出雲国入り
「あ、おかえり」
「2人とも帰ってきたんだね!」
俺と鳳凰はどうやら同じタイミングでルト達の前に戻ってきたらしい。戻ってきた俺達にルトとルーシャが声をかけてきた。
「おう」
「戻りましたわ。ちなみに神威。そちらの神はどなただったんですか?」
「東の守護神、青龍と応龍。お前の方もいたんだろ?」
俺は鳳凰に聞かれたのと、隠す必要がないためあっさりと答えた。そう聞いてくるということは鳳凰も俺とは別の神と会ったと推測したから鳳凰へと聞く。
「私は南の守護神の朱雀様と鳳凰様でしたわ。火と水で綺麗にわかれましたわね」
「だな」
俺達の会話を聞いていた2人がポカンと口を開けてこっちのことを見ていた。俺はそんな2人の顔に水をぶっかける。青龍と憑依したからか、憑依しなくても少しなら水を生成することができるようになっていたからだ。
「わぷっ!?」
「ひゃっ!お、お水っ!?」
「神威・・・貴方少し強引じゃありませんか?」
「そうは言ってもこの後すぐに移動するんだから呆けられていても困るだろ」
2人に水をかけた様子を見ていた鳳凰から咎められた。俺はそれに対して少し呆れながら答えた。そんな俺の様子を見て、俺のことを見ながら一言呟いた。
「・・・・・・似た者同士ですわね」
「はぁ?誰と誰がだよ」
「神威と酒呑童子がですわ」
「????」
俺は鳳凰にそう言われてより困惑した。確かに、兄弟と兄弟盃は交わしたがそういわれたことはなかったからだ。茨木童子が何か言ったのか・・・?
「そういう強引なところは似ていますわ。茨木童子さんも酒呑童子さんのことをそう言ってましたし」
「えぇ・・・」
「うん、言ってたね」
「ちなみに僕も聞いてたから間違いないよ」
言うほど強引か?確かに俺は少し強引なところはあると思ってるけどそこまでか?
「まぁ、そんなことは置いといて。2人とも、どういうことなの?二柱ずつあったってのは」
「結界の中入る。どっかに転移される。そこで会って力を授かる。以上」
「うん、何となく分かった」
「天鈴ちゃんもそんな感じだったの?」
「えぇ。私も神威とほとんど同じようなものでしたわ」
俺が答え、ルーシャが鳳凰に似ていたかどうかを聞く。どうやら鳳凰も俺と同じような感じだったようだ。
「さてと・・・そろそろ行くか。全員、行けるか?」
「少し疲れはありますけど問題ないですわ」
「僕達は待ってただけだから大丈夫だよ」
「そうだよ!」
俺が3人に聞いてみるとそれぞれ問題ないことがわかった。ただ、鳳凰のことが少し不安だと思った。それでも、俺達は行かなければならない。まぁ、鳳凰のことを気にかけて走っていけばいいだろう。
「もう少しだし強化して進んでいくつもりだがどうする?」
「私は行けますわ」
「仕方ないね」
「ルーも大丈夫だよ!」
「それじゃあ行くぞ。《疾風迅雷》」
俺の身体強化に合わせてそれぞれが速さに特化させた強化を自分に課す。鳳凰は俺と同じで疾風迅雷。ルトは電気を体にまとい、ルーシャは魔術で強化したようだ。
そして、俺達は走り出す。さっき酒呑童子やルト達が弾かれた場所を難なく通り抜けて道路に沿って出雲国に向かって進んでいく。全員が身体強化をしているため今までの倍以上のスピードで進んでいく。俺達は走りながら会話をし始める。
「先輩達はもう来てるんだったか?」
「そうだよ、神威。もう出雲入りして先に情報収集をしてくれてるって」
「2人が神様達と会ってる間にその連絡が入ったよ!」
「そうなると急いだ方がよろしいですわね!」
俺が隣で走っていたルトに聞くと、ルトも前を向いたまま答えた。俺達が話していると後ろを走っていたルーシャからどのタイミングでその情報が入ったかを教えてくれた。
そんなことを話している間に県境を超えて俺達は島根県に入る。とはいえ、島根県に入ったばかりなため出雲国とはまだ少し距離があるけど。
「島根に入ったからもうひと踏ん張りだからな」
「そうですわね。それに、この先は先輩方が待っている場所に行けばいいですわね」
「そうだね!先輩達は待っててくれてるからね」
「それにしても・・・思った以上に遠いね」
俺達は島根県に入ったからといってスピードを緩めることなく走りながら会話をする。おもにどこへ向かえばいいのかの確認だが。少し前に先輩達に連絡したら、全員が揃ってある場所で待っていると連絡があった。だから、俺達は島根に入ると同時に早めに先輩達が待っている場所に行く必要がある。
身体強化でどんどん進んでいくと、山道から入ってきた俺達は段々と交通量が増えたきたことが分かる。
「車通りが多くなってきましたわね」
「そうだね・・・。僕達も事故にあわないように気をつけないと」
「神威君、このままこの道で進んでいくの?」
「少ししたら隣の山に入って進んでいくつもりだったができるだけ車通りが少ない道路を通ることにしようと思う」
俺がそういうとほかの3人は驚いていた。確かに俺がこういうのは珍しいと思うけどそんなに驚くか?1人やルトだけならパルクールみたいに木と木を飛び移ればいいと思ってるけど。
「神威がそういうって珍しいね」
「神威なら木と木を飛び移れとでも言うのかと思いましたわ」
「なにかあったの?」
「皆して酷いな!?確かに1人だったりルトだけならそうするが」
「ちょっと、神威!?」
俺のことをよく理解していると思うべきなのかどうなのか。
俺が3人の言葉に対して愚痴りながら、1人やルトだけならっていうのを伝えたらルトから咎められた。俺はルトの責めをのらりくらりと躱しながら会話をする。
そんな他愛のない会話をしながら残りの距離を無くすように走り続けていく。そうして、日没後少ししてからようやく先輩達が待っていたところへと辿り着いた。
「先輩!」
「お、来たな」
「4人ともお疲れ様です」
「お疲れ様。とりあえず疲れてるだろうから明日に情報交換だよ」
「皆お疲れ様!はい、これ飲み物だよ」
俺が先輩達が固まっているところへ声をかける。すると、俺の声に気づいた先輩達がそれぞれ好きなように俺達に挨拶を返してくる。
アリャン先輩は片手を上げてよっという風に。その隣にはミーシア先輩がいて、俺達に労いの言葉をかけながらアーシャ先輩と一緒に俺達にミネラルウォーターを手渡してくる。アーシャ先輩もミーシア先輩と同じように労いの言葉をかけてくれる。ゼロ先輩も労ってから、疲れてる俺たちのことを見て情報交換は明日にしてくれた。
翌日。
昨日、俺達は野宿・・・するわけにもいかないので、あの神界の空間に行って寝た。といってもいつの間にかアス姉やオーさん、爺ちゃん達が増築させてたからプライベートは守られたけど。そんなこんなで、俺達は出雲国の山中で情報交換を行い始めた。
「先に俺達5年側から。一言でまとめると・・・妖怪側が何か企んでる・・・と思う」
「そっちも絡まれたのか?」
「え?そっちもって言うことは先輩達もなの!?」
ルーシャが体を前に乗り出して先輩達に聞く。先輩達は頷いて詳しいことを話してくれた。
「私達はここまで飛行機で飛んできたんだ。それまでは特に問題もなかったんだけどね・・・」
「問題はその次ですね。その後はあの神託を見る限り山の川だと思ったので電車で移動してたんですが、妖狐と戦うことになったのですよ」
「まぁ、僕達も危なげなく倒したから問題ないんだけどね」
「そうだったんですね・・・」
俺達は俺達で驚いた。俺達も玉藻前とは軽く戦闘したから分かるが妖狐はめんどくさい。おもに呪術関連で。妖怪のことを向こうが言ったから俺達もあったことを説明する。
「僕達の方も妖怪にあったよ。最初は岡山からバスで移動してるときに猫叉に襲われたね。まぁほとんど神威が倒したようなものだけど」
「そうだね!そして、その後なんだけど・・・狐の妖怪、玉藻前と会ったんだ。分かりやすく言えば九尾の狐だね」
「はぁ!?お前らそんなヤツと戦ってたのか!?」
俺達は苦笑で先輩達に返す。そうしていたらルトとルーシャが揃って特大爆弾を投げ込んできた。
「でもまぁ、その後も驚いたんだけどね!神威君が酒呑童子と兄弟盃を交わして兄弟になってたり・・・」
「神威と天鈴が神から力を授かったりしたからね・・・」
「ちょっ、ルーシャ!?」
「ルイス!?」
俺と鳳凰は慌てて止めようとしたけれど既に遅くほとんど暴露された。その時に2人揃って俺達のことを見てきた。その時の顔はすぐに忘れることは無いだろう。それほどまでに2人はニヤニヤと笑みを浮かべていたのだから。
「とりあえず、それは後で聞くとして。こっちもこっちで大変だったんだ」
「え?情報収集ならそこまで困るようなことはないと思うんですけど・・・」
「それが・・・妖怪や怪物とは違う敵対勢力が俺達4人の前にあらわれたんだ。しかも、全員が俺達と同じ人だったのもあって困惑したもんだ」
俺達は目を見開く。まさか、怪物以外にも俺達を狙ってくる人物がいることに。俺達のことを狙ってくるということは俺達が神々の愛し子もいうことを知っていることになる。
「それについて4人にも詳しく教えるね」
「お願いしますわ」
「うん。私達はこっちに来てからすぐに情報を集め始めたんだ。でも、効率を求めたから皆が個人行動で動いていたの」
「向こうはそのタイミングを狙ってきたのでしょうね。わたし達4人が別々になったところにそれぞれ現れましたわ。ですので少なくとも敵は4人いることは確定しました」
俺達は聞き逃さないようにしっかりと先輩達の会話に聞き入る。先輩達はそんな俺達のことを見て頷いては続きを話し始める。
「それぞれ敵の名前はペッターカム、インビディア、クピディタス、ゴーラと名乗っていたよ。敵が使ってきた武器は、ペッターカムが刀。インビディアが短剣と魔法で、クピディタスがレイピア。最後のゴーラが日本刀とクロスボウだった」
「ほとんどのメンバーが近距離戦だな?」
「それは俺達も思ったが全員が苦戦を強いられてな」
俺はその言葉に再度驚く。先輩達の力は知っているため圧倒的とまではいかなくても善戦できていると思っていたからだ。確かにアーシャ先輩なら魔法だからまだ苦戦するのは理解できたけど、ゼロ先輩達まで苦戦するとは全く思ってなかったからだ。
「まぁ、このあとそれぞれがどんな戦いをしたか極力教えはするけどな」
「うん!分かったよ!」
アリャン先輩の言葉にルーシャが元気よく答えて、先輩達が戦った時の様子を語っていってくれた。
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では次回の話しでお会いしましょう!




