1.
初投稿です
いつものバイト終わり、店長と話し込んで少し遅くなってしまった。やばいなぁ、明日の文法当たりそうなんだよなぁ…1ページも解いてないわぁ…
急いで帰ろうと、普段ならば通らない神社横の細道を通る。神社の横だというのが関係しているのかはよく分からんが、街灯が少なくいつもの通りより少し薄暗い。
…気の所為かな、道の真ん中あたりに人影がぼんやり見える気がする。
うわぁ、凄い嫌な予感がする。こういう時の利沙子の勘は基本的によく当たるのだ、全くもって嬉しくないが。
目を合わせぬようにして、ごめんちょっと通るよ〜気にしないでね〜と横をすり抜ける、すり抜けようとしたとき、左側の指先に何か生温いものが当たった気がした。
気の所為だと思いたい、がしかし間違いないだろう、ヌメヌメしてないだけ今回はマシか…?
とりあえず確認の為左を向く、オッサンと目があった。
「……」
「………」
(あーーっ、これは間違いないわぁ…)
大層ご立派な胸毛が見える。ギャランドゥである。正直ギャランドゥが何なのかイマイチ分かってないが、まぁあんまり気持ち良くはない毛なのだろうな…ぐらいの認識である。後でグーグル先生で調べよっと。利沙子予想では、胸毛から下の毛まで広範囲に渡っての茂みをギャランドゥと言うのではないかと予想している。
利沙子がギャランドゥに想いを馳せている間に触れている何かが少しずつ硬度を増して来ている気がする、本格的にヤバい、何がヤバいとは言わないが、強いて言うならばナニがヤバいのである。もちろん利沙子の事ではない、お隣で息を荒げていらっしゃる彼のナニである。
今日も今日とて魚が釣れる。世界は平和だ。
ただいま絶賛、露出がご趣味の高Lv.プレイヤーと遭遇中の佐久間 利沙子、彼女の友達は彼女のことを敬意を持ってこう呼ぶ、「変態ホイホイ」と。
そりゃもう一年に2.3度なんて頻度ではない、月一、多いときは週一である。
もちろん利沙子にも、夏場のハエのように群がって来る奴らを怖がり、可愛らしい悲鳴をあげていた時期はあった、しかしそんなものは遥か昔である。
多いときは週一で来るのだ、もはや家で母が頼んでいた生協と同じ頻度である、一々リアクションを取っていては生きていけない。
もちろん利沙子もいっぱしのJKだ、恋とか結婚には夢を持っている、しかしある程度見続ければやはり見慣れるモノで、奴らのムスコ、あけすけにいえば男性器に対し、基本どんな形状でも驚かない耐性がついてしまった。
(う…ん、今日の奴は…42点ってとこか…?)
もはや驚くことは滅多になく、冷静に育ち具合を判断することができる。
そして今のところ彼女基準で高評価である90点を超えるブツをお持ちの方は5人ほどしか現れていない。
意外かもしれないが、奴らは執拗に自身を売り込んでくる割に、そこまでご立派なモノをお持ちの訳ではないのだ。きっと見せると言う行為自体が大切なのだろう。気持ちは全くわからんが。分かりたいとも思わんが。
(…?)
見られている。
決して目を合わす気はないが、見られている。
(…ああ、批評か?)
「…」
「……」
「…ホントに勃ってんの?」
「…!!」
ボソッと呟く。
思わず口から出てしまったらしい、利沙子の顔からサーッと血の気が引いていく。
やった、完全にやった。
この手の輩は逆上すると面倒くさい。大人しく褒めておけばよかった。
案の定男が顔を青くし、フラついて2.3歩後ろに下がったあと、今度は真っ赤に染まった顔で手を上げてこちらへ向かって来る。
利沙子も後ろへ下がるが、神社の塀がありそれ以上逃げる事は出来ない。
男の高く上げられた右手に、不気味に光る何かが見えた。
(あぁ、どうせ死ぬなら、苦労性の長男と血の繋がらない野生児四男、2人の結末を見てから逝きたかっ…–––––)
生協というかコープですね。忙しいママン達がトラックで野菜とか届けてもらうアレです。
例のBL、わかる人には分かるかもしれない