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年明け



俺とルトは男子寮の前でアリャン先輩とゼロ先輩が降りてくるのを待っている。服装は着物の上に羽織を被っている。なぜなら、本日は1月1日元旦だからだ。この寮に入り、ゼロ先輩達も日本文化に触れたため年末年始は一緒に過ごした。とは言っても男子は男子のみで、女子は女子のみでお互いに年を越したが。


俺達、男子は俺の部屋に集まって年末毎年恒例の音楽番組を見ながら年越しそばを食べて去年を終わらせた。日付が変わった瞬間にお互いに“あけおめ”、“ことよろ”は済ましたから特にすることはないけど。ちなみに、女子はアーシャ先輩の部屋に集まってたみたい。


そうこうしているうちに先輩達が降りてきたので手を挙げて主張する。先輩達は気付いたようでこちらに歩み寄ってくる。どうやら先輩達も着物のようだ。


「・・・・持ってたんだ・・・・着物」

「あ、アハハ。親が日本に行くなら必要だろ?ってことで買うことになってね」

「俺は母がここの母校だから色々と仕込まれてな」

「アリャン先輩のお母さんってここのOGなんだ・・・・」


先輩はこちらにきてソファに座る。俺は着替えてきた先輩を見て驚いた。まさか着物を持っているとは思ってなかったからだ。それからアリャン先輩の衝撃的な事実が発覚しさらに驚いた。


「まぁな。ところでゼロさん、向こうから連絡は?」

「もうすぐで来るってさ」

「向こうも着物かな?」

「まぁ、無きにしも非ずじゃない?少なくとも鳳凰は持ってるだろうし」

「日本の大企業の娘だもんねぇ・・・・」


そう、鳳凰は子女である。それも旧家の娘だからないということは有り得ないはずだ。


されども彼らの仲間内で子息・子女じゃない子はいないため高確率で全員が着物になる可能性が高いだろう。


「外に出て待っておこう。いつ来てもいいように」

「だな」


俺達は立ち上がって外に向かう。俺達の他にも同じような考えの生徒が多いみたいだ。それが分かった理由は大多数の生徒が外行き用の服装や和装になってるからだ。


外に出て待機し、少しすると女子達がこちらに来ているのが見えた。見てみると向こうも全員、和装のようだ。


「あけましておめでとう、今年もよろしくね」


アーシャ先輩が先陣を切って言うと、お互いに新年の挨拶を言い合った。その後、近くの神社に全員で向かうことになった。


「そっちはどんな感じで過ごしていたんですか?」

「多分そこまでそっちと変わらないと思うぜ。音楽番組を見ながら年越しそばを食べてまったりしてたくらいだ」

「こちらと同じようですわね」

「まだ年末年始でこれが出来るんだからありがたいよ」


俺達は歩きながら一番近場の神社に向かっている。ここら周辺は都会だが、神社などは未だにしっかり残っているからとても助かっている。ただ、学生寮近くのため場合によっては生徒によって混んでいることが多い。


まぁ、出店が出ているから出店の人らは稼げているんだろうけど。


「でも、わざわざ神に会ってるのに祈るって違和感だよね」

「ルー・・・・安心して、それは皆が思ってるから」

「そこにツッコミ始めたらキリが無いからスルーで」


俺がそう言うと全員が微妙な顔をして肯定とも否定ともとれるような反応で返された。そうするしかないのに酷くないかな!?


「アノ列かな?」

「ぽいな。見てみると何人かは見知った顔がチラホラといるし」

「相変わらず並んでやがるな」


歩いていくとここからでも見える赤い鳥居が見えてきた。その下に視線を移すと長蛇の列になっている生徒達がいた。服装は私服や和装とバラバラではあるが。


「まだ今の時間は少なそうですね。まだ時間帯が早いからでしょうか?」

「まぁ普通に考えたらそうだよね。なにんせよ早く並ぶことにこしたことはないよ」

「そうですわね。半分が並んでおいて半分が出店に買いに行くというふうにして交代で買いに行きましょう」


俺達は最後尾に並ぶ。今日は例年より早かったおかげか待ち時間が少なく済みそうだ。並んでからはそんな会話をしている。


「誰から抜ける?」

「あ、なら私とゼロが最初に抜けるよ」

「ならルト君!ルーと一緒に抜けよ!」

「と、いうわけだから先に僕達四人が抜けるよ」


残る俺、鳳凰、アリャン先輩にミーシア先輩が頷いたことにより四人は列から外れて出店の方へと向かっていった。


「・・・・いつの間にあんなに仲良くなっていましたの?」

「さぁ?俺もふとしたら愛称で呼んでるのに気づいたから分からない」

「仲がいいことはよろしいことではありませんか?」

「少し驚いてしまっただけですわ。私にルーを束縛するつもりはありませんわ」


俺達はゆっくりと進みながらそんな話をしている。でも、本当にいつの間にかシレッと仲良くなってたのには驚いた。


「ところでアリャン先輩」

「どうした?」

「先輩って魔法とか使わないの?それこそシヴァ兄の創造の力とか」

「あー、それなー。俺は前にやってみたんだけどそういう特殊的な技はあまりできなくてな。武器とかはある程度器用に扱えるってのによ」

「要は不向きだったってことか。だから精々身体強化とかそこら辺しか使ってないわけか」

「そうだ。無理やりできないものを出来るものにする必要はないからな」

「確かに」


俺達二人が前でそんな会話をしているなか、後ろの方では昨夜の音楽番組のことを話しているみたいだ。時折、昨日出ていたミュージシャンの名前が上がってきている。すると、隣から声をかけられた。


「次、四人行ってきなよ」

「・・・・早くない?」

「まぁ今見えてる範囲しか行かなかったからね。それに今はそこまで入らないからね」

「・・・・確かにそうだった。この時間だとそうだ」


先輩は手に袋を持っている。見えてる出店ないで可能性が高いのはカステラかな?りんご飴とかもあるし俺もそういうのでいいかな。


俺達四人は入れ替わるようにして出店の方へと向かっていった。どうやら先輩達は二人で買いに行くようだ。その後、俺と鳳凰も一緒に出店を回って食べたいものを買った。


四人が待っているところに戻ると既に先輩達は戻っており俺達が最後だった。


「お待たせしました」

「大丈夫だよ。まだ少し先だからね」

「そうみたいですわね。今年は進み具合が早いですわね?」

「そうだな。けど、後ろを見たら分かるように今来たらヤバかったな」


アリャン先輩に言われて後ろを振り返って見ると最初に並んだ時よりも長蛇になっていた。これを見たら並ぼうとは思えないな。


少し待つと、もうすぐでお参りできるところまできた。流石に全員が一斉に鳴らすことは出来ないため、さっきの四人ずつに別れて鳴らすことにした。先に最初に抜けた四人がお参りした。次に俺達だ。


俺は財布から二十五円を取り出して投げ入れる。二十五円にした理由は縁が二重になるようにと願いを込めて。投げ入れた後、本坪鈴を鳴らした。二礼二拍手一礼する。願い終わるとすぐに横に逸れる。


「ちゃんと願った?」

「はい。出来るだけ静かな年になってほしいですけど無理そうだし・・・・」

「まぁ安心はできないよね。ただでさえ愛し子が揃ったんだから」

「だね!でも皆となら乗り越えられるよ!」


先に終わっていた先輩と話している。そんな中、ルーシャが暗くなった雰囲気を吹き飛ばすように明るい声でポジティブなことを言った。


「私、おみくじ引いてこようかな。良い悪いは別として」

「あ、なら俺も行きます」

「いっその事皆で引きませんか?」

「そうするか。精々数百円程度だろ」


ということで、俺達八人はおみくじを引きに向かった。全員の結果は内緒にしておくということで。


俺は引いたおみくじを開く。運勢は中吉だった。可もなく不可もなくといった具合だ。そして、下に続く項目も自分にとって重要であろうところのみを確認した。


願望:苦労した先に叶うべし。

恋愛:近くにいる人物でしょう。

学業:小さい間違いが多いでしょう。

健康:怪我は多いが、傷跡になるようなことはなし。

旅行:思いがけないところから降ってくるでしょう。

人間関係:親しい仲に裏切られるでしょう。


時折、不吉なことが書かれている内容で少し本当に中吉かどうか怪しんだ。


その後、全員でおみくじを結び寮へと戻って行った。





本日も数あるWeb小説の中から私の作品を読んでくれてありがとうございます!これからも週2投稿を掲げて頑張っていきますので応援のほどよろしくお願いします!




よろしければ是非、下の評価マークを☆☆☆☆☆➞★★★★★にしてください!




では次回の話しでお会いしましょう!

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