第七話 恭介と国王とおまけに鬼帝王の話
今回はちょっと短めです
オーガエンペラーを撃退?した恭介は特に目的もなく草原を歩いていた
「なぁパイイン、これからどうしよっか?」
「そうですな……我が主は古今無双の力を持っております…この世でも征服しますかな?」
恭介の肩に留まりながらそんな事を話すパイインだが、自身も其れを良しとする主では無い事を知っていた
「ヤダ…めんどくさい」
「でしょうな」
「ってか、いつまで肩に乗ってんのさ……俺って主なんだよね?」
「無論でございますとも!!」
そう言いながらその場から動こうとしないパイインに、ため息が出る恭介だった…
~ラスタール陣営~
「ゼム…感じたかあの魔力を…」
「…はい…」
国王と宰相は揃って冷や汗を流していた
「欲しいな…」
ぼそりと呟く国王の一言に、相棒である宰相は当たり前のようにこう返した
「絶対無理です」と…
「で、どうすれば良いと考える…宰相よ…」
どうすれば良いか…そうなのだ、あの白龍ですら王国をに襲来すればその日の内に滅亡するだろう
そして何よりその白龍を従えるあの男…魔王軍総勢5万をたった一人で一蹴するなど誰が想像できる?
あれは絶対に敵対してはいけない存在だ…
「陛下、私はあの者に近づかない方が良いと愚考いたします…あの者が災いに転じれば王国は必ず滅びますぞ!!」
「だがな宰相……
あの男はここで争いをするなと言った…そしてあの伝説の女神にもあったとな…そのような者が罪もない民を滅ぼすと思うか?
実際我が兵士たちは一人も欠ける事無くこの場にいる…本当であれば蹂躙されていたにも関わらずだ…
だからな宰相…俺はあの男と話してみようと思う……臣下にしようとも友になろうとも思わん…ただ知りたいのだ、あの者が何者で何を考え、何をしようとしているのか……
宰相…いやゼムよ…友であるお前に頼む!!俺に死にかけても助けようとするな!!
そして、即刻国に戻り王子を戴冠させ息子を支えてほしい!!」
決意を秘めたその瞳を逸らす事は出来ない…この国王は本当にバカで…自分がどれだけ苦労したことか…
それでも小さき頃からの親友なのだ…この言葉を受け止めるのは俺にしかできないだろう…
「当たり前だ…馬鹿野郎…後の事は俺に任せろ…お前の息子は必ず俺が支えてやる…だから好きなだけ行って来い…」
宰相の頬が涙に濡れる…周囲にいた兵士たちも二人の言葉に涙していた…
「いや~男の友情って良いっすよね~!!でも、殺すとか滅ぼすとかそんな事俺しないっすよ…いやマジで…」
周囲の視線がその言葉を発した男に集中する
そして誰となく後ずさり、蜘蛛の子を散らすように悲鳴を上げて逃げ出すのであった…国王も宰相も関係なく…である
その様子に恭介は…「これが人外に対する反応だよね…うん、わかります…」
と、一人落ち込むのだった…
~一方飛ばされたオーガエンペラーは~
俺は今飛んでいる…そう空を飛んでいるのだ…
森を越え、荒野を越え、そして今海を越えている真っ只中だ…
あの白龍を連れた小さな人間?の魔法…それも常識を超えた超初級魔法によって俺は今空を飛んでいる
俺の軍団はどうなったのだろうか?
そんな事を考える余裕ができるほど空を飛んでいるのだ…
あれは化け物だ…一度しか、それも遠目でしか見てないが、あの魔王様より強いだろう…そんな化け物に俺は挑んでしまった
ふと気づく…あぁ…ついに別の大陸まで飛んできてしまったようだ……
俺が思うのはただ一つだけ…
「助けてくれぇぇぇぇぇ!!!!!」
今日も空を飛ぶオーガエンペラーは絶叫を残しながらも飛行するのであった
誤字脱字ありましたらよろしくご指導お願いします。
ストックがつきました…