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仕事をクビになったら、異世界から来た女の子を捕まえることになった  作者: 藤原・インスパイア・十四六
刀の少女
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女の子を捕まえる簡単なお仕事です。

※投稿後、編集をしています。

 ①1話目の内容を修正した事

 ②1話目が長かったので、2話分に分けました。

 ③前書きを一部編集しました。


これが初の投稿となります。

現2018年の10年程前、ニコニコ動画やYou Tubeなどで二次元キャラクターに対して「俺の嫁」と言うのが流行っていた時期がありました。

みんながみんな「俺の嫁」と言ってるけど、アニメやマンガのキャラクターが本当に実在したら、一夫一妻制の日本では大変なことになっちゃうのかなー。と思ったのが、この内容を書こうとしたきっかけです。

結婚できるとしたら、どんな方法で…?等色々と妄想をしていて、戦争まで発展したらどうしよう。そんなことを考えて物語を作るとしたら、始まりはどんな始まり方なのか?



面白い内容が書ければと思います。

 昼下がりの雲1つない青空。

 見上げてもこの涙を流してくれる雨は降りそうもない。


 (そう!夏だからな。夕立でもなければ、雨なんか降らないんだ)


 悔しいのかアホらしいのか、今の感情がどこにあるかも分からず、ただただ鼻水をすする木崎。


 (自分でも何が起こったのか分からない。ただ、なんなんだ あの女は…!!)


 目を閉じると長い髪の毛を後ろで結び、パンツスーツを着た黒目がちな若い女性が木崎の腕を掴み、『痴漢!痴漢です!この人痴漢です!!』と必死に叫ぶ映像が浮かぶ。






 駅を出てすぐの歩道橋の階段を降りていると、電話が鳴った。取り出したスマホの画面に映る相手の名前に嫌そうに顔をしかめながら、木崎は渋々それを耳にあてる。


 『はい。木崎です』

 『困ったことをしてくれたね。木崎。こんなこ…』


 スマホから聞こえる上司の声が右から左へ耳をすり抜けていく。


 (怒ってるなぁ…。青筋を立てた上司の顔が目に浮かぶようだ。今更ながら分かったことがある。俺はこの上司とは反りが合わなかったんだろうな。俺の言い分なんか聞いてくれやしない)


 どれくらい経っただろうか…言いたいことは終わったのか、上司の怒鳴り声はようやく落ち着いた。スマホ越しに上司は1つ咳払いして思索に耽る木崎の意識を引き戻した。


 『残念ながら、君は懲戒免職のようだ』

 『そうですか』


 予想通りの展開に木崎は反論する気力さえわかない。


 (警官が冤罪に巻き込まれるなんて…なんて皮肉なんだ)


 『だが、木崎。君は運が良い。お前みたいな奴でも斡旋先があるようだ』


 そんな木崎の内心を知る由もない元上司の得意げな声が話を続ける。


 『住所を送るから、そこへ行けよ。あとそれと、お前のスマホは警察からの貸与物だから絶対返せよ。返さなかったら窃盗だからな。民間人』


 電話が切られる。


 ブチッ!プープープー


 (こんな旧式のスマホなんていらねぇよ!はぁ~…。俺まだ2回目の厄年じゃないはずなんだけどなぁ…)







 スマホに送られた地図に従って烏丸通りを南へ下り、京都老舗のお香屋の本店の横を通り、御池通りも下る。

 そして三条通りを東へ入り通りを2つ目の所。三階建てのレンガ造りの建物がそこにはあった。


 (ここが俺の新しい職場か。俗にいうモダン建築物ってやつか)


 重そうな木の扉を開けると、木を基調とした壁や床。歩く度に軋むような音がするが、中は磨かれたようにツルツルとしている。


 (小学校の床もこんな感じだったかな)


 入ってすぐに大広間のようなスペースがあり、2階まで吹き抜けで天井には白と茶の格子が施されている。

 その大広間では荷物整理をしている男がせっせと動いていた。

 従業員であろうその男に木崎が声をかけようとしたその時、


 「木崎くん、来ると思っていたよ」


 部屋の隅にあった細い階段から眼鏡をかけた男が下りてきた。

 髪は耳を覆うぐらいの長さか。


 「あんたが社長?若いね」


 木崎が挑発的に言うも、男は眉ひとつ動かさない。


 「善行寺と言う。さっそくだが、仕事だ」

 「雇用契約書も結ばないのか?」

 「こちらは試用期間として捉えている。まぁ、元警官の痴漢犯を雇う先が他にあるとも思えないが…」

 「なっ!」


 善行寺が荷物整理中の男の首根っこを掴んだ。


 「コイツが案内するよ」


 よろしくお願いします、と軽く頭を下げる男。


 「大町と言います。木崎さん、すぐに出ます」


 姉小路通りに面したあたりに駐輪場がある。大町から流線型のヘルメットを渡され受け取る木崎。


 「チャリで行くのか?」

 「パトカーとかはないですからね」


 ムッとしながら木崎は自分にあてがわれた自転車を持ち上げる。


 (カーボン…か?軽い素材が使われたクロスバイクか。高そうだな…。)

 

 大町に続いて自転車を漕ぐ木崎。

 御池通りに出て寺町通りへ入り、丸太町を東へ折れ白川通りへ入ったところでクロスバイクを降りた。

 周辺を確認する木崎。


 「この辺りか?」

 「はい。善行寺さんの予想ではもうすぐ…」


 その時、丸太町白川を東に100m程いった辺りで甲高い金属音の後に爆発音がする。


 キキキキ…!!ドカンッ!!


 「なんだ…!!今のデカい音は何だ!!」

 

 木崎が驚き辺りを見回す。


 「え!?音!?」


 大町は慌てながら、何やら色の薄目のサングラスを付けた。


 (あれは、最新型のサングラス。音も聞こえるし、ナビモードとかのレンズがディスプレイ代わりにもなる代物じゃないか。あれ、高いのに。こいつそんなにもらってやがるのか…)


 木崎が首を横に数回振る。


 (いやいや、今はそれどころじゃない。音の出所はなんだ?)


 「木崎さん、今何か聞こえたんですか?」

 「はぁっ!?何を言ってやがる」

 「音のした方に行きましょう!案内してもらえますか?」


 (何を悠長なことを…。いやいや我慢しろ。俺。まだ試用期間なんだ。試されている可能性も含めて動かなくては)


 「こっちだ」


 木崎の案内で爆発音のした方へ向かう二人。


 「ここですか…?」


 大町がそう言いながら辺りをキョロキョロしている。


 (さっきの音は何の音だったんだ…?始めに聞こえた音。金属と金属が擦れるような音…。金属のカッターで同じ金属の物を切るような…。次の爆発音は…。火薬のそれとは違う。重く硬いものを上空から落としたような落下音にち…)


 木崎の頬を突風が掠める。


 「木崎さん!!」


 木崎が突風を感じた頬に手をやると、手に血がついていた。


 (な なんだ…!!)


 腰を低くし、重心を下げ、辺りを見渡す。前方何かが動いているような感覚に襲われ、目を凝らす。

 目を凝らした先には、丈を膝上程にした和服を着た少女が。

 そう認識した瞬間少女が自分に向かって突っ込んできた。


 抜刀。

 明らかな殺意。


 そう感じたと同時に身体が左に弾かれるように飛び退いていた。

 上体を起こし、また重心を低くする木崎。視線は少女から目を逸らさないまま。


 「大町!あいつ何だ!!」

 「木崎さん!見えてるんですか!」


 (ああ、残念なことにうっすらだが、見えてやがるよ)


 少女が自身の肩に刀を預けた。


 「大町!なんだあれは!あの女の子、目がデカいぞ!」


 少女が高く跳躍。

 ここから斬撃を振りかざしてくるかと思ったが、連続した前宙により遠心力が増した斬撃。

 するどい斬撃!


 「くあっ…!」


 木崎が後方へ跳び退く。

 流線形のヘルメットが真っ二つに。と、同時に爆発したかの様なアスファルトへの刀の衝撃。


 ドゴンッ!!


 (さっきの音の正体はこれだったのか!)


 「僕たちはビッグアイと呼んでます」


 (うるせー!今はそんなことより)


 「どうやってアイツを確保するんだ!」

 「えっ!?確保ですか?!」

 「そ そりゃ、銃刀法違反だからな」

 「こんな時に木崎さんは…」


 少女が刀を握り直す。


 「むらま…さ…」

 「…?」

 「木崎さん 一旦この場は放棄します」

 「民間人が先だ!みんなを避難させるんだ!」

 「もう手配済みです。このエリアに民間人はいません!さあ早く!」

続きを書いていければと思います。

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