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第四話 恭介と白龍と契約の話

少し長めです

「貴様…我が守護するこの神聖な地にどうやって紛れ込んだ…」


「しゃ……しゃべったぁぁぁぁぁ!!」


そう、目の前に存在している巨大な龍がしゃべったのだ…びっくりするのも当たり前である


「五月蠅いぞ!下等生物が!!この神聖なる女神の地下神殿に足を踏み入れたのだ!!死をもって償うがよい!!」


「いやいや、踏み入ったんじゃなくて、その女神様から送ってもらったのがここだっただけで……」


俺には何の罪もないっす!!


「貴様…女神様の事を軽々しく申しおって……この矮小なる存在が…」


ピク


「小さき人間よ…万死に値するぞ!!!」


「…が…き…だと…?」


「なんだ?はっきり話さぬか!おなごのような風体をしおって!!貴様それでもおのこのつもりか!!」


プチ


「……OKOK…良い度胸だ…このクソ爬虫類が……」


財前恭介…身長151㎝…道を歩くと玉に男にナンパされる事もある、可愛いと形容してもよい男であるが、可愛い・小さいは禁句であり、その禁句に触れると肉体的・精神的に不能にされた者が多数いる


「貴様……四肢を引き裂いて生きたまま喰ろうてやギャブ!!」


ドゴン!!


一瞬であった…恭介の姿が掻き消えたかと思えば、その瞬間、龍の顔面を恭介の拳が突き刺さった


「き…貴様…」


龍の鼻からぼたぼたと血が流れ出す


「殺す!」


龍の巨大な咢が恭介を襲う…が、バキッっと言う音と共にその巨大で鋭い牙が砕け散る


「ギャァァァァァァ!!!!」


牙を砕かれた龍は地面をのたうちまわり、その白銀の体を汚していく…涙目で睨み付けながらプルプル震える恭介


「俺は…俺はなぁ…小さいって言われるのが大嫌いなんだよぉぉぉぉぉ!!!」


ゴスッっと言う音と共に遅いくる衝撃、一撃一撃に巨大な魔力の内包を感じる


「ちょ!!」


ガス!!


「まっ!!った…たす!!」


ガス!!ゴス!!


バキ!!



グシャッ!!


「も…もう…いっその事…こ…ころひ…て……」


ズタボロになった龍を目の前に、数十分後、ようやく冷静になった恭介が佇んでいる…


「やっちまったい…」


昔からそうだ、小さい・可愛いなど禁句を言われると一気に怒りの沸点を超えて破壊の限りを尽くす…


ついたあだ名が暴発王子と言う、うれしくないニックネームだった


「おい…」


「は…はひ…」


「す…すまなかった…いま回復するからちょっと待ってくれ…我れ癒しの女神の加護をもちて、優しき光の力を与える…完全治癒エクストラヒール…」


恭介のかざした手のひらから暖かな光が放射されたかと思えば、時間が巻き戻るかのように傷ついた龍の体が癒されていく


「こ…これは…女神様の御力か!!」


驚きを隠せない龍を尻目に、その場を立ち去ろうとする恭介に、完全に傷が癒えた巨大な龍は音もなくフワリと宙に浮くと、恐縮しながら口を開いた


「傷を癒して頂いたこと感謝したします…貴方様にお願いがございます、大変失礼ですがステータスの開示して頂いてもよろしいでしょうか?」


「え?…あ、あぁ構わないけどどうしたら良いのかな?」


「私がステータス開示の契約を求めますので、承認して頂くだけで結構です」


「そっか、わかったよ」


「では……我れ、龍のまなこにて汝が力の内面を求む…汝が意を示せ」


「かまわない」


恭介がそう答えると、恭介と龍の間に薄く輝く巨大なスクリーンが現れる…そこに現れた内容とは


財前恭介ザイゼンキョウスケ


異世界転生者

転生前の記憶を完全に保ったまま異世界に存在する存在


女神の恩人

癒しの女神の加護を受けてる


暴神の加護

暴神の加護を受けている為、破壊行為を行う場合破壊力が超上昇する


世界神の御子

世界神の加護を受けている為、この世界に住まう精霊は基本的にシモベとなる

また、神の代理人として世界に住まう四大聖龍王と契約を結ぶ事が可能になる


スキル


自動化

特定のスキルをパッシブ化する事が可能(出来ない物も存在する)


潜在能力鑑定※自動化不可

鑑定した人物の能力だけでなく、その者が秘めている潜在的可能性がある能力を確認、開花する事ができる


魔獣使役

本能から従った魔獣を使役することが出来る、獣使いの上位スキル

使役する魔獣の能力を指定して使わす事も可能になる


思念言語※自動化可能

会話不可能な者と思念を通じて会話する事が可能になる


全魔法属性適正※自動化可能

現在存在しない特殊な属性であっても、解析や鑑定を行う事により最大習得レベルまで自動習得する


習得の魔眼※自動化不可

特定した相手を右目で見る事により、スキルや技術、経験などを習得することが出来る


解析の魔眼※自動化可能

確認したい対象を左目で見る事により、その能力などを確認することが出来る


「………」


「…………」


二人?の間に沈黙が続く、ふと我に返ったように龍が恭介に話かけてきた


「財前さま、女神様…いえ、世界神様の御子様に対して、失礼の数々申し訳ございません…私はこの地下神殿を守護しております東海白龍王が第二子パイインと申します


財前さま、どうかお願いします…私を魔獣使役の能力で配下に加えて頂けませんでしょうか?」


おいおい…異世界初日で龍を配下にってどれだけチートなんだよ…それも龍王の第二皇子だろ?

無理…ムリムリ…絶対に問題おこるって!!


「いや~パイインだっけ?守護とかしてるんならこっから離れるのマズいんじゃ…」


「構いませぬ、我が守護すべきは女神様の加護を受けしモノでございます……どうか!どうかぁぁぁ!!」


一生懸命頭を地面に擦り付ける巨大な龍って…シュールだなぁ~と何となく感じる恭介も、なぜそこまでするのか本当にわからなかった、だからこう言うのは直球で聞くに限ると思うもので


「なぁパイインはどうしてそこまで俺の配下になりたいの?」


「いや…あの…」


「どうして?」


ニコニコしながら答えるように追及する恭介に根負けしたのか、パイインはゆっくりと話だした…


「実は私は東海白龍王の息子と話しておりましたが、昔から頭に血が上りやすく数多の戦場で破壊を尽くしておりました…そして父白龍王の怒りに触れ、この神殿の守護と言う役目と共にこの地から離れる事を禁じられました…世界神の御子様の配下であればここから抜け出せる…そう考えたのでございます…」


そう言ってパイインは頭を下げ続けた


正直言えば自分を出汁にしてここから離れたいだけである

断わっても自分が悪いわけではない……ないのだが…と悩んでいるとタブレットにメールがいきなり入ってきた


{パイ君の件}

恭介さん、先ほどドレッドアに住む東海白龍王から連絡が来まして、もし恭介さんが許してくれるなら配下にしてあげてほしいとお願いしてきたんです、私からもお願いします、きっとパイインはこれから恭介さんの助けになると思うので配下にしてあげて頂きませんか?

よろしくお願いします。


「パイイン…いま女神様から連絡が来てね…君を配下にしてやってほしいとお願いされたよ」


「な!なんと!!」


まさか女神様と直接連絡を取ることが出来ると思っていなかったパイインは畏れ多いと体を震えさせてくる…正直ウザい…


「でだ、女神様からのお願いだけなら断ろうと思ったんだけど…女神様のところに東海白龍王から連絡が来てね…そちらからもお願いしますと頼まれたらしいんだわ…」


「そんな…父上…う…うぅぅぅ…ちちうぇぇえ!!」


パイインの瞳に大粒の涙が現れる


「だからね…俺の配下になってくるかい?パイイン?」


「はい!はいぃぃぃ!!」


伏して涙を流すパイインの、その頭頂に生える立派な角を優しくなでる


「さ~て、この異世界、楽しく生きて見ようかねぇ!!」

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