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無限の旅人  作者: 叶瀬囲炉裏
2/2

登校

「よし、今日も行くとしよう」


通学バックに必要な物を詰め終え、気持ちを整える。


「それじゃあ、行ってくるぞ!」


「はい、行ってらっしゃいませ」


柚希に行ってくるといいと言い、家を出て学校に向かう。



◇ ◇ ◇ ◇



この世界に来てから七度の人生を送り、八度目の人生もこの日本で現在、高校生として暮らしている。

八度目の人生もと言うのはこの世界に来て以来、一度目から七度目までの人生全てこの日本人として生まれて来ている。


その理由は、転生時に多少だが自身でどのように転生するかを選べる事が可能であり、どの国よりもこの日本が気にいった為、入った日本人として産まれるようにしているのだ。

それに、島国であれば多少の賭けもあるがある程度権力を持つことも可能だ。そして我は賭けに勝利し、現在この日本ではある程度の権力を持っている。


そして、この八度目の人生は仙都木瑠人として、現在自身の通うと言うか、経営している黒鉄学園に高校生として暮らしている為、登校しているのだが…


「よっす、瑠人!」


「あぁ、お前か、和也…」


このハチマキを頭に括り、耳に十字架のピアスと首にドクロのネックレスを付けさらに、指輪を二個嵌めているこの金髪クソ野郎は稲瀬和也。

こいつは親と御近所さんの関係であり、こいつを小さい頃から面倒を見ている。


「なあ瑠人、お前昨日渡したゲームやったか?」


「やるわけが無いだろう、何故あんなちまちまとしたもの物でわざわざ遊ばないといけないのだ」


昨日、こいつからテレビゲーム一式とカセット一つ渡され「これ、お前ん家に置いておくから、今度一緒に遊ぼうぜ!」と言って断るタイミングすら与えず帰って行き、結局押し付けられた。

しかし、我は機械系の遊びは苦手な為放置している。


スマホだって最近やっと自由に扱う事が出来るようになったのだからな!


「えぇ、せっかく買ったんだしやろうぜ」


「断る、わしは機械が苦手なのを知っておるだろう」


一応、我は一人称は我では無くわしと言っている。

昔は多少偉そうととしか思われなかったのだが、この現代社会では「何あの子ちょっとおかしい」と思われるようになる事が多くなり、一部の者と話す時以外はわしと一人称を変えて生活している。

まあ、これでも多少へんとは思われるが


「でた、瑠人のおじいちゃん発言!」


こいつのように。

その様な事を考えているとどうやら後ろから知り合いが二人走ってきているようだ


「和也、少し待て」


「おん、どうした?」


「菜澄那と杏沙が走って来ておる」


「わかった」


和也が了承し、方向転換して少し待つと


「やっほー、和也、瑠人!」


「おはようございます、和也さん瑠人くん!」


ショートボブの少女とロングヘアーの少女の菜澄那と杏沙がそう言いこちらに向かってきたのだが…


「ぜぇっ、ぜぇっ、ぜぇっ」


「はぁッ、はぁっ、はぁっ」


我が高校に向かうこの通学路にあるこの道は地獄坂と言われるほど急なさかの道な為、走って上まで上がってきた菜澄那と杏沙の二人は息を切らせて休憩している


「おっす、菜澄那。それに杏沙」


「やっほ…和也おはよう…それに瑠人も…」


息を切らしながらも挨拶をする、菜澄那。だが、もう一方の杏沙は。


「はぁっ、はぁっ、はぁっ」


まだ、完全に呼吸を整える為に休憩中だ。


「そりゃ、体力の無い杏沙がこの坂を走ればそうなるよな」


「だって…はぁっ、はぁっ、菜澄那ちゃんが…はぁっ、はぁっ、走っていったんだもん…」


息を切らしながら、そう言う愛咲。まあ、この子の性格ならそうだな。


「や〜、息を切らしながらも頑張って喋る愛咲…可愛い…」


と、説明が遅れたがこの変態発言をしているショートボブの少女が山岸菜澄那。

こ奴は常にハイテンションであり、馬鹿だが、運動神経が馬鹿みたいに高く、常に杏沙が困っている時や恥などを晒して顔を真っ赤にした時などを見るのが好きな限定的なドS少女だ。

次に、この哀れなロングヘアの少女が一ノ瀬杏沙。

彼女は杏沙とは真逆の頭脳明晰の優秀な子だが、運動神経は最悪ではないが下位に位置しているのだが、この真反対同士の彼女達は大の仲良しであり、常に一緒に行動を共にしている為、度々菜澄那の破天荒なせいで毎回このようになっている。本当に哀れである。

そして、この二人は和也と同じくご近所さんの関係であり、和也とは幼なじみだ。


「菜澄那、そろそろ毎回杏沙を弄ぶのも大概にしろよ、さも無いと親に報告するぞ。瑠人が」


「いや〜、怖い〜、お母さんには言わないで〜(笑)」


と、和也が毎度の如く菜澄那の標的を杏沙から我に変更させてきた。


「はぁ…お主ら、そろそろ毎度毎度ワシをからかうのは止めろ」


と、これも毎度の如く、言うのだが。


「え~、だって瑠おじいちゃん、可愛んだもん」


「そうだな、性格はうちの爺ちゃんと変わらないのに見た目がそのせいでそういう扱いになるのは仕方ないな」


そう言いながら二人は我の頭を撫でる。非常に不服だ。


そう、我とこの三人、特に和也との身長の差が物凄くある。

和也はだいたい百八十三センチの高身長であり、対して我の身長はおよそ百三十六センチである。つまり、和也と我は約五十センチもの大きな差があり、菜澄那と杏沙も三十センチ程も差がある。

ちなみに見た目は完全に小学四年生程なのだ。

その理由は、我が小学四年生の年齢の年に仙人になり不老になったからだ。

仙人と言う者は、どの世界にも存在する自然の気を自在に操る事ができ、食事も気を吸収する事で必要もない。自然と共に生きる超人だ。


そして、何故我が仙人になっておる理由は、我は気に入った世界に出会うとなるべくそこに長くいる為に寿命を伸ばす方法を使うのだが、そのひとつが仙人化であり、更に仙人は自身が仙人である事は仙人か同等の存在、または目や気配を探る力が物凄い者にしかバレることも殆ど無く、気を付けて生活を送ればバレることはない。

その為、ある程度時代が進み、金と力があれば生活が楽になる世の中になったと思った二百年前ほどにこの世界では仙人化をして寿命を伸ばしたのだが、ぼけていたのたどうやら十歳で仙人化をしてしったのだ。


そのせいで、身なりを良くしていると誘拐にあったり、窃盗であったりと何かしら犯罪に会うことが多々あった。まあ全て蹴散らしたがな。


「はぁ…もういい…それよりお主ら、あと三分で遅刻してしまうなぞ!」


「「「えっ?」」」


現在午前八時十七分。


「杏沙はわしが運ぶからあんすると良い」


「えっ!?」


「それとお主ら二人だが、自力で頑張れ、ちなみにもし遅刻をしたら理事長の孫としての権限を使って和也と菜澄那の課題を倍にする…」


何せもうあと、三分で遅刻なのだ。ここから高校まで徒歩で十五分もかかる為、体力がない被害者の杏沙は完全に遅刻確定だ。

杏沙を抱き上げた後、我をからかったこいつらにはそう言い残して走って学校に向かう。


「「無慈悲だぁああ〜!」」


二人がそう叫ぶ声が聞こえたが、気にせず走る。

仙人のわしは杏沙をお姫様抱っこしながら猛スピードで走り、通行人をかわして赤信号の道路を車よりも高く飛んで飛び越えることも造作もない。勿論見られるとまずい故、杏沙を含めバレないように気配を消して更には見えても印象に残らないようにしている。と言っても音は流石に自身以外は消せない為。


「きゃぁぁあーー!?」


杏沙の悲鳴が響き渡る


この日の朝、一本の道で女性の悲鳴が通りすぎて行くという謎の怪奇現象が少しの間、近所で噂になったが当の本人がその事を知ることは先の事だった

誤字脱字がありましたらご報告お願いします

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