村人は親切
少しは人間の優しさがわかったかな?王子様
苦労して着いた村を危険回避の為、外から全体的に見ようとしたのだが、どう見ても昔見た地上界の村とあまり変わらないように見えた。村の外周には手入れの行き届いている畑もあるし、なんか魔界のイメージがドンドン壊れていく。
(魔界なのに、生産とか普通にしてるのか?)
見える範囲で村の外周を見てみると、石みたいなものできている変な支柱が村を囲む様に4つ立っているように見えた。
(なんだあれは?)
気になる点はまだまだ多々あるが、とりあえず、今は村のなかに入り生きて地上界に帰るため情報収集をしようと思い立った。そこで村の中に入ってみると
(なんだ!この村は‼)
骸骨姿の多分スケルトンらしきものが普通に人族の住民と話している、かと思えば、オークが露店商相手に交渉をしている。
(確かあの文には人種に区別はないって書いてあったが、死者も関係なしなのか!)
もう何が何やらと思いつつ、それでも地上界帰還の為、情報欲しいため、近くでお茶を飲みながら休憩をしている普通の村人に話かけた(人族)。
まずは無難に
「こんにちは。すいません。ここはなんという名の村何ですか?」
なんか子供の時のことを思い出しながら軽い挨拶してみたが、どうだろうか?
「えっ?この村の名前を知りたいのですか?あ~なるほど魔界初めての人ですか!」
(ドキッ!一発で気づかされた!こんな時はどうすれば?)
「いや、その・・・」
集団で殺されるのではと恐怖を覚えたら、その人は笑顔で
「いやいや、そんなにびくつかなくても大丈夫ですよ。時々いるんですよ。無理矢理魔界に送られる人は。」
「そうなんですか?」
「ハハハ、はい色々地上界とかで追放され死刑がわりに、ここに送られる人がいるんですよ。ここは地上界の捨て場ではないと言うのに困ったものです。」
(そうか、魔界に無理矢理連れてこられるのは、そこそこいるのか)
「ここ魔界は実力が第一です、しかし追放とかされてきた人は地上界と同じルールでやろうとします。そんなこと魔界では意味がないのに、ここではそれなりに頑張らないとやっていけません。」
「では、貴殿方も?」
「私は村ごとの移住ですよ。色々ありましてね。おっと話に夢中になりすぎて大事な事を忘れておりました。ここは最終の村ゴドブです。」
(話が通じる・・・・
よかった。これなら、なんとか情報収集できそうだ。)
「なら、ここ魔界から地上界に戻る方法わかりませんか?」
神にも祈る気持ちで聞いてみた。しかしその村人は頭を振り
「すいません。そういう情報は情報屋で買うのが、魔界のルールとなっています。私はその答えをある程度知っておりますが。しゃべると、ペナルティを受けるため、話せません。」
ルールならばこの人が悪いという訳でもないのに、さも申し訳なさそうに謝ってくれた。
(では何を聞こう?
うーん?そうだ‼)
「この村に、冒険者ギルドらしき物はありますでしょうか?」
「ああハイハイ、冒険者ギルドならありますよ。この道をまっすぐ行って右側にこの村では立派な平屋建ての建物があります。そこですよ。情報屋もあるので情報の仕入れもできます。」
ニッコリとして話してくれた。
「ありがとうございます。」
何年ぶりだろう。人に心から感謝したのは!
私は頭を思い切り下げながら思った。
なかなか難しいですが、よろしくお願いいたします。