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超短編ストーリー10本

美味しいタイヤ

作者: 鳥羽風来

「私のかわいい坊やは無事かしら?」

不覚なことに熱を出し、一週間ほど他の場所に隔離されていたパンダのモナは思った。

飼育係に連れられて、いつものパンダ舎に到着すると、一歳になる息子が元気にはしゃいでいるのが見えた。ホッとして話しかけた。

「ご飯はちゃんと食べてた?」

「うん、タイヤおいしかったよ」

「タイヤ?」

遊具用に鎖でぶら下げてあるタイヤを見ると、見事にかじってある。

「この子のお腹にあのゴムが!? 今すぐ吐き出しなさい」

モナが大声で取り乱していると、隣のカバ舎からカバおばさんが顔を出した。

「その子が食べたのはこれよ。タイヤは私がかじったの」

カバおばさんは、小さなタイヤのようなものをパンダ舎に放り込んだ。それは小さなドーナツだった。

「私もここであくびして水浴びして寝るだけで暇だから、ちょっとドーナツの作り方を勉強してたのよね。その坊やが、美味しいと言ってくれてよかった」

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