◇VSクピディタス
「あぶなっ!?」
「そのまま大人しく当たってくれてもいいんだよ?」
「当たるかよ!!」
俺はクピディタスが飛ばしてくる火の玉を躱しつつ、自分の槍とレイピアを当てながら攻撃を受け流す。
「急に攻撃してきやがってよ!」
「なにか問題でも?」
お互いの武器を突き合いながらダメージを交換する。俺の方は左腕に、向こうは右腕へと。
「お前は何者なんだ!?」
「敵に教えるとでも?」
「それもそうだな」
後ろから向かってきている雷の玉に対して槍を半円に振り回す。半円に振り回して、雷の玉を叩ききりながらクピディタスを離させる。
舐めてかかれる相手じゃねぇな・・・。
俺は少し冷や汗をかき、舌をで口元を舐める。
「ただ・・・君たち神の愛し子たちと僕達は幾度も相まみるだろうね」
「どういうことだ?」
「さてね。これ以上は言わないよ」
クピディタスは言い終わると同時に勢いよく接近してきて上段突きをしてくる。俺は顔を横にずらして躱す。その後、すぐに斬り下ろす。クピディタスは躱すのではなく更に近づいてきて斬り下ろす前に右足を回して俺の横腹を狙ってくる。俺は振り下ろしていたため対処することができずに当たるが、それに耐え振り切ろうとする。
クピディタスは振り下ろされる前に魔術で後ろに引かれるようにして躱した。
「チッ・・・!躱すか・・・」
「魔術も得意なんだ。使わない手はないでしょ」
クピディタスは俺に対して煽るように言ってくる。
「だろうな・・・!」
俺はそれに答えながら槍を前に出して突進する。狙うは胴体だ。
「ッ!?」
クピディタスは驚いて咄嗟に風の刃を横一直線に飛ばす。
俺はそれを飛んで躱す。俺は飛んだため、突進して中段突きで攻撃するのではなく薙下げて攻撃を行う。クピディタスは槍の柄の部分に手の甲を当てて俺の槍の軌道をズラす。
槍はズラされたため地面にガンッ!と突き刺さる。クピディタスはそれにより隙ができた俺に向かってレイピアを刺突してくる。
オレは刺さらないように、刺さった槍を中心に槍の上を飛び越える。そのときに刺突してくるレイピアのことを蹴り上げながら。
「やっぱり簡単にはやられないよね、神の愛し子は」
「当たり前だろ。オレを倒すのにはまだまだ足りねぇ」
「なら・・・これなら?」
クピディタスはそう言うと同時に自分の持っていたレイピアをオレに向けて投げてくる。オレはそれを目前に迫ったタイミングで槍の先にあててレイピアを弾く。
レイピアを弾いたあとクピディタスのことを見る。が、その場にクピディタスはいなかった。少し周りを見渡してみたがいない。
「・・・逃げたか?」
いや、そんなことはないな。さっきの言い方はまるで対応できるのならやって見ろみたいな言い方だったしな。
オレは周りの気配に気を配る。すると後ろから急にとてつもない殺気を感じ取った。オレはそこに向かって水平に斬る。
───カンッ!
そんな大きな音をたてたあとに何も無い空間にクピディタスが現れた。
「後ろにでも目でもついてる?」
「あれだけ殺気を撒き散らしたら嫌でも分かる」
「あちゃー・・・。失敗失敗」
とても敵対している相手同士の対話とは思えないほどの雰囲気で会話をする。
とはいえど、お互い槍とレイピアの先を当てて鍔迫り合いしている中での会話だが。
「そろそろ引けよ」
「ヤダね。それに・・・この戦いに興奮してるでしょ?それでやめろなんてよく言うよね」
「・・・なんのことだ」
「君の雰囲気がそう言ってるよ。まぁ、そういうことだから!」
クピディタスは一度レイピアを引いて刺突ではなく振り下ろしてくる。オレは一度は躱したが、X字で斬るようにしてきたため対処が遅れ2発目は軽く斬られた。
「中々攻撃が当たらないね」
「それはお互い様だろ!」
オレは踏み込んでから、突き上げて突き下ろす。向こうは攻撃を当てたあとだったから近距離での攻撃となった。突き上げたときは対処に遅れて当てることができたが突き下ろしたときは蹴りあげられて弾かれた。
弾かれたあと、クピディタスは魔術で火の玉、水の玉、土の玉、雷の玉、風の刃をまとめて一斉に飛ばしてきた。
「さぁ、どう対処する?」
飛んでくる玉と刃はそのままオレのところに真っ直ぐ向かってこず俺の四方を囲むようにして飛んでくる。オレはまとめて対処するために槍を回転させる。回転させると玉は全て斬られ、刃は真っ二つになり霧散した。
「そろそろ終わりにするか」
「へぇ・・・」
「なんだ?」
「いや?ただ、楽しんでいるようだったからついね」
「・・・・・・お前1人じゃねぇんだろ?」
「さてね。ただ仲間はいるよ?」
「そうか・・・」
オレは闘気を練る。そして、余裕を持ってそうなクピディタスのことを睨みつける。
「凄いね・・・。そっちがその気なら僕も・・・!」
クピディタスもオレが闘気を溜めてることに気づいたのか、レイピアに魔術を纏わせ始める。
オレが闘気を練り終わると同時に向こうも準備を終えたようだった。
先に動いたのはクピディタスの方だった。オレもそれに僅かに遅れて動き出した。まず先にクピディタスがレイピアを横薙ぎに降ってくる。オレはレイピアに向けて左斜め下に向けて斬り、レイピアを弾く。
クピディタスは弾かれたレイピアをもう一度オレに向けて左右斜めに斬りあげて斬り下げた2連続の技で斬ってくる。オレも右斜め下に斬り下げて、右斜め上に切り上げる。それにより、お互いの武器同士が干渉してお互いに弾かれる。
その後、クピディタスはオレへと上段突きをしてくる。オレは今度、左斜め上にあげるようにしてレイピアを弾いたあと、驚いているクピディタスに向けて垂直斬りで斬り裂く。斬り裂くと同時にクピディタスは煙をあげた。
「・・・ダミーか」
オレは斬ったときの感触とさっきの噴射で理解した。人に近い怪物を斬ったときの感触が全くなかったからだ。なんだったらシヴァ様が一度慣れておけということで創ったヒトを斬ったことがあるから分かった。
「って、ミーヤや先輩達のところに急がないとな!」
俺はさっきまでの余韻に浸る間もなく駆け出した。
俺がミーヤが戦ったであろう場所に行くとちょうど相手が引くタイミングだった。俺は奥で血を吐いて倒れているミーヤのことを見て、引いていく相手に向けて槍を投げた。とはいえ、案の定防がれたが。
俺は急いで駆け寄ってミーヤに問いかける。
「ミーヤ!?大丈夫か!?」
「トア・・・?」
「喋るな!回復させるから黙ってろ!」
「負け・・・ちゃった・・・」
俺は苦手ではあるが使えないわけではない魔法を使って回復させる。回復魔法でミーヤのことを回復させているなかでさっきのミーヤの言葉に返す。
「次勝てばいいだろ」
「ありがとう・・・」
「別に・・・」
そう言うとミーヤは目を閉じた。俺はある程度ミーヤを回復させたところで抱き抱える。この後は先輩達のところへ行く必要があるからだ。
俺はミーヤのことを落とさないようにしっかりと抱いて先輩達が戦っているであろう場所へと向かっていく。その途中でミーヤが起きたため、顔を覗いて確かめる。
「大丈夫か?」
「ッ!?と、トア!?」
ミーヤは起きて今の状態を確認したあと顔を真っ赤に染めてトアに向けて言う。
「お、降ろして!」
「なんでだ?」
「な、なんでって・・・は、恥ずかしいから!!」
「だとしても、お前まだ・・・・・・」
「だ、大丈夫だから!歩けるから!!」
ミーヤはそう言って俺から強引に降りて離れる。俺はまだ少し不安が残ったが、ミーヤがそう言うため任せることにした。
降りてからも少しの間ミーヤは顔を染めていたが、ある程度したらいつも通りの感じに戻っていた。そうして、俺とミーヤは並んで先輩達が戦ってる場所に歩いていく。
先にたどり着いたのはアーシャ先輩の方だった。
けれど、現実は無情だった。
「あ、アーシャ先輩!?」
ミーヤがアーシャ先輩達のことを見て悲鳴に近い声で叫んだ。
なぜなら、アーシャ先輩は戦っていたであろう子の武器で体を突き抜かれていたからだ。
本日も数あるWeb小説の中から私の作品を読んでくれてありがとうございます!これからも週2投稿を掲げて頑張っていきますので応援のほどよろしくお願いします!
よろしければ是非、下の評価マークを☆☆☆☆☆➞★★★★★にしてください!
では次回の話しでお会いしましょう!




