!これからも週2投稿を掲げて頑張っていきますので応援のほどよろしくお願いします!
よろしければ是非、下の評価マークを☆☆☆☆☆➞★★★★★にしてください!
では次回の話しでお会いしましょう!




