竜子の正体
屑王子と違って、人気者の、竜子ちゃん
「何か、ご用でしょうか?」
金髪の若い細身の青年が、営業スマイルで話しかけてきた。
「この・・・」
はっと気付き、懐の中に入れておいた紹介状を握った状態で、ある考えが浮かんでしまった。
(この紹介状らしきものを渡して大丈夫なのか?あの性悪な幼女の紹介状だぞ‼
もっとひどい地獄にたたき落とされるんじゃないだろうか?)
受付の青年が心配そうな顔をして
「どうなさいました?」
(どうする!どうする?えーいままよ)
「いえ、龍神竜子なる者から、紹介状を預かっていまして!今出しますので、見ていただけませんか?」
「「「ざわ!」」」
ギルド内の空気が変わった!
「龍神様の紹介状ですか?本物かどうか確認したいので、見せてもらっても、よろしいでしょうか?」
店員さんが、震える声で言ってきた!
(この対応!魔界の重鎮というのは、本当か!
この紹介状、大丈夫なのか?)
「今、出します。」
懐から紹介状を出し、震える手をした店員さんに渡した。
店員さんは、後ろの棚から銀色の液体が入った、瓶を取りだし、紹介状の止めに張ってある紋章に銀色の液体を垂らした、すると
《ピカッ》
紋章が金色を輝いて、十秒位で光が収まっていった!
「本物のようですね。申し訳ありませんが、この付近のギルド長に確認をとらねば、私には対応する権限がありません。ギルド長に確認をとるまで少し待ってもらわねばなりませんが、大丈夫でしょうか?」
「はい!わかりました。この辺の椅子に座って待ってればいいんですね。」
「そうですね。それでお願いします。
飲み物を出しますので、申し訳ありませんが、少しお待ち下さい。」
店員さんが、俺にお茶を出してから、奥に引っ込んでしまった!
「おい!」
ドワーフのおっさんが話しかけてきた。
「龍神竜子様にあったのか?どうだった?あの凛々しい、お姿だったか?」
目が尋常じゃない!
「どんな状態が凛々しい姿なのかは、わからないが、わたしの前に出てきた時は、着物っぽいかっこうだったぞ!」
「ということは、お遊び中か!
大丈夫だったか?あの方は、普段はまじめなんだが、仕事以外は破天荒で、周りを考えて下さらない。」
同情の視線があちらこちらからあった!
(魔界で人気があるのは、確かみたいだな!
振り回されてもいるみたいなんだが、あの状態はどっちの顔なんだ?)
「それは・・・」
「すいません。遅れました。申し訳ないのですが、奥にきてもらえませんか?
この辺のギルド長に連絡が取れましたので、こちらの部屋で話をお願いいたします。」
店員さんが、後二人の店員さんを連れて現れた!
(げっ!二人も追加、こりゃ、逃げた方がいいんじゃなかろうか?)
腰を浮かせながら、逃げる算段を考えていたら、
「逃げなくても大丈夫ですよ。あなたの身の安全は全冒険者ギルドが保証します。話をするだけです。」
(ちくしょう!そんなことを言われると逃げれなくなるだろうが!
頼む!何事も起きないでくれ!)
諦めて、店員さんについて行き、奥の部屋に向かった。
なかなか思うようにかけていません。すいません。頑張ります。