クズ共と俺の天使
昨日はすごい眠れた。魔法の使用回数は1日経つともとに戻る。つまり使用回数は3回になるということだ。辺り一面は俺による物でありふれている。草木や空までもが俺のものなのだ。俺はその地面を踏みしめながら進み続ける。しかし人どころか生物がいないので、寂しい。一刻も早く宝石を……
おっ、早速見つけたぞ。今度は黄色だ。どんなものが出てくるのだろうか? まぁいい、これは俺を楽しませてくれるものだ。期待を裏切るわけが____
「きゃあああああああ!」
<実績:人々を解除しました。>
何だ? 向こうで可愛らしい声が聞こえてきたぞ。あっちだ。女のひととクズ共の声……これは助けに行かなくては。
「へっへっへ、お前兄貴に逆らうとはいい度胸してんじゃねえか」
「お前女だからなぁ。少しは手加減してやるよ」
見るからに落ちこぼれの集団に囲まれているその少女は、まさに天使だった。薄く透き通った緑色の髪に青く海のように澄み切っている目、小さく潤しい唇や薄く尖った耳は彼女を天使たらしめるには十分であった。また、小さな背丈やこじんまりとした体形、俺の手で包み切れるほどの細い腕がまた萌える。
「おい、お前ら、こんな可愛い女の子いじめるなんて最低だな」
「あ? 何だとゴラ! 俺達に歯向かうってのか!?」
悪党の内の1人は俺に対して殴り掛かった。俺はその拳を片手で受け止め、そのままそいつを放り投げると、やつは宙を一回転した後、そのまま地面に倒れこんだ。
「ぐっ……この野郎!」
やつらは集団なら勝てると思い込んだのか、一斉に俺に襲い掛かった。俺はそれを拳が当たる寸前ですべてよけ、そのまま回し蹴りを入れる。そうしてるうちに残りはボス1人となった。
「お……おい! 俺に敵うと思ってんのか!? うおおおお!」
「醜いな……お前」ボッ!
「なっ……うぎゃああああああああ!」
クズ共のリーダーは、やけになったのか、俺に特攻するが、俺はそれを見抜き、よけざまに炎の魔法を唱えた。頭の中で使用回数、残り2回ですと声が響く。
「あ……あの」
やつらを一掃した様子を見た後、天使は俺に話しかけた。それにしてもなんて可愛らしい声なのだろう。
「助けていただきありがとう……ございます。プシカ=エルフェルトです……」
目の前の天使は俺に丁寧なお辞儀をした後、その美しい名前を俺に教えてくれた。それにしてもなんて可愛くて、性格のいい子なのだろう。
「俺はハルタ、ハルタユウイチだ」
俺は目の前の女の子にできる限り丁寧にふるまおうと、優しい声使いで自分の名前を言った。
「ユウイチさん……本当にありがとうございます。あなたは私の恩人です……あなたの望みなら何だって聞きます。ですので、どうか連れて行ってください。私の……勇者様」
プシカは俺の袖をつかみ、引き込まれるような瞳で俺の目をじっと見つめ、袖を何度か引っ張る。こんなかわいい子に頼まれたら断れるはずもない。
「もちろん、よろしくな、プシカ」
「はい! ユウイチさん!」
俺が歩くと、プシカはなるべく大股で俺の後についていった。離れないようにと必死に頑張っている姿がなんとも愛くるしい。俺達は次の宝石を探すためにとまた歩き回るのであった。
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