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ご主人たまのグルメ帳(春)

作者: サーモン横山

このお話は実は二通りありました。もう1つはとても悲しい物語になります。でも最後は、という感じなので、いずれまた。


「ご主人たま、ごはんでふ」


 全く持って困ったものでふ。何時も研究に熱中して、ご飯を忘れるのでふ。わたちが、いなかったらご主人たまは、既に骸骨でふ。てい! 喰らうのでふ。残したらしばくのでふ。


 ご主人たまに、仕えてからもう何年経ったでふかね。捨てられて死にかけていたのを救ってくれて。何もできなかった、わたちを家族にしてくれて。本当に感謝しているんですよご主人たま。だからご飯はしっかり食べるのでふ! もっと筋肉付けるのでふ!



 ふふふのふふーん。研究馬鹿のご主人たまは、掃除もしないのでふ。だから良妻賢母な、わたちがこの家を綺麗にするのでふ! この家は、わたちが守る! むむっ! エロ本発見なのでふ!


          滅殺!


 ふー。いい仕事したのでふ。次はお料理なのでふ。わたちの得意分野なのでふ。今日はお魚なのでふ。精をつけるためにレビちゃんの蒲焼きなのでふ。調味料にもこだわっているのでふ。醤油と砂糖はドリちゃんの特製なのでふ。ふふふ。どちらも壷で家が建つのでふ。いい感じに焼けてきたのでふ。脂がてかてかなのでふ。


 では、つゆを浸けて、焼くべし! 焼くべし! 焼くべし!


 ふー。部屋中に蒲焼きの匂いがするのでふ。後で魔法で消臭でふ。


 流石に匂いで気付いたでふね。階段を降りる音でふ。用意は万端でふ! 山椒にお吸い物、箸休めの糠漬けもあるでふ! では、


「ご主人たま、ごはんでふ」



 今日は特別な日なのでふ。だから特別なものを食べさせてあげたいのでふ! と言うわけで、森でふ。密林でふ。ジャングルなのでふ! もう帰りたいのでふ。虫がウジャウジャなのでふ。涙目なのでふ。しかーし! 奴を狩るまで頑張るのでふー!


 あっ! いた! まてーこらー、ですとろーい! ちっ! 避けた!? 待つでふー。大人しく食われるでふー! おらっ! ふん! あっ! また逃げたのでふ! うらー! おっ! やったのでふ! ゲットなのでふー! 早速帰って料理するのでふ!


「ご主人たま。ごはんでふ」


 このメタルゲルスライムのステーキを食べるのでふ! ……なんでふか? 食べてくれないのでふか。


 ひっく、ひっく、ぐすん。今日は特別な日なのでふ。頑張ったのでふ。あれ、食べるの? チョロチョロなご主人たま。


 愛していますよ。心から。



 はふー、仕事が増えて大変なのでふ。なんなのでふかあの女は! 全く面倒なのでふ。しかも、あと一人増える予定なのでふ!


 全く、離乳食なんて面倒なのでふ。ふふふ。楽しみでふね。それより今は、


「ご主人たま。ごはんでふ」


だってー悲しすぎて書けないしー、考えるだけで号泣してますよ。自分が。ハッピーエンドでいいじゃないですかー。

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