求婚?
道具屋は何故か繁盛していた。
「すいません、売買の用がある人は順番で対応しています。」
定員さんが大声を上げていた。
(ふむ、まだ早いし此処で待つか。)
「すいません、順番待ちますから、どうすればいいですか?」
「この順番札をお持ち下さい。」
22と書かれていた。
1時間ほど道具屋の中で待っていたら、
「22番の方、お越し下さい」
(お、呼ばれた、庶民はこうやって待つんだな、なんか新鮮だ‼)
急いで受付まで向かった。
「すいません。この時間帯は、いつも忙しいんです。何の御用でしょうか」
「道具を売ろうと思いまして。」
リュックからピンクのポーション、オーク語の本、岩塩を取り出した。
「こちらですね。ちょっと待って下さい。あれ?これは誰かが中級鑑定してますね。フムフム、合わして、金貨1枚、大銀貨3枚になりますがよろしいですか?」
(庶民ぽい事をしてみよう。)
「道具屋のお兄さん、ここまで待ったんだから、もう一声‼」
「上手いですね、わかりました大銀貨もう1枚足しましょう!」
ラッキー
売買して金を手にいれた
「もう御用はありませんか?」
「後、馬がほしいので、大体いかほどか教えてくれませんか?」
「馬ですか?どんな馬がいいですか?ここ魔界では、意識の伝達ができる生物は、皆、魔界の住民です。しかし、意識の伝達が出来ない生物は家畜と一緒ですので、色々な生物に乗れますよ。」
(色々ってどんな生物なんだ)
「今は金もないので、普通の馬でいいです。いかほどですか?」
「ふむ、ただの馬なら一頭大体、高金貨五枚位ですね。」
「なるほど」
(やっぱり高いなー)
「まだ御用はありますか?」
「とりあえず、もう今日はありません。」
礼を言ってから、ギルドに向かった。
ギルドも大盛況だった。
(道具屋もギルドもこの時間帯は避けよう)
キョロキョロしたらカルサちゃんがまた本を読んでいた。
(忙しくても、ぶれないなー)
感心してると、視線に気がついたのか、本から顔を上げ此方に視線を向けた。
ちょいちょい
手招きしている!
(私か?)
自分自信に指を指すと
ウンウン
頷かれた。
(またからかわれるのかな?しかし逃げると後が怖い。)
仕方なしにカルサちゃんの方に向かった。
「カルサちゃん、何か用?」
「ちょっと一身上の都合で頼みがあるんだけど、頼みを聞いてくれると嬉しい。」
(なんだろう?やな予感がする!しかし聞かない選択肢は選択出来ない。)
「聞いて、私に出来る事なら大体するよ。」
言った瞬間、何故か頭の中で警鐘が鳴り響いた!
(なんか大失敗したような)
「なら言うよ。」
カルサちゃんは息を大きく吸って
「僕をもらって」
時が止まった!
あれだけうるさかった、ギルドホール内が静寂に包まれている。
(今、何があった)
ギコギコした仕草で、回りを見ると、ギルドホールにいた全員が私達を見ていた!
「カルサちゃん、ドウイウコトナノカナ?」
予想外過ぎて頭が追い付いてこない。
「僕を君のパーティーに入れてほしい。僕のレベルではもう1界層にいるのは限界なんだ‼でも僕は1階層に大事な探し物がある、だから誰かのパーティーに入らないといけない!だから頼んだんだけど?」
冷静になってきた。
(多分、魔界のルールで1界層に居られなくなってきたんだな?どういうルールかわからないが、パーティーに入れば大丈夫ってことだろう。)
いまだに静寂の包まれてるなか
「なら、私じゃなくてもいいだろう?私は魔界では新参者だし」
(この話を受けては駄目だ‼多分、自由がなくなる‼なんとか回避しなくては。)
「レオ君と僕の相性も良さそうだし、僕尽くすよー」
(カルサちゃん、その言い方はヤバい‼)
回りの目が
『ロリコン死ね』
って言っている感じがする‼
「いや、私じゃなくても、ソームさんとか、クリーガさんとか、ここの回りにもこんなに冒険者の方がいるから」
なんとか回避したい為、色々な人を出したが、それが失敗の元になった
「僕じゃダメ」
泣きそうな顔でこちらを見ていた。
回りを見なくても分かる‼非難の目が私に突き刺さっている。
(今、拒否したら私の味方はなくなる‼この状態でボッチは自殺願望と同意だ!)
ツモられた。
諦めて、なるべく笑顔で(心は泣いています)。
「わかったいいよ」
そう言わないといけない状況に追い込まれた。
わ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
回りから喝采が鳴り響いた!
「カルサ頑張って」「泣かされたら教えろよ」「結婚式には呼んでね」と、回りから祝福された!
(最後の一言は余計だ‼私はぼんきゅぼんの女性が好みなんだ‼)
「情報屋の受付はどうするの?」
死んだ目で聞いた。
(少しでも後にしたい。)
しかし世界は私に優しくなかった。
「今すぐ辞めても、明日には代わりの人材が来るから大丈夫だよ。」
最後の希望もたたれた。
「ではまた後でね」
全ての不幸がのしかかった用な感じで、フラフラしながら、凄い視線の中、クリーガさんの方に向かった。
「聞いてましたよ、おめでとうございます。」
回りからも一斉に、「「「おめでとう。」」」
クリーガさんは凄く嬉しそうだ(多分、カルサちゃんのお守りが苦しかったんだろう)回りはただ楽しいだけだろ!
殺気を向けて。
「ありがとうございます。変わってあげてもいいですよ」
クリーガさんは冷や汗をかきながら
「いやいや、今の状況で変わると、私も含めてカルサに殺されますよ」
(確かにありそうだ。)
ヤバそうな話は止めて、本件を語った
「仕事を終わらせて来ました。確認をお願いします。」
退治カードと依頼書を出して言った。
二つを確認し
「はい、お疲れ様でした。Dランクの仕事、完遂を確認しました。報酬です。どうぞ」
金貨二枚を出してきた。
「それと、一つの依頼が終わる度に、ステータスの更新を調べないといけません。冒険者カードをこの紙の上において、手を押し付けて下さい。」
(更新か?多分レベルとかだろうな。)
深く考えず、冒険者カードを出して紙の上に置き、手を押し付けた。
ピカッ
ちょっと光、すぐに治まった。
「どうですか?何か変わってますか?」
クリーガさんが急かすなか、確認すると、
「あれ?スキルが増えてる?」
スキル項目に、『初級二刀流』って書いてあった。
クリーガさんも覗いて見て、
「二刀流ですか?才能があったんでしょうね。」
軽く誉めてくれた。
「さてレオ君に対してギルドから仕事があります。この仕事は1階層のギルド総意であることを、知らせておきます。
本当なら、レオ君にも拒否権があるのですが、この仕事はギルドからの強制です。理不尽と思われるかも知れませんが、諦めて下さい。」
(なんだそれは、面倒な事を頼まれそうだ、しかし、ギルドの総意では、これからの事を考えれば逃げるわけにもいけない。)
「では仕事内容を言います。前払いで白金貨1枚、成功報酬で神金貨五枚出します。」
凄い金額に息を飲んだ。
とりあえず二章終了、少し本編を休みます。