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堕ちた王子の逆襲~レアな称号を取ったばかりに~  作者: あさお
第15章 就任式
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当主の決断

当主、何故か俺たち以外を人払いした。何か目的でもあるのだろうか?

当主の寝室には俺たち以外誰もいなくなった。すると当主はベットのすぐそばの棚から黒い鳥の巣箱っぽいものを取り出した


「なんですか、それ?」


しかし疑問に思ったのは俺とリアだけらしく、他の仲間は驚いた視線でそれをみて、唯一呆れたような顔のシムが


「【密約の小部屋】を出してくるとはの、誰かの覗き見を警戒しているのはわかるが、それはさすがに用心しすぎではないか?」


少し笑って、当主は俺の方に顔を向け


「これは魔法のアイテム【密約の小部屋】というものだ、これを使うとその発動した部屋の覗き見は例え情報を全て握っていると言われている」


ちらりとシムを見て


「蟲の神であろうと覗き見をする事は出来ない」


俺もそれを聞き、シムを見ると、シムは頷き


「そうよな、このアイテムは蟲の神対策として作られたものじゃからの、しかしその効果故か、貴重な鉱石等と強力な魔法を付与しなくてはならなくての、それ故にものすごく高い」

「そうなんだレオ君、俺もさすがに一つしか持ってない」


そう言うと何やらその巣箱に力を込めた、すると巣箱はバラバラに砕けちり、その壊れた巣箱から黒い靄が寝室の外壁に隙間なく漂いはじめた


「これでよし」


そう満足そうにうなずくと、重たげに体をおこし、ベットから出てシムの前に立ち、シムにひざまづくように頭をたれた


「なんの真似じゃ、ジャック」


さすがにシムもジャックの行動に疑問を覚えていると、ジャックは頭をたれたまま


「今だけあなた様を名称で言わせていただきます。古宗六大神たる蟲の神よ、私が生きている間にあなた様にお礼が言いたかったのです。昔鼻っ柱が高かった私の鼻をへし折り、際限のない恐怖をお与えくださりありがとうございます。あのお陰で私はこの年までこの家を守ることが出来ました」


シムはしばし目を瞑り、そして自らの全身に神気を放った


「余がそなたにしたことは、余の寝所に入ってきた愚か者に二度と余に刃向かう事のないよう恐怖を与えただけのこと、そなたに感謝されるゆわれは余にはない!」


そのおどろおどろしい神の気配で、リタとサーリーはその場でへたりこみ、リアは即座に鎧に変化して逃げるように俺に装備した、ザキアはさすがに何とか持ちこたえたようだったが、獣化して壁際まで下がり、カルサはなんと俺を盾にするように、俺にすがりかかってきた。

しかし俺だけは何故かそのおどろおどろしい気配は感じるのに、一切の恐怖は感じなかった。

そしてその神の気配を一番受けているであろう当主はそのまま頭を下げた状態で


「私が感謝しているだけのことです。あの時はありがとうございました」

「ふん、勝手に感謝しておれ、で、そなたは余に感謝するためにこのような事をしたのか」


当主は頭をあげることなく


「恩義を感じている我が身そしてその恩義を返していない身なれど、もう一つお頼みしたい事があります」


そう言うと咳き込み吐血した、しかし起き上がる事なく、口から出した血を拭ってから


「蟲の神よ、どうか、死にゆく我が願い叶えて下さいませ」


そう言うと頭を上げてシムの顔を直視した

何とか夜勤から日勤の睡眠不足から持ちこたえた。うーむ。昔はなんともなかったのに、年とは辛いものだ

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