可愛らしい少女と村
ここにきてそこまで経っていないがいろんな事があった。宝石に出会い、クズと出会い、そして隣の可愛らしい女の子と出会った。名前はプシカで、俺が速く進むたびになるべくついていこうと必死になっている姿がまた可愛らしい。だが、少し息切れしそうでもあるので、ここらで休憩をする。
「はい……先ほどは助けていただきありがとうございます」
プシカは小さな頭を思いっきり下に降ろし、お辞儀をする。こんな必死な様子がまた、可愛らしい。
「あぁ、困っている人を助けるのは当然だ。別にお礼何て必要ないぞ」
「あぁ……なんて謙虚でいい方なのですかあなたは……」
プシカは尊敬というよりも驚きの目で俺を見つめてくる。そんなこと言われても、俺からしたら当然のことなんだが……
「じゃあ行くぞ、俺は宝石を探しているんだ」
「宝石……ですか………………あっ! そういえば私、宝石の中に閉じ込められてたんです! あなたが助けてくれたんですね! ありがとうございます! あなたは命の恩人です!」
宝石を探そうと、俺が立ち上がると、プシカが俺の腕を振り回し、目を輝かせながら俺を見つめてきた。その後恥ずかしかったのか、手を離し、俺から目をそらす。やっぱ可愛いなこの子
「おっと、発見したぞ」
「これがですか……綺麗ですね……」
しばらく歩くと、青色の宝石が見つかった。しかし今度は大きい。だいたいプシカと同じくらいだ。背が低いプシカといえども、結構な大きさがある。
<実績:村を解除しました>
「あっ……見てください! 村ですよ!」
「そうだな」
おぉ! まさに俺が求めていたものだ! 人や畑、家もあるのだろう。早くそこに行って、いろいろ見てみないと。
「……人、いませんね」
「あぁそうだな」
村に入ると、家や畑などといったものが見えるが、村人は1人も見つからない。まぁ、いないってことはどういうことか分かるが……
「仕方がない。家の中に入るぞ」
「えっ……そんな勝手にいいんですか?」
プシカは戸惑いを見せながらも、俺の袖をつかみながらもついてきた。家の中はほとんど何もなく、そこに見つかったのは赤色の宝石と黄色の宝石が見つかった。
<実績:回復魔法を解除しました。使用回数は5回です>
<実績:村人を解除しました。>
宝石に触れると、村人が現れた。服装といい、顔といい、いかにも村人っぽい。
「君たちが助けてくれたんかい……?」
「いえ! 助けたのはユウイチさんです!」
プシカは手をブンブン振り回し、俺の方を必死に指さす。別に宝石に触れるのは普通の事だし、そんな褒めないで欲しい。
「おぉ……あなたは恩人です。どうか他の人も……」
「当然助けますよ」
その後、村人の宝石を見つけては、開放していった。その度にお礼を言われたが、恥ずかしいのでやめて欲しい。ただ、俺がお礼を言われる度にプシカが嬉しそうにしたので、それはそれでよかった。ただ……
「くっ……痛い!」
「パパ! 大丈夫!?」
辺りを見回すと、怪我をしている人が4人いた。このままだと死んでしまうかもしれない……どうすれば……っとそういえばこんなのあったな。
「ちょっと傷見してください」
「えっ……なんでしょうか?」
俺が傷口に触れると、傷が治っていき、最終的には怪我1つない体となっていた。さっき手に入れたヒールだが、なかなか使えるな、これ。
「あぁ! ありがとうございます! ありがとうございます!」
「あぁ! 救いだ! 俺達を救ってくれたのだ!」
「お兄ちゃん! ありがとう!」
「おっと、改めて招待しませんと。ようこそ! えーっと………………ここはファースの村です! 救世主さま!」
「あぁ、わかった。わかったからその警護
俺はその4人から感謝される。プシカも涙を流している様子だ。まったくここの連中は大袈裟だなぁ。村の皆は俺の事を救世主だとたたえている。まぁ悪い気はしないが、恥ずかしいのでやめて欲しい。まるで俺がいいことしたみたいになってるが、そんなの普通の事をしたま____
____ふん! まったくつまらん世界につまらん少年だな! これはお前の力なんかじゃない、そうだろ!
何か声が聞こえた気がする。聞こえるはずのない声が聞こえた気がする。まぁそんなのあるわけないし気にしない方がいい。そう気にしない気にしない。忘れよう。
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