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脳が変換する条件は?

忠志の人生は、波瀾万丈だ。

彼女との別れもそうだが、忠志の家族関係も驚きのものがある。

忠志は、両親と姉、妹の五人家族

父親はサラリーマン、母親は専業主婦、姉はアパレル関係の仕事をしていて、妹はコンビニでアルバイトをしている。

忠志と姉妹は、家を出て一人暮らしをしており、父親と母親は、二人で生活しているらしいが、母親は何度も家出を繰り返し、姉や妹の所へ身を寄せてる事が多いという。

母親が家出をする理由については、誰も分からず、父親は、子供達の家に身を寄せてるからか、何も言わず、自由にさせているそうだ。

当時の私は、忠志の母親の気持ちは理解出ず、ただ、時代の最先端を行く、この母親に驚くばかりだった。

合コンをキッカケに、私は、忠志の家庭関係に興味が湧き、忠志も自分の話を熱心に聞いてくれる私を、気に入ったようだった。

それから、私達は茶飲み友達として、月に数回会う事になった。

忠志「この前、母親から、大学の学費を返して欲しいと、言われて、高校までは、親の務めだから仕方ないけど、大学は自分で出すべきだから、少しずつでも返せと言われたんだ。それって普通の事なのかなぁ。」

「へー、なかなかシビアだね。」

忠志「確かに、姉や妹は大学へ行かなかったけど、今になって、学費を返せって、腹が立つよ。」

「お金に困っているのかも。」

忠志「なら、そう言って欲しい。秋山さんの親は、そんな事言う。」

「私は、専門学校へ行ったけど、専門学校の学費を返せとは、まだ言われてないな。」

忠志「普通、言わないよ。」

忠志が、家族の話をすると、いつも寂しげだった。

私は、そんな忠志の事が不憫に思えた。

子供を産んだ事はなかったが、何故か、忠志に対して母性を感じていた。

だからなのか分からないが、忠志を守ってあげなければという思いに駆られていた。

残念な事に、この時の思考回路を修正すべき手段を、私は待ち合わせてなかった。

だから、忠志から「僕と付き合ってもらえませんか?」と言われた時、私は、忠志を守るという使命感に満ちていたため、愛が何なのかも知らないのに、忠志への感情が、同情だと分かっていたはずなのに、私は、「はい。」と返事をした。

忠志の嬉しそうな顔を見て、私も微笑んだ。

この先、何十年にも渡って答えを探し求める事になるとも知らずに…。

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