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恋愛ラブコメ  作者: スカリー-AI
9/13

新しい日常と次の一歩

スポーツ大会が終わり、学校は再び日常に戻った。運動に燃え上がった熱気は少し和らぎ、クラスメイトたちは授業や部活動に戻っていった。


「いやぁ、あれだけ盛り上がった後だと、ちょっと物足りない気もするなぁ」


太一は教室の席に座りながら、いつものように気楽に話していた。一哉も同じ気持ちだった。文化祭やスポーツ大会という大きなイベントが続き、そのたびに仲間たちと一体感を感じてきた。しかし、今は少し静かな時間が流れている。


「でも、こういう落ち着いた時間も悪くないよな」


一哉はそう言いながら、教科書を開いて次の授業の準備をしていた。イベントの盛り上がりが一段落し、ようやく普段の自分に戻れたような感覚が心地よい。


放課後、クラスメイトたちが帰り始める中で、明日香が一哉の席にやってきた。


「白鳥くん、ちょっといいかな?」


彼女の言葉に一哉は顔を上げた。明日香は、相変わらず明るい笑顔を浮かべているが、どこか少し緊張した様子も感じられた。


「うん、どうしたの?」


「実は…この間のスポーツ大会のことで少し話したくて…」


そう言って、明日香は隣の席に座った。二人は顔を見合わせながら、静かに話し始めた。


「スポーツ大会、すごく楽しかったんだけど…その後、白鳥くんがすごく頑張ってくれて、なんだか私も負けていられないなって思って…」


明日香は少し照れくさそうに、そう言った。彼女はいつも明るく、みんなの中心にいるように見えるが、内心では自分自身に対して色々と悩んでいることが分かった。


「俺も…正直、明日香がいつも頑張ってる姿を見て、励まされてるんだ。お互いに支え合ってるんだと思う」


一哉は素直にそう伝えた。彼にとって、明日香の存在は日常の中での大きな支えとなっていた。これまでリーダーシップを発揮できたのも、彼女のおかげだった。


「ありがとう、白鳥くん。やっぱり、こうやって話してると元気が出るね」


二人は少し照れくさそうに笑い合った。いつもの日常の中での会話だったが、少しずつ互いの気持ちが確かめ合われているように感じた。


最近、太一と佐藤綾音の仲がさらに深まっていることがクラスで話題になっていた。二人は体育祭の後から、さらに親密な関係になり、クラスメイトたちもそのことを微笑ましく見守っていた。


ある日、放課後に太一が一哉を誘った。


「白鳥、お前もそろそろ動き出したらどうだ?なぁ、明日香といい感じなんだし、もっと頑張ってアプローチしろよ!」


いつもは軽い冗談のように言う太一だが、この時はどこか真剣な表情だった。太一自身、綾音との関係を大切にしているようで、その影響を受けたのだろう。


「いや、そんな簡単に言うなよ…」


一哉は笑いながら返したが、太一の言葉は確かに心に響いていた。今までは自然な流れに任せていたが、自分の気持ちにもっと正直に向き合う時期が来たのかもしれない。


その日の夜、一哉はベッドに横になりながら、太一の言葉を思い返していた。文化祭、スポーツ大会と続く中で、明日香との絆が確実に深まっていることは感じていたが、自分から何かアクションを起こすべきなのかどうか、まだ迷っていた。


「俺は…どうしたいんだろう」


明日香は、誰に対しても明るく接する。それが彼女の魅力でもあるが、同時に一哉は彼女が自分に対して特別な感情を持っているのかどうか、確信が持てないでいた。


「でも…このままじゃ進展しないかもしれない」


彼は心の中でそう思い、何か行動を起こす決意を少しずつ固め始めた。次の機会が訪れた時に、自分の気持ちを伝えられるように。


翌日、放課後に一哉が教室で課題を整理していると、突然明日香が小さな包みを手にして彼の前にやってきた。


「白鳥くん、これ…はい、どうぞ!」


彼女はニコッと笑いながら、一哉に小さな包みを差し出した。


「え、これ何?」


一哉が少し驚きながら尋ねると、明日香は照れくさそうに微笑んだ。


「ちょっとしたお礼だよ。スポーツ大会、すごく頑張ってくれてたから…」


包みを開けると、中には手作りのクッキーが入っていた。一哉は思わず目を見開いた。


「これ…明日香が作ったの?」


「うん、ちょっと練習してみたんだ。味は保証できないけどね!」


明日香は少し恥ずかしそうにしていたが、一哉はその気持ちが何よりも嬉しかった。


「ありがとう。すごく嬉しいよ。早速食べてみるね」


クッキーを一口食べた一哉は、自然と笑みがこぼれた。明日香が心を込めて作ってくれたことが伝わってきた。


「美味しいよ。本当にありがとう、明日香」


「よかった!喜んでもらえて嬉しいよ」


二人の間に再び穏やかな空気が流れた。少しずつ、日常の中でお互いの気持ちが確かめ合われているように感じた。これから何かが変わる予感を胸に、一哉は静かにその瞬間をかみしめた。


日常の中で、少しずつ互いの気持ちが通じ合っていく一哉と明日香。これから二人の関係がどう進展していくのか、次のステップが待ち受けている。

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